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JIS X 0007:1992
情報処理用語(プログラミング)
1992制定
番号
用語
定義
対応英語
07.01.01
プログラミング環境
プログラムの開発を支援するソフトウェアとハードウェアとの統合された集まり。
programming environment
07.01.02
プログラミングシステム
プログラミング環境において,プログラムの開発及び利用に必要なソフトウェア。
programming system
07.01.03
ライブラリ●プログラムのライブラリ
プログラム,その一部分,及び場合によってはそれらの利用に関する情報の組織化された集まり。備考 プログラムのライブラリは,しばしばその構成要素の性質に従って,例えば,手続きライブラり,原始プログラムライブラリなどと呼ばれる。
library●program library
07.01.04a
ユーティリティルーチン●共用ルーチン●サービスルーチン
計算機の利用者及びサービス担当者に対して,一般的にかつしばしば必要とされるサービスを提供するルーチン。例 入力ルーチン。
utility routine●service routine
07.01.04b
ユーティリティプログラム●共用プログラム●サービスプログラム
計算機の利用者及びサービス担当者に対して,一般的にかつしばしば必要とされるサービスを提供するプログラム。例 診断プログラム,追跡プログラム,整列プログラム。
utility program●service program
07.01.05
算法言語
算法を表現するための人工言語。
algorithmic language
07.01.06
プログラム言語
プログラムを表現するための人工言語。
programming language
07.01.07
問題向き言語
特定の応用分野の考え方を反映したプログラム言語。例 データベース応用のためのSQL。事務応用のためのCOBOL。
problem-oriented language
07.01.08
機械語
計算機の機械命令からなる人工言語。
machine language
07.01.09
アセンブラ言語
機械命令に対応した記号形式を備えたプログラム言語。備考 アセンブラ言語には,通常マクロ呼出しも用意されている。
assembly language
07.01.10
高水準言語
人間の思考に適した概念と構造をもつプログラム言語。備考 高水準言語は,計算機及びオペレーティングシステムの構造に依存しない。例 Pascal。
high-level language
07.01.11
宣言形言語
宣言を表すためのプログラム言語。例 データ記述言語。
declarative language
07.01.12
手続き形言語
計算を文の列によって表すプログラム言語。例 Pascal。
procedural language
07.01.13
関数形言語
計算を関数手続き呼出しによって表すプログラム言語。例 LISP。
functional language
07.01.14
オブジェクト指向言語
オブジェクト指向プログラミングの考え方を反映したプログラム言語。例 SMALLTALK。
object-oriented language
07.01.15
マイクロプログラム
マイクロ命令の列。備考 マイクロプログラムは,主に機械命令を実現するために用いられる。
micro program
07.02.01
整構造プログラミング●構造化プログラミング
一つの入り口点と一つの出口点とをもった構成要素だけを,階層的に入れ子にして用いて,プログラムを構成する方法。備考 整構造プログラミングにおいては,順次,選択及び繰返しの3種類の制御流れを用いる。
structured programming
07.02.02
段階的詳細化
プログラムを一連の段階を経て構成する方法であって,各段階で,作用をより基本的な幾つかの作用によって表すもの。
stepwise refinement
07.02.03
入れ子にする
ある種類の幾つかの構造を,同じ種類の一つの構造に組み入れる。例 あるループ(内側のループ)を他のループ(外側のループ)に入れ子にする。あるサブルーチンを他のサブルーチンに入れ子にする。
to nest
07.02.04
関数形プログラミング
主として関数手続き呼出しの列として,プログラムを構成する方法。呼出しは,しばしば入れ子にされる。
functional programming
07.02.05
オブジェクト指向プログラミング
相互に作用を及ぼし合うことのある対象がもつデータ及び演算を記述したクラスを,階層的に組織化してプログラムを構成する方法。
object-oriented programming
07.02.06
論理プログラミング
論理式の形の規則の集合としてプログラムを構成する方法。各規則には,あらかじめ算法が定義されていて,プログラムは,入力データをこの規則に従って処理するように構成する。
logic programming
07.02.07
マイクロプログラミング(1)
マイクロプログラムの作成。
microprogramming(1)
07.02.08
マイクロプログラミング(2)
マイクロプログラムによって制御されるハードウェアの設計に用いる技法。
microprogramming(2)
07.02.09
サブルーチン
命令の列であって,その実行が呼出しによって起動されるもの。
subroutine
07.02.10
再帰的サブルーチン
サブルーチンの一種であって,それ自身を起動することのできるもの。備考 再帰的サブルーチンは,そのサブルーチンを直接的又は間接的に起動する呼出しをもつのが普通である。
recursive subroutine
07.02.11
コルーチン
サブルーチンの一種であって,前回の実行の後で再び呼び出されたとき,直前の実行の戻り点から実行を継続するもの。
coroutine
07.02.12
ループ
繰り返し実行されうる命令の列。
loop
07.02.13
無限ループ
そのループを含むプログラムの外部からの介入によらなければ実行を終了できないループ。
infinite loop●closed loop(アメリカだけ)
07.02.14
飛越し
命令の逐次的な実行からの離脱。
jump
07.02.15
フラグ●旗
ある条件が成立していることを示す変数。
flag
07.02.16
スイッチ
フラグの制御に従って,複数の飛越しの中から一つを選ぶこと。
switch
07.02.17
作業領域●作業域
プログラムがデータを一時的に保持するために使用する記憶領域の部分。
work space●working space●work area●working area
07.02.18
ハッシュ法
探索かぎをデータの項目の記憶及び取出しのアドレスに変換する方法。備考 この方法は,探索時間を短くするために設計されることが多い。
hashing
07.02.19
同期
二つ以上の非同期手続きに対して,それぞれの実行列中の特定の点を時間的に一致させる動作。
synchronization
07.02.20
相互排除
ある時点でただ一つの非同期手続きだけが,ある共用変数を参照できる又は危険域群中の要素を実行できるという規制。
mutual exclusion
07.02.21
セマフォ●信号灯
相互排除を実現するために用いる変数。
semaphore
07.02.22
生産側非同期手続き
他の非同期手続きが使うデータを与える非同期手続き。
producer
07.02.23
消費側非同期手続き
他の非同期手続きから与えられたデータを使う非同期手続き。
consumer
07.02.24
共用変数
二つ以上の非同期手続き又は二つ以上の並行に実行されるプログラムから参照することのできる変数。
shared variable
07.02.25
束縛する
プログラムの中で識別子を対象に関連づける。例 識別子を値,アドレス又は他の識別子に関係づける。仮引数と実引数を対応づける。
to bind
07.02.26
マクロ呼出し
原始言語の中に埋め込まれた命令文であって,同じ原始言語を用いてあらかじめ定義された命令文の列で置き換えられるもの。備考 マクロ呼出しでは,マクロ定義中の仮引数に対して実引数を指定することもある。
macro call
07.02.27
マクロ定義
マクロ呼出しを置き換える命令文の列の記述。引数を伴うこともある。
macro definition
07.03.01
翻訳する(プログラム言語において)
あるプログラム言語で表現されたプログラムの全体又は一部分を,他のプログラム言語又は実行に適した機械語のプログラムに変換する。
to translate (in programming languages)
07.03.02
アセンブルする
アセンブラ言語で書かれたプログラムを目的プログラムに翻訳する。
to assemble
07.03.03
コンパイルする
高水準言語で表現されたプログラムの全体又は一部分を,中間言語,アセンブラ言語又は機械語で表現されたプログラムに翻訳する。
to compile
07.03.04
解釈実行する
原始プログラム中の命令文を一文ずつ解析し,実行する。一文の処理が終わってから,次の命令文の翻訳と実行に進む。
to interpret
07.03.05
翻訳プログラム
翻訳を行うプログラム。
translator●translation program
07.03.06
アセンブラ
アセンブルを行う翻訳プログラム。
assembler
07.03.07
コンパイラ
コンパイルを行う翻訳プログラム。
compiler
07.03.08
インタプリタ●解釈実行プログラム
解釈実行を行う翻訳プログラム。
interpreter●interpretive program
07.03.09
原始言語
特定の翻訳プログラムが受け入れることのできる原始プログラムを表現するためのプログラム言語。
source language
07.03.10
目標言語
翻訳プログラムの出力を表現するための言語。
target language
07.03.11
目的言語
目的プログラムを表現するための目標言語。
object language
07.03.12
中間言語
原始プログラム又は命令文が翻訳された出力を表現するための言語であって,それが更に翻訳又は解釈実行されるもの。
intermediate language
07.03.13
原始プログラム
特定の翻訳プログラムが受け入れることのできるプログラム。
source program
07.03.14
目標プログラム
原始プログラムに対応する翻訳版のプログラム。
target program
07.03.15
目的プログラム
実行に適した目標プログラム。備考 目的プログラムは,連係を必要とすることも必要としないこともある。
object program
07.03.16a
翻訳時
翻訳を行っている時期。
translation time(2)
07.03.16b
コンパイル時
コンパイルを行っている時期。
compilation time(2)
07.03.16c
アセンブル時
アセンブルを行っている時期。
assembly time(2)
07.03.17a
翻訳時間
あるプログラムを翻訳するのに要する時間。
translation time(2)
07.03.17b
コンパイル時間
あるプログラムをコンパイルするのに要する時間。
compilation time(2)
07.03.17c
アセンブル時間
あるプログラムをアセンブルするのに要する時間。
assembly time(2)
07.03.18a
翻訳プログラム指示文
プログラムの翻訳を制御するための言語構成要素。
translator directive
07.03.18b
アセンブラ指示文
プログラムのアセンブルを制御するための言語構成要素。
assembler directive
07.03.18c
コンパイラ指示文
プログラムのコンパイルを制御するための言語構成要素。
compiler directive
07.03.18d
解釈実行プログラム指示文
プログラムの解釈実行を制御するための言語構成要素。
interpreter directive
07.03.19
原始モジュール●コンパイル単位
原始プログラムの全体又は一部分であって,コンパイルのために十分に完結しているもの。
source module●compilation unit
07.03.20
従属コンパイル
複数の原始モジュールからの必要なすべてのインタフェース及び文脈の情報を使用して,原始モジュールをコンパイルすること。備考 インタフェース及び文脈の情報は,コンパイラが,妥当性を検査し,相互参照を解決するために使用する。
dependent compilation●separate compilation(使用しないほうがよい。)
07.03.21
独立コンパイル
複数の原始モジュールからのインタフェース及び文脈の情報を使用せずに,原始モジュールをコンパイルすること。備考 個別にコンパイルした単位を後で結合する時に,インタフェース及び文脈の情報の妥当性の検査を必要とすることがある。
independent compilation●separate compilation(使用しないほうがよい。)
07.03.22
はん用体
言語構成要素のモデルであって,引数をもつこともあ