一覧に戻る
このページの最下段に移る
JIS X 0026:1995
情報処理用語(開放型システム間相互接続)
1995制定
番号
用語
定義
対応英語
26.01.01
実システム
1台以上の計算機,関連するソフトウェア,周辺装置,端末,操作者,物理的プロセス及び通信手段の集合体。この集合体は,情報処理,情報転送又はその両者を遂行することのできる自立的統一体を形成する。(JIS X 5003 参照)
real system
26.01.02
実開放型システム
開放型システム関相互接続の要件に従って他の実システムとの間で通信を行う実システム(JIS X5003参照)
real open system
26.01.03
開放型システム
実開放型システム相互間の通信に関連する種々の状況を,一般化した抽象モデルによって実現したもの(JIS X 5003 参照)
open system
26.01.04
開放型システム間相互接続●OSI(省略形)
データを交換するための各種規格に従った計算機システムの相互接続(JIS X 5003参照)
open systems interconnection●OSI(省略形)
26.01.05
開放型システム間相互接続参照モデル●OSI参照モデル(省略形)
開放型システム間相互接続の一般的原則及びそれらの原則にしたがったネットワークアーキテクチャを記述するモデル(図1参照) 備考 このモデルは,JIS X 5003の中で規定されており,それを参照する規格の開発を調整するための枠組みを提供する。
open systems interconnection reference model●OSI reference model
26.01.06
OSI管理
OSI環境での通信を可能とするための資源の制御,調整及び監視をする機能。
OSI management
26.01.07
終端の開放型システム
通信が行われる際に,データ送信側,データ受信側又はその両者になることができる開放型システム。
end open system
26.01.08
中断
ある開放型システムからの受信データを他の開放型システムへ転送することを可能にする,経路選択などの機能の集合。
relay
26.01.09
中間システム
通信が行われる際に,中断を行うが,データ送信側にもデータ受信側にもならない開放型システム。 備考 中間システムは,複数存在してもよい。
intermediate system
26.01.10
OSI環境●OSIE(省略形)
開放型システム間での通信を可能にする概念,要素,機能,サービス及びプロトコルの集合の抽象的表現。これは,開放型システム間相互接続参照モデル及びそれから導き出される特定の規格によって規定される。
OSI environment●OSIE(省略形)
26.01.11
サブシステム(OSIにおける)
開放型システムを階層に区分したとき,その開放型がシステムのすぐ上の区分又はすぐ下の区分とだけ直接に相互作用を行う階層内の要素。 備考 開放型システムの階層区分は,層又は副層のいずれであってもよい。
subsystem (in OSI)
26.01.12
エンティティ(OSIにおける)
サブシステム内の能動的要素。 備考 ある層内でのエンティティ間の協調動作は,一つ以上のプロトコルによって制御される。
entity (in OSI)
26.02.01
層(OSIにおける)
開放型システム間相互接続参照モデルにおいて,概念的に完結したサービス,機能及びプロトコルのグループ。このグループは,階層的に配置された7グループのうちの一つであって,すべての開放型システムに共通に適用される。 備考1.各層の名前(例えば,応用層の“応用”)は,その層のエンティティ,サービス,プロトコル,機能などの側面を示すためにも使用してよい(図1参照)。 2.特定の層及びその隣接層を,層名を使わずに次のように区別して読んでもよい。<N>層:特定の層 <N+1>層:特定の層のすぐ上の層 <Nー1>層:特定の層のすぐ下の層 この表記法は,参照モデル内において,これらの層と関係するプロトコル,サービス,などの他の概念に対しても使用される(図2参照)。
layer (in OSI)
26.02.02
副層(OSIにおける)
開放型システム間相互接続参照モデルにおいて,一つの層内にあって,概念的に完結したサービス,機能及びプロトコルのグループ。これは,すべての開放型システムに共通に適用される。
sub layer (in OSI)
26.02.03
応用層
応用プロセルに対し,OSI環境にアクセスする手段を提供する層(26.02.01の備考1.及び図1参照)。 備考 応用層は,応用プロセスのデータ交換手段を提供し,これらの各プロセスが通信するための応用プロセス用プロトコルを含む。
application layer
26.02.04
プレゼンテーション層
データを表現するための共通構文の選択及び適用業務データと共通構文との相互変換を提供する層(26.02.01の備考1.及び図1参照)。
presentation layer
26.02.05
セション層
共同動作しているプレゼンテーションエンティティに対し,対話の構成及び同期を行い,データ交換を管理する手段を提供する層(26.02.01の備考1.及び図1参照)。
session layer
26.02.06
トランスポート層
終端間に,信頼性の高いデータ転送サービスを提供する層(26.02.01の備考1.及び図1参照)。 備考 特定の条件の下では,ネットワーク層から提供されるサービスをトランスポート層が改善することがある。
transport layer
26.02.07
ネットワーク層
開放型システム間のネットワーク上に存在するトランスポート層内のエンティティに対し,経路選択及び交換を行うことによってデータのブロックを転送するための手段を提供する層(26.02.01の備考1.及び図1参照)。 備考 ネットワーク層では,中間システムを使用してもよい。
network layer
26.02.08
データリンク層
ネットワークエンティティ間で,一般に隣接ノード間のデータを転送するためのサービスを提供する層(26.02.01の備考1.及び図1参照)。 備考 データリンク層では,物理層内で誤りが発生すればこれを検出する。更に,その誤りを訂正することもできる。
data link layer
26.02.09
物理層
伝送媒体上でビットの転送を行うための物理コネクションを確立し,維持し,解放する機械的,電気的,機能的及び手続き的な手段を提供する層(26.02.01の備考1.及び図1参照)。
physical layer
26.03.01
サービス(OSIにおける)
特定の層及びそれより下の層から,その特定の層のすぐ上の層のエンティティに対して提供される機能。 備考 特定の層のサービスは,その層とすぐ上の層との境界において提供される。
service (in OSI)
26.03.02
サービスアクセス点●SAP(省略形)
特定の層のサービスが,その層のエンティティからすぐ上の層のエンティティに対して提供される点。
service access point●SAP (省略形)
26.03.03
プロトコル(OSIにおける)
同一の層に属するエンティティの通信時の振舞いを決定する,意味規則及び構文規則の集合。
protocol (in OSI)
26.03.04
プロトコル制御情報●PCI(省略形)
特定の層のすぐ下の層から提供されるサービスによってその特定の層のエンティティ相互間で授受されるデータであって,それらのエンティティ相互間の協同動作を制御するもの(図2参照)。
protocol control information●PCI(省略形)
26.03.05
利用者データ(OSIにおける)
特定の層のエンティティ相互間で,そのすぐ上の層にサービスを提供するために,すぐ上の層のエンティティに代わって,転送されるデータ。
user data (in OSI)
26.03.06
プロトコルデータ単位●PDU(省略形)
特定の層のプロトコル内に指定されたデータの集合であって,その層のプロトコル制御情報と,場合によってはその層の利用者データとからなるもの(図2参照)。
protocol data unit●PDU(省略形)
26.03.07
サービスデータ単位●SDU(省略形)
特定の層のサービスの利用者によって送信されるデータの集合であって,意味を変えずに同位サービス利用者に転送しなければならないもの(図2参照)。
service data unit●SDU(省略形)
26.03.08
優先データ単位
あるコネクションにおいて以降に送信されるいかなるサービスデータ単位よりも必ず先に宛先開放型システム内の同位エンティティに配信される,小規模のサービスデータ単位。
expedited data unit
26.03.09
サービス利用者(OSIにおける)
サービスアクセス点を経由してサービスを利用する,単一の開放型システム内のエンティティ。
service user (in OSI)
26.03.10
サービス提供者(OSIにおける)
同位サービス利用者に対してサービスを提供するすべてのエンティティの抽象的表現。
service provider (in OSI)
26.03.11
発呼側サービス利用者
コネクション確立要求を起動するサービス利用者。
calling service user
26.03.12
着呼側サービス利用者
発呼側サービス利用者からコネクションの確立を要求されるサービス利用者。
called service user
26.03.13
送信側サービス利用者
コネクション型伝送のデータ転送フェーズ中に,又はコネクションレス型伝送のある期間に,データ送信側として動作するサービス利用者。
sending service user
26.03.14
受信側サービス利用者
コネクション型伝送のデータ転送フェーズ中に,又はコネクションレス型伝送のある期間に,データ受信側として動作するサービス利用者。
receiving service user
26.03.15
プリミティブ(OSIにおける)●サービスプリミティブ
サービス利用者とサービス提供者との間における相互動作の抽象的な表現(図3参照)。 備考 サービス利用者は,通常,エンティティ(第7層の場合を除く。)からなり,特定層のサービス提供者は,通常,その層のエンティティとより下位の層のサービスとからなる(第1層の場合を除く。)したがって,プリミティブは,隣接するエンティティ間の相互動作の抽象的な表現ということもできる。
primitive (in OSI)●service primitive
26.03.16
要求プリミティブ
サービス利用者がある手順を起動するために発行するプリミティブ(図3参照。)
request primitive
26.03.17
指示プリミティブ
サービス提供者がある手順を起動したこと,又は同一のサービスアクセス点でサービス利用者がある手順を起動したことを示すために,サービス提供者が発行するプリミティブ(図3参照)。
indication primitive
26.03.18
応答プリミティブ
あるサービスアクセス点において,それ以前に指示プリミティブによって起動されていた手順が完了したことを示すために,そのサービスアクセス点でサービス利用者が発行するプリミティブ(図3参照)。
response primitive
26.03.19
確認プリミティブ
あるサービスサクセス点において,それ以前に要求プリミティブによって起動されていた手順が完了したことを示すために,そのサービスアクセス点でサービス提供者が発行するプリミティブ(図3参照)。
confirm primitive
26.04.01
同位エンティティ
同一の開放型システムか別の開放型システムを問わず,お互いが同一の層内に存在しているエンティティ。 備考 同一開放型システムに存在するエンティティ間の通信は,OSIの範囲外とする。
peer entities
26.04.02
コネクション(OSIにおける)
すぐ上の層の複数のエンティティ間のデータ伝送を目的とし,特定の階層によって確立される協調的な関係。
connection (in OSI)
26.04.03
接続関係にあるエンティティ
特定層内で,すぐ下の層の一つのコネクションを共有するすべてのエンティティ。
correspondent entities
26.04.04
コネクション型伝送
送信側のサービスアクセス点から一つ以上の受信側のサービスアクセス点へコネクションを確立して,データ単位を伝送すること。 備考 コネクションは,データ伝送前に確立され,データ伝送後に開放される。
connection-mode transmission●connection-oriented transmission
26.04.05
コネクションレス型伝送
送信側のサービスアクセス点から一つ以上の受信側のサービスアクセス点へコネクションを確立せずにデータ単位を伝送すること。
connection less-mode transmission●connection less transmission
26.04.06
多重化(OSIにおける)
特定層の複数のコネクションをすぐ下の層の単一のコネクションで支援する機能。 備考 “多重化”という用語は,より狭義にも使用される。この場合,“多重化”は送信側エンティティの機能を意味し,“逆多重化”は受信側エンティティの機能を意味する。
multiplexing (in OSI)
26.04.07
逆多重化(OSIにおける)
特定層のエンティティが,すぐ下の層の単一のコネクション上で受信したサービスデータ単位から,特定層の複数のコネクションに対応したプロトコルデータ単位を識別する機能。 備考 多重化は,特定層のエンティティがすぐ下の層にサービスデータ単位を送信する機能をいう。逆多重化は,その逆の機能をいう。
demultiplexing (in OSI)
26.05.01
応用サービス要素●ASE(省略形)
応用層のエンティティの一部分であって,必要に応じてより下位のサービスを利用して,OSI環境内で特定の機能を提供するもの。
application service element●ASE (省略形)
26.05.02
応用アソシエーション●アソシエーション
二つの応用エンティティ間の共同動作関係であって,情報通信及び応用エンティティの結合動作の調整を目的とするもの。 備考 応用アソシエーションは,プレゼンテーションサービスを利用して,応用プロトコル制御情報を交換することによって支援される。
application association●association
26.05.03
アソシエーション制御サービス要素●ACSE(省略形)
応用サービス要素の一つであって,すべての応用アソシエーションの確立,終了のための排他的かつ整合的な手段を提供するもの。
association control service element●ACSE(省略形)
26.05.04
コミットメント●並行処理及び回復●CCR(省略形)
応用サービス要素の一つであって,複数の応用プロセスから共有データに対して施される操作を制御し,操作が完全に施されるか全く施されないかのどちらかを保証するもの。
commitment●concurrency and recovery●CCR(省略形)
26.05.05
遠隔操作サービス要素●ROSE(省略形)
応用サービスの要素の一つであって,操作の遠隔起動・遠隔制御のための一般的な機能を提供するもの。
remote operation service element●ROSE(省略形)
26.05.06
高信頼転送サービス要素●RTSE (省略形)
応用サービス要素の一つであって,特定のアソシエーションに関連する応用エンティティの対の間で交換されるプロトコルデータ単位の完全性を保証し,通信障害及び終端の開放型システムの障害を最小の再転送回数で回復する機能を提供するもの。
reliable transfer service element●RTSE(省略形)
26.05.07
仮想端末
あるクラスに属する各種の端末を一般化した論理モデルであって,そのクラスの端末がOSI環境内でどのように動作するかを記述したもの。
virtual terminal
26.05.08
ファイルの転送,アクセス及び,管理●FTAM(省略形)
応用サービスの一つであって,利用者の応用プロセスの中において終端の開放型システム間でファイルを転送し,遠隔ファイルの集合を管理し,それらにアクセスすることを可能にするもの。対象となるファイルは,他から転送されてきたものでもよい。
file transfer, access and management, FTAM(省略形)
26.05.09
ジョブの転送及び操作●JTM(省略形)
応用サービスの一つであって,利用者応用プロセスから,処理しようとするタスクに関連した文書を転送し操作して,かつ,それらのタスクの実行を指示できるようにするもの。
job transfer and manipulation●JTM(省略形)
26.05.10
ディレクトリシステム(OSIにおける)
現実のオブジェクトの集合に関する情報の論理データベースを保持するために協同動作する開放型システムの集まり。
directory system (in OSI)
26.05.11
ディレクトリ機能
応用サービスの一つであって,応用プロセスで使用する記号名を,OSI環境で使用する完結したネットワークアドレスに変換する機能。
directory facility
26.05.12
製造メッセージサービス●MMS(省略形)
応用サービスの一つであって,ネットワーク内に分散配置された製造制御用又はプロセス制御用の計算機及び関連機器の操作を,監視用計算機が制御できるようにするもの。 参考 MMS(省略形)は,工業自動化システムにおける“製造メッセージ仕様”(JIS B 3600参照)の意味で仕様されることがあるので使用に当たっては注意すること。
manufacturing message service●MMS(省略形)
26.05.13
メッセージ通信処理サービス
応用サービスの一つであって,システム間で電子メッセージを交換するための一般的な機能を提供するもの。
message handling service
26.05.14
共通管理情報サービス●CMIS(省略形)
応用サービスの一つであって,集中型又は非集中型の管理環境内で,システム管理目的として,情報及び指令を交換するときの一般な機構を提供するもの。
common management information service●CMIS(省略形)
26.05.15
遠隔データベースアクセス
応用サービスの一つであって,利用者の応用プロセスから遠隔データベースへのアクセスを可能にするもの。
remote database access
26.05.16
トランザクション処理
分散型システムにおける応用サービスの一つであって,複数のプロセスが対話型通信によってトランザクションを完了できるようにするもの。
transaction processing
26.06.01
具象構文
データを具体的に表現するために用いるデータの形式的記述に関する種々の規則。
concrete syntax
26.06.02
転送構文
開放型システム間におけるデータ転送に使用する具象構文。
transfer syntax
26.06.03
抽象構文
応用層データ又は応用プロトコル制御情報を符号化の技法とは無関係な表現規則によって表現するための仕様。
abstract syntax
一覧に戻る
このページのトップに戻る