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JIS X 0005:1990
情報処理用語(データの表現)
1990制定
番号
用語
定義
対応英語
05.01.01
表記法
データを表現するための記号の集合及びその使い方の規則。
notation
05.01.02
記数法
数を表現するための表記法。
numeraion system●number representation system
05.01.03
数表現
記数法による数の表現。
number representaion●numeration
05.01.04
離散的表現
文字によるデータの表現。各々の文字又は文字の集まりは多数の選択可能なもののうちの一つを指定する。
discrete representaion
05.01.05
離散的データ
文字によって表現されたデータ。
discrete data
05.01.06
数表示
数の離散的表現。例:次の四つの数表示は,同じ数,十二を表したものである。
Twelve 英語による数表示
12 10進記数法
XII ローマ数字による表示
1100 2進記数法
numeral
05.01.07a
2進数●2進数表示
2進記数法における数表示。例:101は2進数表示であり,Vは等価なローマ数字による数表示である。
binary numeral
05.01.07b
8進数●8進数表示
8進記数法における数表示。
octal numeral
05.01.07c
10進数●10進数表示
10進記数法における数表示。
decimal numeral
05.01.07d
16進数●16進数表示
16進記数法における数表示。
hexadecimal numeral
05.01.08
数値表現
数表示によるデータの離散的表現。
numeric representation
05.01.09
数値データ
数表示によって表現されたデータ。
numeric data
05.01.10
ディジタル表現
変数の量子化された値の離散的表現すなわち,数字と,場合によっては特殊文字及び間隔文字とによる数の表現。
digital representation
05.01.11
ディジタルデータ
数字並びに場合によっては特殊文字及び間隔文字によって表現されたデータ。
digital data
05.01.12a
欧数字データ
欧字及び数字並びに場合によっては特殊文字及び間隔文字によっで表現されたデータ。
alphanumeric data
05.01.12b
英数字データ
英字及び数字並びに場合によっては特殊文字及び間隔文字によっで表現されたデータ。
alphanumeric data
05.01.13
アナログ表現
連続的に変わりうると考えられる物理量による変数値の表現であって,その物理量の大きさは,その変数又はその変数の適当な関数に正比例するもの。
analog representation
05.01.14
アナログデータ
連続的に変わりうると考えられる物理量によって表現されたデータであって,その大きさは,そのデータ又はそのデータの適当な関数に正比例するもの。
analog data
05.01.15
ディジタル化する
離散的データでないデータをディジタル形式で表現すること。例:ある物理量の大きさのディジタル表現をその大きさのアナログ表現から得ること。
to digitize
05.02.01
底
記数法において,表現される数を決定するために,指数で示される値によってべき乗され,かつそれに仮数が乗ぜられる数。例:次の式の数5
2.8×5^2=70
base●radix(使用しないほうがよい)
05.02.02
符号位置
通常,数表示の一端の位置であって,その数表示で表現された数の代表符号を示す標識を置くもの。
sign position
05.02.03a
符号ビット
符号位置を占める2進数字又は2進文字であって,その数表示が表現する数の代数符号を示すもの。
sign bit
05.02.03b
符号文字
符号位置を占める2進数字又は文字であって,その数表示が表現する数の代数符号を示すもの。
sign character
05.02.03c
符号数字
符号位置を占める2進数字又は数字であって,その数表示が表現する数の代数符号を示すもの。
sign digit
05.02.04
有効数字●有効けた
数表示において,与えられた正確度又は精度を保つために必要な数字
significant digit
05.03.01
位取り表現法●位取り表記法
文字の順序付けられた集合によって数を表現する記数法であって,一つの文字のもつ値が,その位置とそれ自体の値とに依存するもの。
positional system●positional representation system●positional notation
05.03.02
位取り表現
位取り表現法による数の表現。
positional representation
05.03.03
数字位置
位取り表現法において,文字が占める各々の場所であって,順序数又は同等な識別子によって識別されるもの。
digit place●digit position
05.03.04
重み
位取り表現法における各数字位置の係数であって,各数字位置における文字によって表現される値にそれぞれの係数を乗じて加え合わせると,この表現における数の値が得られるもの。
weight
05.03.05a
最大有効数字
位取り表記法において,最大の重みをもつ数字位置。
most significant digit●MSD(省略形)
05.03.05b
最大有効ビット
位取り表記法において,最大の重みをもつビット位置。
most significant bit●MSB(省略形)
05.03.06a
最小有効数字
位取り表記法において,最小の重みをもつ数字位置。
least significant digit●LSD(省略形)
05.03.06b
最小有効ビット
位取り表記法において,最小の重みをもつビット位置。
least significant bit●LSB(省略形)
05.03.07
基数記数法●基数表記法
ある数字位置の重みと,それより一つ低い数字位置の重みとの比が正の整数である位取り表現法。備考 ある数字位置の文字の可能な値は,ゼロからその数字位置の基数より1小さい値までである。
radix system●radix numeration system●radix notation
05.03.08
基数
基数記数法における数字位置に関する正の整数であって,その数字位置の重みにそれを乗じると,一つ上位の重みをもつ数字位置の重みになるもの。例:10進記数法では,各数字位置の基数は10である。
radix●base(使用しないほうがよい)
05.03.09
小数点
基数記数法で表される数の表現において,整数部の文字と小数部の文字とを分ける位置。
radix point
05.03.10
混合基数記数法●混合基数表記法
数字位置がすべて同じ基数をもつとは限らない基数記数法。例:連続する三つの数字が,“時間”,“10分”,“分”を表す記数法。この場合,三つの数字位置の重みは,1分を単位とすれば,それぞれ,60,10,1となる。したがって,2番目と3番目の数字位置の基数は,それぞれ6と10である。備考1.一つ以上の数字を使って日を表し,二つの数字を使って時間を表す似たような記数法は,混合基数記数法の定義を満たしていない。なぜなら“日”と“時間の10位”の重みの比が整数ではないからである。2.05.03.19の備考1.も参照。
mixed radix system●mixed radix numeration system●mixed radix notation
05.03.11
固定基数記数法●固定基数表記法
すべての数字位置が同じ基数をもつ基数記数法。ただし,最大の重みをもつ数字位置を除く。備考1.連続した数字位置の重みは,一つの基数の連続した整数べきであって,その各々は同じ係数を乗じて得られる。小数の表現においては,基数の負の整数べきが用いられる。2.固定基数記数法は混合基数記数法の特殊な場合である。05.03.19の備考2.も参照。
fixed radix system●fixed radix numeration system●fixed radix notation
05.03.12
10進記数法
数字の0,1,2,3,4,5,6,7,8及び9を使い,基数が10で,整数部の最下位の数字位置の重みが1である固定基数記法。例:この基数法では,576.2という数表示は,5×10^2+7×10^1+6×10^0+2×10^{-1}という数字を表現する。
decimal system●decimal numeration system
05.03.13
16進記数法
16個の数字0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,A,B,C,D,E及びFを使い,基数が16で,整数部の最下位の数字位置の重みが1である固定基数記法。A,B,C,D,E及びFは,それぞれ10,11,12,13,14及び15を表す。例:16進基数法では,3E8という数表示は,1000すなわち3×16^2十14×16^1+8×16^0という数字を表現する。
hexadecimal system●hexadecimal numeration system
05.03.14
8進記数法
数字0,1,2,3,4,5,6,7及び8を使い,基数が8で,整数部の最下位の数字位置の重みが1である固定基数記法。例:8進基数法では,1750という数表示は,1000すなわち1×8^3+7×8^2十5×8^1+0×8^0という数字を表現する。
octal system●octal numeration system
05.03.15
2進記数法
数字0及び1を使い,基数が2である固定基数記数法。例:この記数法では,数表示110.01は10進記数法における数6.25を表す。すなわち,1×2^2+1×2^1+1×2^{-2}
binary system●binary numeration system
05.03.16
10進小数点
10進記数法における小数点。備考 10進小数点はいろいろな慣習に応じて,コンマ,ピリオド又は数字の半分の高さの位置にある点によって表現される。
decimal point
05.03.17
固定小数点表示法
合意が得られている何らかの約束によって,小数点が一連の数字位置中に暗示的に固定されている基数記数法。
fixed-point representation system
05.03.18
可変小数点表示法
小数点がその位置にある特殊文字によって明示的に示されている基数記数法。
variable-point representation system
05.03.19
混合基底記数法●混合基底表記法
仮数と底とからなる一連の項の和として数が表される記数法であって,各項の底はその適用が決まれば一定であるが,すべての項の底の間は必ずしも整数比ではない。例:底b_3,b_2及びb_1並びに仮数6,5及び4で表現される数は,次の式で与えられる。6b_3+5b_2+4b_1 備考1.混合基数記数法は混合基底記数法の特殊な場合であって,項が底の大きさの大きいほうから小さいほうに順序付けられる場合,隣接した項の底の比は整数であるが,それぞれの場合の比の値が同じではないもの。したがって,最小の底をbとし,xとyを整数とすると,この記数法による数表示654は次の式で与えられる数を表す。6xyb+5xb+4b 2.固定基数記数法は混合基底記数法の特殊な場合であって,項が底の大きさの大きいほうから小さいほうに順序付けられる場合,すべての隣接した項の底の比が同じ整数であるもの。したがって,最小の底をbとし,xを整数とすると,この記数法における数表示654は,次の式で与えられる数を表す。6x^2b+5xb+4b
mixed base system●mixed base numeration system●mixed base notation
05.04.01
浮動小数点表示法
一対の数表示で実数が表される記数法であって,一方の数表示で与えられた仮数と,暗示的に定められている浮動小数点基底を他方の数表示で与えられた指数でべき乗することによって得られた値との積がその実数となるもの。備考 浮動小数点表示法においては,同じ数に対して,小数点を移動し,それに従って指数を調整することによって得られる多様な表現がある。
floating-point system●floating-point representation system
05.04.02
浮動小数点表示
浮動小数点表示法による実数の表現。例:数0.0001234の浮動小数点表示は,0.1234-3である。ここで,0.1234は仮数,-3は指数である。これらの数表示は,可変小数点の10進記数法で表されている。暗示的に定められた浮動小数点基底は10である。
floating-point representation
05.04.03
仮数(浮動小数点表示における)
浮動小数点表示において,表現される実数を決定するために暗示的に定められている浮動小数点基底をその指数だけベき乗したものに掛けられる数表示。例:05.04.02の例を参照。
mantissa(浮動小数点表示における)
05.04.04
指数(浮動小数点表示における)
浮動小数点表示において,表現される実数を決定するために仮数との乗算に先立ち,暗示的に定められた浮動小数点基底にべき乗すべき数表示。例:05.04.02の例を参照。
exponent(浮動小数点表示における)
05.04.05
指数部(浮動小数点表示における)
浮動小数点表示において,指数を表す数表示。備考 指数部は指数とある定数だけ違うことがしばしばある。この場合は,バイアス付き指数という。例えば,この定数を64とすると,05.04.02の例の浮動小数点表示は,次のようになる。0.123461
characteristic(浮動小数点表示における)
05.04.06
浮動小数点基底●浮動小数点基数
浮動小数点表示法において,暗示的に固定された,1より大きい正整数の底であって,指数によって明示的に示された値又は指数部によって表現された値によってべき乗され,そして表現される実数を決定するために,その仮数が乗ぜられるもの。例:05.04.02の例では,暗示的に定められた浮動小数点基底は10である。
floating-point base●floating-point radix
05.04.07
正規形(浮動小数点表示における)
浮動小数点表示法において,どのような実数も一意的な一対の数表示で表せるように,仮数をあらかじめ決められた標準の範囲に収めた形。
normalized form(浮動小数点表示における)●standard form
05.04.08
正規化する(浮動小数点表示法における)
浮動小数点表示法において,表現されている実数は変化させずに,仮数がある決められた範囲内に収まるように仮数を調整し,それに対応して指数部も調整する。
to normalize(浮動小数点表示における)
05.05.01
10進表記法
10個の異なる文字,通常は,10進数字を使う表記法。例1.文字列196912312359は,1970年が始まる1分前の日付と時刻とを表現している。例2.国際10進分類法(UDC)で使われる表現。備考 これらの例は,10進表記法を使用しているが,10進記数法の定義を満足していない。
decimal notation
05.05.02
2進表記法
二つの異なる文字,通常は,2進数字の0と1を使う表記法。例:交番2進コードは2進表記法であるが,2進記数法ではない。
binary notation
05.05.03
ビット位置
2進表記法における語の中の文字の位置。
bit position
05.05.04
2進化表記法
各々の文字が2進数表示で表現されている2進表記法。
binary-coded notation
05.06.01
2進化10進表記法●BCD(省略形)●2進化10進符号
各々の10進数字が2進数字で表現されている2進化表記法。例:重みが8-4-2-1である2進化10進表記法では,数23は0010 0011で表現される(2進記数法における表現10111と同じ)。
binary-coded decimal notation●BCD(省略形)●binary-coded decimal representation●binary-coded decimal code
05.06.02
3増し符号
10進数字nが,(n+3)を表現する2進数表示で表現される2進化10進表記法。
excess three code
05.06.03
5-2選符号
各々の10進数字が5個の2進数字からなる2進数表示で表現される2進化10進表記法であって,その5個のうち2個は一方の2進数字,慣習では1,残りの3個は他方の2進数字,慣習では0をとるようになっているもの。備考 通常の重みは,00110という0の表現を除いて,6-3-2-1-0である。
two-out-of-five-code
05.06.04
2-5進符号
10進数字nが一対の数量表示aとbで表される表記法であって,aは0又は1,bは0,1,2,3又は4で,(5a+b)がnが(★「と」の誤り★)等しいもの。備考 この二つの数字はしばしば一連の二つの2進数表示によって表現される。備考 通常,この二つの数表示は2進数字で表現される。(★二つの備考には番号をつけたい★)
biquinary code
05.06.05
パック10進表記法
二つの連続した10進数字にそれぞれ4ビットを割り当てて,1バイトで表現する2進化10進表記法。
packed decimal notation
05.06.06
アンパック10進表記法
各々の10進数字が,1バイトで表現される2進化10進表記法。
unpacked decimal notation
05.07.01
補数
与えられた数を,ある決められた数から引くことによって得られる数。例:固定基数記数法において,この決められた数は基数のベき乗であるか,又は基数の与えられたべき乗より1小さいものである。備考 負の数は,しばしば補数で表現される。
complement
05.07.02
基数の補数
固定基数記数法において,与えられた数を,基数のある決められたべき乗から引くことによって得られる補数。例:3けたを使い,基数のべき乗が1000である10進記数法では,830は170の基数の補数である。備考 基数の補数は,最初に減基数の補数を導き出し,それからその結果の最小有効数字に1を加え,必要なけた上げをすることによって得られる。
radix complement
05.07.03
10の補数
10進記数法における基数の補数。
tens complement●complement on ten
05.07.04
2の補数
2進記数法における基数の補数。
twos complement
05.07.05
滅基数の補数●基数−1の補数
固定基数記数法において,与えられた数を,基数のある決められたべき乗より1小さい数から引くことによって得られる補数。備考 減基数の補数は,与えられた数の各々の数字を基数より1小さい数から引くことによって得られる。
diminished radix complement●radix-minus-one complement
05.07.06
9の補数
10進記数法における減基数の補数。
nines complement●complement on nine
05.07.07
1の補数
2進記数法における減基数の補数。
ones complement●complement on one
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