← 一覧に戻る ↓ このページの最下段に移る

JIS X 0005:2002
情報処理用語(データの表現) 2002改正●1990改正●1987制定

番号 用語 定義 対応英語
05.01.01 表記法 データを表現するための記号の集合及びその使い方の規則。 notation
05.01.02 記数法 数を表現するための表記法。 numeration system●number representation system
05.01.03 数表現 記数法による数の表現。 number representation●numeration
05.01.04 離散的表現 文字によるデータの表現であって,文字又は文字の集まりが,とり得る値の一つを表すもの。(備)アナログ表現の対語。 discrete representation
05.01.05 離散的データ 文字のように,異なる要素で構成されるデータ,又は整数のように,別々のものとして認識できる一つ以上の値で表すことのできるデータ。(備)1.離散的データは,整数の集合に写像できるかできないかによって,特徴づけることができる。2.アナログデータの対語。 discrete data
05.01.06 数表示 数の離散的表現。(例)次の四つの数表示は,同じ数,十二を表したものである。
 Twelve 英語による表示
 12 10進法による表示
 XII ローマ数字による表示
 1100 2進法による表示
numeral
05.01.07 2進数●2進数表示 2進記数法における数表示。(例) 101は2進数表示であり,Vはローマ数字による等価な数表示である。 binary numeral
05.01.08 8進数●8進数表示 8進記数法における数表示。 octal numeral
05.01.09 10進数●10進数表示 10進記数法における数表示。 decimal numeral
05.01.10 16進数●16進数表示 16進記数法における数表示。 hexadecimal numeral
05.01.11 数値表現 数表示によるデータの表現。 numeric representation
05.01.12 数値データ 数表示によって表現されたデータ。 numeric data
05.01.13 ディジタル表現 数字と,場合によっては特殊文字及び間隔(文字)とによる数の表現。 digital representation
05.01.14 ディジタルデータ 数字と,場合によっては特殊文字及び間隔(文字)とによって表現されたデータ。 digital data
05.01.15 ディジタル化データ 量子化され,ディジタル表現に適している値。 digitized data
05.01.16a 欧数字データ 欧字及び数字と,場合によっては特殊文字及び間隔(文字)とによって表現されたデータ。 alphanumeric data
05.01.16b 英数字データ 英字及び数字と,場合によっては特殊文字及び間隔(文字)とによって表現されたデータ。 alphanumeric data
05.01.17 アナログ表現 連続的に変わりうると考えられる物理量による変数値の表現であって,その物理量の大きさが,その変数又はその変数の適当な関数に正比例するもの。(備)離散的表現の対語。 analog representation
05.01.18 アナログデータ 連続的に変わりうると考えられる物理量によって表現されたデータであって,その大きさが,そのデータ又はそのデータの適切な関数に正比例するもの。(備)離散的データの対語。 analog data
05.01.19 ディジタル化する 離散的データでないデータをディジタル形式で表現する。(例)ある物理量の大きさのディジタル表現をその大きさのアナログ表現から得る。 <to> digitize
05.02.01 リテラル 文法的な観点から,直接,値を表す字句単位。(例)あるデータ型の次の定義における名前JAN, FEB, MAR, ...はリテラルである。Month_Type is (JAN, FEB, MAR, APR, MAY, JUN, JUL, AUG, SEP, OCT, NOV, DEC); Month : Month_Type;..... Month := APR; literal
05.02.02 数値リテラル 数表現で用いる数字及びその他の文字から構成されるリテラルであって,通常の算術演算に適するもの。 numeric literal
05.02.03 整数リテラル 整数を表すために使われる数値リテラル。 integer literal
05.02.04 実数リテラル 実数を表すために使われる数値リテラル。 real literal
05.02.05 10進リテラル 10進数を表すために使われる数値リテラル。 decimal literal
05.02.06 底付きリテラル 基数を明示的に表現する形式で,数を表すために使われる数値リテラル。(例)Adaでは,16#F.FF#E+2は,10進リテラル4095を表す16進実数リテラルである。 based literal
05.02.07 文字リテラル ただ一つの文字からなるリテラル。(備)1.文字リテラルは,他の字句単位と区別するために,通常,区切り符号で囲う。2.プログラム言語では,通常,文字リテラルと列リテラルに,異なる区切り符号を用いる。3.文字リテラルは,長さ1の列リテラルであってもよい。 character literal
05.02.08 列リテラル●列定数 0個以上の文字からなり,一つの単位として扱われるリテラル。(例)“What is your name?”は引用符で区切られた列リテラルである。 string literal●string constant
05.02.09 列挙リテラル 列挙型の実現形であるリテラル。 enumeration literal
05.03.01 記数法において,指数で示される値によってべき乗される値であって,それにさらに仮数が乗ぜられて,表現される数を決定するもの。
(例)次の式の数10
 3.15×10^3=3150
(備)基数記数法での使い方からわかるように,“基数”は,この意味では使用しないほうがよい(05.04.10参照)。
base●radix (この意味では使用しないほうがよい)
05.03.02 符号位置 通常,数表示の一端の位置であって,その数表示が表現する数の代数符号を示す標識を置くもの。 sign position
05.03.03 符号ビット 符号位置を占めるビットであって,その数表示が表現する数の代数符号を示すもの。 sign bit
05.03.04 符号文字 符号位置を占める文字であって,その数表示が表現する数の代数符号を示すもの。 sign character
05.03.05 有効数字 数表示において,与えられた正確度又は精度を保つために必要な数字。 significant digit
05.04.01 位取り表記法●位取り記数法 数字の順序付けられた集合によって数を表現する記数法であって,一つの数字のもつ値が,その位置とそれ自体の値とに依存するもの。 positional notation●positional numeration system
05.04.02 位取り表現 位取り表記法による数の表現。 positional representation
05.04.03 数字位置 位取り表記法において,数字が占める各々の位置であって,順序数又はそれと同等なものによって識別されるもの。 digit place●digit position
05.04.04 重み 位取り表記法における数字位置の係数であって,各数字位置における数字によって表現される値にそれぞれの係数を乗じて加え合わせると,この表現における数の値が得られるもの。 weight
05.04.05 最大有効数字●MSD(省略形) 位取り表記法において,最大の重みをもつ数字位置。 most significant digit●MSD (abbreviation)
05.04.06 最大有効ビット●MSB(省略形) 位取り表記法において,最大の重みをもつビット位置。 most significant bit●MSB (abbreviation)
05.04.07 最小有効数字●LSD(省略形) 位取り表記法において,最小の重みをもつ数字位置。 least significant digit●LSD (abbreviation)
05.04.08 最小有効ビット●LSB(省略形) 位取り表記法において,最小の重みをもつビット位置。 least significant bit●LSB (abbreviation)
05.04.09 基数表記法 ある数字位置の重みと,それより一つ低い数字位置の重みとの比が正の整数である位取り表記法。(備)各数字位置の数字の可能な値は,ゼロからその数字位置の基数より1小さい値までである。 radix notation
05.04.10 基数 基数表現法における正の整数であって,ある数字位置の重みにそれを乗じると,一つ上位の重みをもつ数字位置の重みになるもの。(例)10進記数法では,各数字位置の基数は10であり,各数字位置の重みは10の整数べきである。(備)数学上の使い方を考えると,底はこの意味では使わないほうがよい(05.03.01参照)。 radix●base (この意味では使用しないほうがよい)
05.04.11 小数点 基数表現法で表される数の表現において,整数部の数字と小数部の数字とを分ける位置。 radix point
05.04.12 混合基数表記法 数字位置がすべて同じ基数をもつとは限らない基数表記法。(例)連続する三つの数字が,“時間”,“10分”,“分”を表す記数法。この場合,三つの数字位置の重みは,1分を単位とすれば,それぞれ,60,10及び1となる。2番目と3番目の数字位置の基数は,それぞれ6及び10である。(備)一つ以上の数字を使って日を表し,二つの数字を使って時間を表す似たような記数法は,基数表記法の定義を満たしていない。なぜなら“日”と“10時間”の重みの比が整数ではないからである。 mixed radix notation
05.04.13 固定基数表記法 すべての数字位置が同じ基数をもつ基数表記法。ただし,最大の重みをもつ数字位置を除く。(備)1.連続した数字位置の重みは,一つの基数の連続した整数べきであって,その各々は同じ係数を乗じて得られる。小数の表現においては,基数の負の整数べきが用いられる。2.固定基数表記法は混合基数表記法の特殊な場合である。 fixed radix notation
05.04.14 10進法●10進記数法 10個の数字0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8及び9を使い,基数が10で固定され,整数部の最小の重みが1である固定基数表記法。(例) 10進法では,数表示576.2は,5×10^2+7×10^1+6×10^0+2×10^{-1}を表現する。 decimal system●decimal numeration system
05.04.15 16進法●16進記数法 16個の数字0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, A, B, C, D, E及びFを使い,基数が16で固定され,整数部の最小の重みが1である固定基数表記法。A, B, C, D, E及びFは,それぞれ10,11,12,13,14及び15を表す。(例) 16進法では,数表示3E8は,3×16^2+14×16^1+8×16^0,すなわち,10進数1000を表現する。 hexadecimal system●hexadecimal numeration system
05.04.16 8進法●8進記数法 8個の数字0, 1, 2, 3, 4, 5, 6,及び7を使い,基数が8で固定され,整数部の最小の重みが1である固定基数表記法。(例) 8進法では,数表示1750は,1×8^3+7×8^2+5×8^1+0×8^0,すなわち,10進数1000を表現する。 octal system●octal numeration system
05.04.17 2進法●2進記数法 2個の数字0及び1を使い,基数が2で固定され,整数部の最小の重みが1である固定基数表記法。(例) 2進法では,数表示110.01は,1×2^2+1×2^1+1×2^{-2},すなわち,10進数6.25を表す。 binary system●binary numeration system
05.04.18 10進小数点 10進法における小数点。(備) 10進小数点はいろいろな慣習に応じて,コンマ,ピリオド又は数字の半分の高さの位置にある点によって表現される。国際規格ではコンマを使用し,日本ではピリオドを使用する。 decimal point
05.04.19 固定小数点表示法 何らかの約束によって,小数点が一連の数字位置中に暗示的に固定されている基数表記法。 fixed-point representation system
05.04.20 可変小数点表示法 小数点がその位置にある特殊文字によって明示的に示されている基数表記法。 variable-point representation system
05.04.21 混合基底表記法 仮数と底とからなる一連の項の和として数が表される記数法であって,各項の底はその適用が決まれば一定であるが,すべての項の底の間が必ずしも整数比ではないもの。(例)底b_3,b_2及びb_1並びに仮数6,5及び4で表現される数は,式6b_3+5b_2+4b_1で与えられる。 mixed base notation
05.05.01 浮動小数点表示法 一対の数表示で実数が表される記数法であって,一方の数表示で与えられた仮数と,浮動小数点基底を他方の数表示で与えられた指数でべき乗することによって得られた値との積がその実数となるもの。(備)浮動小数点表示法においては,同じ数に対して,小数点を移動し,それに従って指数を調整することによって得られる多様な表現がある。 floating-point representation system
05.05.02 浮動小数点表示 浮動小数点表示法による実数の表現。(例)数0.000 123 4の一つの浮動小数点表示は,0.1234E-3である。ここで,0.1234は仮数,-3は指数で,Eで示している。これらの数表示は,可変小数点の10進法で表されている。浮動小数点基底は10である。 floating-point representation
05.05.03 仮数(浮動小数点表示における) 表現される実数を決定するために,浮動小数点基底をその指数だけべき乗したものに掛けられる数表示。(例) 05.05.02の例を参照。 mantissa (in a floating-point representation)
05.05.04 指数(浮動小数点表示における) 表現される実数を決定するために,仮数との乗算に先立ち,浮動小数点基底にべき乗すべき数表示。(例) 05.05.02の例を参照。 exponent (in a floating-point representation)
05.05.05 指数部(浮動小数点表示における) 浮動小数点表示において,内部的に指数を表す数表示。(備)浮動小数点表示の方法によっては,指数部が指数とある定数だけ異なることがある。指数を−3とし,この定数を64とすると,指数部は61である。 characteristic (in a floating-point representation)
05.05.06 浮動小数点基底●浮動小数点基数 浮動小数点表示法において,1より大きい正整数に固定された底であって,表現される実数を決定するために,指数によって明示的に示された値によってべき乗され,その後仮数が乗ぜられるもの。(例) 05.05.02の例では,浮動小数点基底は10である。 floating-point base●floating-point radix
05.05.07 正規化する(浮動小数点表示における) 浮動小数点表示法において,表現されている実数は変化させずに,仮数がある決められた範囲内に収まるように仮数を調整し,それに対応して指数部も調整する。(備)1.数ゼロは正規化できない。2.この定義は,JIS X 0002 の02.09.01 の定義を改良したものである。 <to> normalize
05.05.08 正規形(浮動小数点表示における)●標準形(浮動小数点表示における) 浮動小数点表示法において,実数を正規化した形。 normalized form (in a floating-point representation)●standard form (in a floating-point representation)
05.06.01 10進表記法 10個の異なる文字,通常は,10進数字を使う表記法。(例)文字列199912312359は,2000年が始まる1分前の日付と時刻とを表現しているものと解釈できる。(備) 10進表記法が10進法であるとは限らない。 decimal notation
05.06.02 2進表記法 二つの異なる文字,通常は,数字0及び1を使う表記法。(例) T(真)又はF(偽),Y(肯定)又はN(否定)。(備) 2進表記法が2進法であるとは限らない。 binary notation
05.06.03 ビット位置 2進表記法における語の中の文字の位置。 bit position
05.06.04 2進化表記法 各文字が2進数で表現されている2進表記法。 binary-coded notation
05.07.01 2進化10進表記法●BCD(省略形)●2進化10進符号 各10進数字が別々に2進数で表現されている2進化表記法。(例)重みが8-4-2-1である2進化10進表記法では,10進数23は0010 0011で表現される。これに対して2進法による表現は10111である。 binary-coded decimal notation●BCD notation●binary-coded decimal representation
05.07.02 3増し符号 10進数字nが,数(n+3)に等しい2進数で表現される2進化10進表記法。 excess-three code
05.07.03 5-2選符号 各10進数字が5ビットからなる2進数で表現される2進化10進表記法であって,その5個のうち2個は一方のビット,慣習では1,残りの3個は他方のビット,慣習では0をとるようになっているもの。(備)通常の重みは,00110というゼロの表現を除いて,6-3-2-1-0である。 two-out-of-five code
05.07.04 2-5進符号 0から9までの数nが一対の数表示aとbとで表される表記法であって,aは0又は1,bは0,1,2,3又は4で,和(5a+b)がnに等しいもの。(備)通常,a及びbは2進法で表現される。 biquinary code
05.07.05 パック10進表記法 二つの連続する10進数字にそれぞれ4ビットを割り当て,1バイトで10進数2けたを表現する2進化10進表記法。 packed decimal notation
05.07.06 アンパック10進表記法 各10進数字が,1バイトで表現される2進化10進表記法。 unpacked decimal notation
05.08.01 補数 与えられた数を,ある決められた数から引くことによって得られる数。(例)固定基数記数法において,通常は,この決められた数は基数のべき乗であるか,又は基数の与えられたべき乗より1小さいものである。(備)負の数は,しばしば補数で表現される。 complement
05.08.02 基数の補数 固定基数記数法において,与えられた数を,基数のある決められたべき乗から引くことによって得られる補数。(例)三つの数字を使い,基数のべき乗が1000 (=103)である10進法では,170に対する基数の補数は830である。(備)基数の補数は,最初に減基数の補数を導き,その結果の最小有効数字に1を加え,必要なけた上げをすることによって得られる。 radix complement
05.08.03 10の補数 10進法における基数の補数。 tens complement
05.08.04 2の補数 2進法における基数の補数。 twos complement
05.08.05 減基数の補数●基数−1の補数 固定基数記数法において,与えられた数を,基数のある決められたべき乗より1小さい数から引くことによって得られる補数。(例)三つの数字を使い,基数のべき乗より1小さい数が999 (=10^3−1)である10進法では,170に対する減基数の補数は829である。(備)減基数の補数は,与えられた数の各数字を基数より1小さい数から引くことによって得られる。 diminished radix complement●radix-minus-one complement
05.08.06 9の補数 10進法における減基数の補数。 nines complement
05.08.07 1の補数 2進法における減基数の補数。 ones complement

← 一覧に戻る ↑ このページのトップに戻る