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JIS X 0014:1999
情報処理用語(信頼性,保守及び可用性) 1999改正●1987制定

番号 用語 定義 対応英語
14.01.01(01.01.40) 機能単位 ハードウェア,ソフトウェア又はその両者からなり,指定された目的を遂行できるもの。
備考 JIS Z 8115:1981(ディベンダビリティ用語)は,この用語の代わりに,より一般的な用語“アイテム”を使用している。“アイテム”には,人間を含む場合がある。
functional unit
14.01.02 製品保証 設計段階以降,あらかじめ指定された要求事項が考慮されていること,及び最終製品がその寿命期間を通して要求事項に該当する特性を維持し続けることを保証する一連の指定事項及び活動。 product assurance
14.01.03 信頼性 機能単位が,要求された機能を与えられた条件のもとで与えられた期間実行する能力。
備考 JIS Z 8115:1981では,用語“信頼性(信頼性性能)”を規定しているが,その定義は実質的にこの定義と同じである。JIS Z 8115:1981には,更に幾つかの備考がある。
reliability
14.01.04 耐久性 機能単位が,与えられた使用条件及び保守条件のもとで限界状態に到達するまで,要求された機能を実行する能力。
備考1.機能単位は,有用寿命の終わり,経済的若しくは技術的な理由による不適応又は他の関連要因によって,限界状態に陥る。
備考2.この定義及び備考1.は,JIS Z 8115:1981と同一である。
durability
14.01.05 保守●保全 機能単位を,要求された機能を果たせる状態に保つこと又は修復することを意図した諸活動。
備考1.保守は,監視,試験,測定,交換,調整,修理及び場合によっては管理活動を含む。
備考2.JIS Z 8115:1981も参照。
maintenance
14.01.06 保守性●保全性 与えられた条件で,規定された手順及び資源を使用して保守が行われた場合に,機能単位が,与えられた使用条件のもとで,要求された機能を果たせる状態に保たれ,又は修復される能力。
備考 JIS Z 8115:1981で使用されている用語は“保全性(保全性能)”であり,その定義は実質的に同一である。
maintainability
14.01.07 可用性 必要となる外部資源が与えられたときに,ある時点において,又はある一定の期間,機能単位が決められた条件のもとで要求された機能を果たせる状態にある能力。
備考1.JIS Z 8115:1981で使用されている用語は“アベイラビリティ”であり,その定義は実質的に同一である。
備考2.ここで定義された可用性は,保守用の資源以外の外部資源が,その機能単位に影響を与えない場合の,機能単位固有の可用性である。これに対して,運転可用性は,外部資源が用意されることが条件となる。
availability
14.01.08(02.06.04) 誤り●誤差 計算,観測若しくは測定された値又は状態と,真の,指定された若しくは理論的に正しい値又は状態との間の相違。
備考1.JIS Z 8115:1981では,若干異なる言葉遣いが使用されている。
備考2.JIS X 0002での定義と同一である。
error
14.01.09 間違い●人的過誤 意図しない結果を引き起こす人間の行為又は怠慢。
備考 JIS Z 8115:1981に記載の,若干異なる定義を参照。
mistake●human error●error(この意味では使用しないほうがよい。)
14.01.10 障害 要求された機能を遂行する機能単位の能力の,縮退又は喪失を引き起こす,異常な状態。
備考 JIS Z 8115:1981では,予防保守又は他の計画的な作業の間に発生する場合,及び外部資源の不足のために発生する場合を除いて,要求された機能を遂行できない状態を“フォールト”と定義している。これら二つの視点については,図1を参照。
fault
14.01.11 故障 要求された機能を遂行する,機能単位の能力がなくなること。
備考 この定義はJIS Z 8115:1981と同一であるが,JIS Z 8115:1981には更に幾つかの備考がある。
failure
14.01.12 冗長性(信頼性,保守性及び可用性における) 機能単位が要求された機能を遂行するために十分な手段,又はデータが情報を表すのに十分な手段のほかに,別の手段が存在すること。
例 機能部品の二重化,パリティビット。
備考1.冗長性は,主に信頼性又は可用性を改善するために用いられる。
備考2.JIS Z 8115:1981の定義は,完全ではない。
redundancy(信頼性,保守性及び可用性における)
14.02.01 平均故障間隔 与えられた条件下での機能単位の,引き続く二つの故障間の平均時間間隔。
備考1.平均故障間隔は,理論的なモデル又は観測によって導くことができる。
備考2.この定義は,修復アイテムとして明示的に言及しているJIS Z 8115:1981(HR9)中の定義とJIS Z 8115:1981(R14)中の定義とを結合したものである。
参考 JIS Z 8115:1981では,“MTBF”をこの用語の略語とはせず,平均故障間動作時間(14.02.02)の略語と定めている。
mean time between failures
14.02.02 平均故障間動作時間 与えられた条件下での機能単位の,引き続く二つの故障間の平均動作時間。
備考1.この定義は,修復アイテムとして明示的に言及しているJIS Z 8115:1981(HR10)中の定義とJIS Z 8115:1981(R15)中の定義とを結合したものである。
備考2.JIS Z 8115:1981では,“MTBF”をこの用語の略語と定めている。
mean operating time between failures
14.02.03 プログラム依存型障害 ある一連の命令を実行した結果として検出される可能性のある障害。 program-sensitive fault
14.02.04 データ依存型障害 ある特定のパターンのデータを処理した結果として検出される可能性のある障害。 data-sensitive fault
14.03.01 事後保守●事後保全 要求される機能を実行できる状態に機能単位を戻すために,故障の発生後又は障害の検出後に実施される保守。
備考 JIS Z 8115:1981の定義は,“障害”(14.01.10参照)と“フォールト”の観点の相違があるが,この定義と本質的に同一である。
corrective maintenance
14.03.02 繰延べ保守●繰延べ保全 故障の発生又は障害の検出後直ちに開始されず,規定の保守規則に従って,時期を繰り延べて遂行される事後保守。
備考 JIS X 8115:1981の定義は,“障害”(14.01.10参照)と“フォールト”の観点の相違があるが,この定義と本質的に同一である。
deferred maintenance
14.03.03 管理保守●管理保全 要求されるサービス品質を最小又はより少ない保守努力で維持するような管理の仕組に基づいて行われる保守。
備考 JIS Z 8115:1981で定義されている概念は,本質的に同一であるが,主にJIS Xの規格内で要求される一貫性及び想定する読者層を考慮して,この規格では異なった表現を使用した。
controlled maintenance
14.03.04 予防保守●予防保全 機能単位の故障又は機能劣化の確率を低減するために,あらかじめ定められた間隔で,又は定められた基準に従って行われる保守。
備考 この定義は,JIS Z 8115:1981の定義と本質的に同一である。
preventive maintenance
14.03.05 定期保守●定期保全●時間計画保守●時間計画保全 定められた時間計画に従って遂行される予防保守。
備考1.時間計画は,経過時間,運転時問又は使用回数に従って定められる。
備考2.この定義は,JIS Z 8115:1981の定義と本質的に同一である。
scheduled maintenance
14.03.06 遠隔保守●遠隔保全●オンライン保守●オンライン保全 遠隔地にある保守設備の支援又は管理の下で通信回線を介して提供される機能単位の保守。
備考1.ここでは,通信回線は,機能単位の設置場所のローカルエリアネットワークを含まない。
備考2.JIS Z 8115:1981では,アイテムに対して要員が物理的に接近することなく遂行される保守を遠隔保守と定義している。
remote maintenance●telemaintenance●online maintenance
14.03.07 ストレス試験●限界試験●限界検査 潜在的な障害を検出又はその位置を特定するために,何らかの操作条件をそれらの定格値周辺で変化させる試験。 stress test●marginal test●marginal check
14.03.08 障害追跡●障害トレース モニタが取得する機能単位の内部動作の記録,これは,障害を検出する直前の状態の経過を反映したものである。 fault trace
14.03.09 診断(形容詞)●診断の(形容詞) 障害,故障又は間違いの検出,解析又は記述に関する用語。 diagnostic(形容詞)
14.03.10 マイクロ診断 機能単位内に組み込まれた又は必要に応じて外部から呼び込まれる専用マイクロプログラムを使用する診断手法。 micro diagnostics
14.03.11 試験・保守プログラム 保守又は検証を主目的として,機能単位を試験するために設計されたプログラム。 test and maintenance program
14.03.12 ログアウト(動詞)(信頼性,保守性及び可用性における) 保守を容易にする目的で,障害が検出された時に,機能単位の内部状態を記憶装置に記録すること。 journalize(動詞)●logout(動詞)(信頼性,保守性及び可用性における)
14.04.01 運用性●サービス性 利用者の要求に応じてサービスを提供し,かつ,与えられた条件下で特定の許容範囲のサービスを,要求される期間提供し続ける能力。 servability●serveability●serviceability
14.04.02 ホットスタンバイ●熱待機●熱予備 現用の機能単位が故障した際,冗長な機能単位が,直ちに稼動状態に入る冗長待機構成。 hot standby
14.04.03 コールドスタンバイ●冷待機●冷予備 現用の機能単位が故障した際,冗長な機能単位が,ある遅延時間の後,稼動状態に入る冗長待機構成。 cold standby
14.04.04 再構成(信頼性,保守性及び可用性における) 障害又は誤りを検出した後,故障に至るのを未然に防止すること又は要求された機能を遂行できる状態に戻すことを目的として,機能単位の構成を変更すること。 reconfiguration(信頼性,保守性及び可用性における)
14.04.05 フェールソフト(形容詞) 障害発生又は限界を超えた操作状態にあるにもかかわらず,機能を縮退しながら,機能単位が稼動を継続する性質に関する用語。
備考 フォールトトレランスは,フェールソフトな動作を達成するための一つの手段である。
failsoft(形容詞)
14.04.06 フォールトトレランス 障害又は誤りが存在しても,要求された機能を遂行し続けることのできる,機能単位の能力。 fault tolerance●resilience
14.04.07 誤り回復●エラーリカバリ 機能単位が要求された機能を遂行し続けることを可能にするために,障害又は誤りの影響を是正したり,回避したりする処理。 error recovery
14.04.08 回復不能誤り 影響を受けた機能単位の外部にある手段又は資源を使わずには,誤り回復をすることができない誤り。 irrecoverable error●unrecoverable error
14.04.09 致命的誤り プログラムを更に実行すると無意味な結果を生むような誤り。 fatal error
14.04.10 監視タイマ●ウォッチドッグタイマ 信号又は機能単位の状態が,一定の時間を超えて不活性であったり,応答が遅延したりすることがないかを監視する計時機構。
備考 一定の期間の経過に際し,監視タイマは,警告を発するか,又は監視されている機能単位を引き継ぐために冗長な機能単位を起動することもある。
watchdog timer
14.04.11 平均修復時間 与えられた機能単位に閲し,故障後の復元操作に必要な平均時間。
備考 JIS Z 8115:1981は,同じ概念ながら別の形の定義を与えている。また,“MTTR”をこの用語の略語と定めている。
mean time to recovery●maen time to restoration
14.04.12 パーンイン(1)(名詞) あらかじめ指定された環境において操作し,可能な限り多くの初期障害を検知し,事後保守によって除去することによって新しい修理可能な機能単位又は修理された機能単位の信頼性を向上する過程。
備考 この定義は,修理系について,JIS Z 8115:1981が与えている定義と本質的に同じである。
burn in(1)(名詞)
14.04.13 パーンイン(2)(名詞) 修復不可能な機能単位の機能操作を用いて行うスクリーニング試験。
備考1.スクリーニング試験(JIS Z 8115:1981を参照)は,欠陥のある機能単位又は初期故障を起こしそうな機能単位を検出し除去することを意図して実行される。
備考2.この定義は,非修理系についてJIS Z 8115:1981が与えている定義と本質的に同じである。
burn in(2)(名詞)

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