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JIS X 0025 情報処理用語(ローカルエリアネットワーク) 1994制定
番号
用語
定義
対応英語
25.01.01
ローカルエリアネットワーク●LAN(省略形)
利用者の構内に設置され,地理的に限られた範囲内の計算機ネットワーク。(備)ローカルエリアネットワーク内での通信は,外部の規定に準拠する必要はない。しかし,ネットワークをまたがる通信は,外部の規定に準拠しなければならないこともある。
local area network●LAN (abbreviation)
25.01.02
ベースバンドLAN
符号化されたデータが搬送波で変調されずに伝送されるローカルエリアネットワーク。
baseband LAN
25.01.03
ブロードバンドLAN
符号化されたデータが搬送波で変調・多重化されて伝送されるローカルエリアネットワーク。複数の通信路から構成される。
broadband LAN
25.01.04
LAN一斉同報●LANブロードキャスト
同じローカルエリアネットワーク上のすべてのデータステーションによって受信されることを意図したフレームの送信。
LAN broadcast
25.01.05
LANグループ同報●LANマルチキャスト
同じローカルエリアネットワーク上のある選ばれた一群のデータステーションによって受信されることを意図したフレームの送信。
LAN multicast
25.01.06
トークン
ローカルエリアネットワークにおいて,伝送媒体を一時的に使用する権利を表すことに用いられる特別のビット群。あるデータステーションから別のデータステーションに順次渡される。(備)すべての情報は,フレームによって運ばれる。フレームには,トークンだけのもの,利用者データだけのものなどがある。
token
25.01.07
トークンパッシングプロトコル●トークンパッシング手順
トークンを利用するローカルエリアネットワークに おいて,データステーションのトークンの獲得方法,使用方法及び転送方法を決定する規則 の集合。
token passing protocol●token passing procedure
25.01.08
キャリア検地
ローカルエリアネットワークにおいて,他のデータステーションが伝送中か否かを検出するために,データステーションが行う動作。(参)搬送波検地ということもあるが,ここでいう搬送波は,ベースバンドとブロードバンドとを区別するための搬送波の意味とは異なる。
carrier sense
25.01.09
バスネットワーク
任意の二つのデータステーション間に唯一のパスしかなく,任意のデータステーションから伝送されたデータが,同じ伝送媒体に接続されている他のすべてのデータステーションで利用可能なローカルエリアネットワーク。(備)バスネットワークは,線状ネットワーク,星状ネットワーク又は木状ネットワークの形態をとることができる。
bus network
25.01.10
リピータ●中継器
ローカルエリアネットワークにおいて,データステーション間の伝送範囲の拡張又は二つの枝間の相互接続を行うために,信号の増幅及び再生を行う機器(図1参照)。
repeater
25.01.11
LANサーバ
ローカルエリアネットワーク上の他のデータステーションに,特定のサービスを提供するデータステーション。(例)ファイルサーバ,プリントサーバ,メールサーバ
LAN server
25.01.12
ブリッジ
同じ論理リック制御プロトコルを使用する二つのローカルエリアネットワークを相互接続する機能単位。それぞれのローカルエリアネットワークが異なる媒体アクセス制御フロトコルを使用していてもよい。(図1参照)。
bridge
25.01.13
LANゲートウェイ
ローカルエリアネットワークとそれと異なるプロトコルを使用しているネットワークとを接続する機能単位(図1参照)。(備)接続されるネットワークには,他のローカルエリアネットワーク,公衆データ網などが考えられる。
LAN gateway
25.01.14
LAN個別アドレス
ローカルエリアネットワーク上の特定のデータステーションを識別するアドレス。
LAN individual address
25.01.15
LANグループアドレス
ローカルエリアネットワーク上の一群のデータステーションを識別するアドレス。
LAN group address
25.01.16
LANグループ同報アドレス●LANマルチキャストアドレス
ローカルエリアネットワーク上のデータステーションの部分集合を識別するLANグループアドレス。
LAN multicast address
25.01.17
LAN一斉同報アドレス●LANブロードキャストアドレス
ローカルエリアネットワーク上のすべてのデータステーションの集合を識別するLANグループアドレス
LAN broadcast address●LAN global address
25.01.18
アドレス管理
ローカルエリアネットワークのアドレスを管理し,一意になるように割り当てること。アドレス管理には,局所アドレス管理及び全域アドレス管理がある。
address administration
25.01.19
局所アドレス管理
同じローカルエリアネットワーク内で,すべてのLAN個別アドレスを一意になるように割り当てるアドレス管理。
local address administration
25.01.20
全域アドレス管理
同じローカルエリアネットワーク内だけでなく,異なるローカルエリアネットワークとの間でも,すべてのLAN個別アドレスを一意になるように割り当てるアドレス管理。
universal address administration●global address administration
25.01.21
空アドレス
いずれのデータステーションにも関連しない,フレーム中のアドレス。(備)空アドレスは,保守のために使用できる。
null address
25.01.22
媒体アクセス制御●MAC(省略形)
伝送媒体を一時的に制御下に置くデータステーションを決定するために使用する技法。
medium access control●MAC (abbreviation)
25.01.23
幹線ケーブル
データステーション間の通信を可能にするために幹線結合器を接続するケーブル(図2参照)。
trunk cable
25.01.24
幹線結合器●幹線接続器●TCU(省略形)
ドロップケーブルを介してデータステーションを幹線ケーブルに接続する物理装置(図2参照)。(備)幹線結合器は,データステーションをネットワークに挿入したり,バイパスさせたりする手段として使用する。
trunk coupling unit●trunk connecting unit●TCU (abbreviation)
25.01.25
引込みケーブル
データステーションと幹線結合器との接続に使用するケーブル(図2参照)。
drop cable
25.01.26
放棄シーケンス
フレームの送信を早期に集結させるための特定のビットパターン。ビット列の任意の場所で使用してよい。
abort sequence
25.01.27
媒体インタフェースコネクタ●MIC(省略形)
ローカルエリアネットワークにおいて,データステーションと,幹線結合器,幹線ケーブル及び引込みケーブルとを接続するために使用するコネクタ(図2参照)。
medium interface connector●MIC (abbreviation)
25.01.28
媒体接続機構●MAU(省略形)
ローカルエリアネットワーク上のデータステーションにおいて,データ端末装置と伝送媒体とを結合するために使用する機器(図2及び図3参照)。
medium attachment unit●MAU
25.01.29
媒体依存インタフェース●MDI(省略形)
ローカルエリアネットワーク上のデータステーションにおいて,伝送媒体と媒体接続機構とを接続する機械的及び電気的なインタフェース(図2及び図3参照)。
medium dependent interface●MDI (abbreviation)
25.01.30
接続機構インタフェース●AUI(省略形)
ローカルエリアネットワーク上のデータステーションにおいて,媒体接続機構とデータ端末装置とを接続するインタフェース(図2及び図3参照)。
attachment unit interface●AUI (abbreviation)
25.02.01
キャリア検地多重アクセス衝突検出ネットワーク●CSMA/CDネットワーク(省略形)
媒体アクセス制御プロトコルがキャリア検地を行うとともに,衝突によって発生した例外状態を,再伝送によって解消するバスネットワーク。
carrier sense multiple access with collision detection network●CSMA/CD network (abbreviation)
25.02.02
キャリア検地多重アクセス衝突回避ネットワーク●CSMA/CAネットワーク(省略形)
媒体アスセス制御プロトコルがキャリア検地を行うとともに,データステーションが伝送を開始する前に,必ずジャム信号を送信するバスネットワーク。ジャム信号送出中に,他のデータステーションからの信号との衝突がないときは,データ送信を開始し,衝突が生じたときは,伝送を中止して,時間をおいて再伝送を試みる。
carrier sense multiple access with collision avoidance network●CSMA/CA network (abbreviation)
25.02.03
コンテンション(ローカルエリアネットワークにおける)
ローカルエリアネットワークにおいて,媒体アクセス制御プロトコルが2台以上のデータステーションの同時伝送を許容し,そのために衝突の発生する可能性がある状態。
contention
25.02.04
衝突
伝送媒体上では,2台以上のデータステーションが同時に伝送することによって生じる状態。
collision
25.02.05
ジャム信号
あるデータステーションが,他のすべてのデータステーションに,伝送を行ってはならないことを通知するために送出する信号。(備)1.CSMA/CDネットワークの場合,ジャム信号は,衝突が発生したことを示す。(備)2.CSMA/CAネットワークの場合,ジャム信号は,そのデータステーションが伝送を開始しようとしていることを示す。
jam signal
25.02.06
強制衝突
CAMA/CDネットワークにおいて,あるデータステーションが衝突を検出したときに,ジャム信号を送出すること。これによって,他のすべてのデータステーションに,衝突の発生を確実に認識させる。
collision enforcement
25.02.07
べき乗打切り待機法●再送時間算出法
CSMA/CDネットワークにおいて,衝突が発生したときに,再伝送の契機を決定するアルゴリズム。再伝送までの時間は,スロット時間及び再伝送回数から算出する。
truncated binary exponential backoff
25.02.08
超過送信●ジャバ
プロトコルで許容された時間間隔を超えるデータステーションによる伝送。
jabber
25.02.09
超過送信制御●ジャバ制御
ローカルエリアネットワークにおいて,媒体接続機構が異常に長いデータ列を出力することを防ぐために,自動的に伝送を中断する機能。
jabber control
25.02.10
遅延処理
伝送媒体が使用中のときに,衝突が発生するのを防止するため,データステーションが後続の伝送を遅らせる処理。
deference
25.02.11
スロット時間(CSMA/CDネットワークにおける)
衝突が発生した場合に,データステーションが次の再伝送を許されるまでの遅延時間を決定するために使用される単位時間。実装に依存する。
slot time (in a CSMA/CD network)
25.02.12
往復伝搬時間
バスネットワーク上の最も遠い2台のデータステーションをビットが往復伝搬するのに必要な時間。(備)キャリア検地を使用したネットワークにおいて,各フレームの長さは,伝送を行っているデータステーションがその伝送中に衝突又はジャム信号を検出できる程度に,十分に長くなければならない。したがって,フレームの最小の長さは,往復伝搬時間によって決定される。
round-trip propagation time
25.03.01
トークンバスネットワーク
トークンパッシングプロトコルを使用するバスネットワーク。
token-bus network
25.03.02
ヘッドエンド
ブロードバンドLANにおいて,各データステーションから信号を受信し,すべてのデータステーションにその信号を再送する機器。(備)再送は,搬送波周波数の変更を必要とすることもある。
headend
25.03.03
順方向LANチャネル
ブロードバンドLANにおいて,ヘッドエンドからデータステーションへのデータ伝送用に割り当てられる通信路。
forward LAN channel
25.03.04
逆方向LANチャネル
ブロードバンドLANにおいて,データステーションからヘッドエンドへのデータ伝送用に割り当てられる通信路。
backward LAN channel
25.03.05
ダウンリンク
トークンバスネットワーク形式のブロードバンドLANにおいて,データ送信時にデータステーションからの送信を受信したヘッドエンドが,その伝送路に接続するすべてのデータステーションに対してデータを送信する方向又はそのデータ伝送。
downlink
25.03.06
アップリンク
トークンバスネットワーク形式のブロードバンドLANにおいて,データ送信時にデータステーションからヘッドエンドに対してデータを送信する方向又はそのデータ伝送。
uplink
25.03.07
単一ケーブルブロードバンドLAN
順方向LANチャネルと逆方向LANチャネルとで,1本のケーブルを共用するブロードバンドLAN。
single-cable broadband LAN
25.03.08
二重ケーブルブロードバンドLAN
順方向LANチャネルと逆方向LANチャネルとで,それぞれ別々のケーブルを使用するブロードバンドLAN。
dual-cable broadband LAN
25.03.09
論理リング
トークンバスネットワークにおけるデータステーション間のトークンの受渡し順序を論理的に表したもの。環状ネットワークにおけるトークンの受渡しを模擬したものである(図4参照)。
logical ring
25.03.10
雑音バースト信号
トークンバスネットワーク又はトークンリングネットワークにおいて,有効なフレームでは発生しない信号波形が,伝送媒体上にあることを示す信号。
noise burst signal
25.03.11
バス未使用信号
トークンバスネットワークにおいて,伝送媒体が使用されていなことを示す信号。
bus-quiet signal
25.03.12
制御フレーム
層又は副層が,他のシステムの同じ層又は副層のエンティティに対して送信するが,上位の層又は副層には受け渡さないフレーム。 例 媒体アクセス制御フレーム
control frame
25.03.13
応答時間ウインドウ●応答ウインドウ
トークンバスネットワークにおいて制御される時間の間隔。媒体アクセス制御フレームを送信したデータステーションが,それに対する応答を待つ時間。1スロット時間に等しい。
response time window●response window
25.03.14
伝送経路遅延●単一方向伝搬時間
バスネットワーク上の最も遠い2台のデータステーション間をビットが伝播するのに必要な時間。
transmission path delay●one-way propagation time
25.03.15
スロット時間(トークンバスネットワークにおける)
データステーションが,他のデータステーションからの応答を待たなければならない最大時間。
slot time (in a token-bus network)
25.04.01
トークンリングネットワーク
トークンパッシングプロトコルを使用して,データステーション間の単一方向のデータ伝送を実現する環状ネットワーク。伝送されたデータは,送信元のデータステーションに戻る。
token-ring network
25.04.02
スロット形リングネットワーク
一つの伝送媒体上の伝送路にあらかじめ定義されたスロットの中にデータを設定することによって,データステーション間の単一方向のデータ伝送を実現する環状ネットワーク。伝送されたデータは,送信元のデータステーションに戻る。
slotted-ring network
25.04.03
リング遅延
環状ネットワークにおいて,信号がリングを一周するために必要となる時間。(備)リング遅延は,ドロップケーブルを含む伝送媒体中の信号伝搬遅延と,トークンリングネットワークに接続されたデータステーションそれぞれでの伝搬遅延の合計とを加えた時間である。データ伝送速度とも関連がある。
ring latency
25.04.04
スター形配線リングネットワーク
数台のデータステーションを幹線結合器によって1か所で相互に接続するという方法で配線された,単一方向の伝送を行う環状ネットワーク。(備)データステーションの挿入・除去は,ネットワークの運用を中断することなく実施できる。(参)物理的にはスター形配線で論理的にはリングであるネットワーク。
star/ring network
25.04.05
ビーコンステーション
環状ネットワーク上で,下流のデータステーションに対して重大な故障を報告するデータステーション。
beaconing station
25.04.06
アクセス制御フィールド
トークンか否かの別,トークンを使用できるデータステーション,フレームの有効性及びデータステーションによる次のトークンの予約を示すビットパターン。
access control field
25.04.07
フィル
トークンリングネットワークにおいて,伝送中のデータステーションがフレーム,トークン又は放棄シーケンスの前後に送信する特定のビットパターン。このビットパターンがない場合,送信側の状態が非活動状態又は不確定な状態であると判断される。
fill
25.04.08
隣接局通知
トークンリングネットワークにおいて,各データステーションが上流の活動状態にあるデータステーションを識別する手順。この手順で得た識別情報によって,すべてのデータステーションは,故障が発生した場合に,その発生箇所を限定することができる。
neighbor notification
25.04.09
フレーム除去
リングをフレームが一周した後,送信元のデータステーションが,ネットワークからフレームを取り除く処理。
stripping
25.05.01
論理リンク制御プロトコル●LLCプロトコル(省略形)
ローカルエリアネットワークにおいて,接続されている伝送媒体とのアクセスの手段と独立に,データステーション間のフレーム交換の手段を定めるプロトコル。
logical link control protocol●LLC protocol (abbreviation)
25.05.02
媒体アクセス制御プロトコル●MACプロトコル(省略形)
ローカルエリアネットワークにおいて,データステーション間のデータ交換を可能にするため,接続されている伝送媒体とのアクセス手段を,ネットワークの構成形態を考慮して定めるプロトコル。
medium access control protocol●MAC protocol (abbreviation)
25.05.03
論理リンク制御副層●LLC副層(省略形)
ローカルエリアネットワークにおける,データリンク層の一部分。媒体に依存しないデータリンク機能を提供する(図3参照)。(備)論理リンク制御副層は,ネットワーク層にサービスを提供するために,媒体アクセス制御副層のサービスを使用する。
logical link control sublayer●LLC sublayer (abbreviation)
25.05.04
媒体アクセス制御副層●MAC副層(省略形)
ローカルエリアネットワークにおける,データリンク層の一部分。媒体アクセス制御を適用し,構成形態に依存する機能を提供する(図3参照)。(備)媒体アクセス制御副層は,論理リンク制御副層にサービスを提供するために,物理層のサービスを使用する。
medium access control sublayer●MAC sublayer (abbreviation)
25.05.05
物理信号制御副層●PLS副層(省略形)
ローカルエリアネットワークにおける,物理層の一部分。媒体アクセス制御副層と接し,ヒット記号の符号化及び送信,ビット記号の受信及び復号,並びに物理媒体の切放しを行う(図3参照)。
25.04.03
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