一覧に戻る
このページの最下段に移る
JIS X 0137-1:2003
CASEデータ交換形式―CDIFフレームワーク―第1部:概要
2003制定
番号
用語
定義
対応英語
a1
転送ファイル
交換するためのデータを含むファイル。ファイルは,一つのヘッダ及び幾つかの構成要素から作られる。構成要素は,データ又はデータ定義データを含む。
transfer file
a2
移出プロセス
発信環境からの転送ファイルを生成するプロセス。
export process
a3
移出者
移出プロセスのエージェント。
exporter
a4
移入プロセス
対■環境に転送ファイルの内容を組み込むプロセス。(★1字欠★)
import process
a5
移入者
移入プロセスのエージェント。
importer
a6
可読テキストファイル符号化
ある特定の文字種を使って人が読める表示を最初に定義し,そして更に,その文字種の符号化を定義することによって,データを表現するための手法の類。
clear text file encoding
b1
項数
関係の項数は,関係に関与する役割の数。2項関係は,項数2をもつ。n項関係は,項数nをもつ(n>2)。ときには,関係の“次数(degree)”と呼ばれることもある。
arity
b2
関連実体
他の実体との間のある関係を表現するために使われる実体。関連実体は,ある関係が他には十分な機構を用意できない場合に使われる。
associative entity
b3
属性
実体又は関係の単一値の特性。
attribute
b4
属性付き関係
属性をもつ関係。
attributed relationship
b5
基数
主実体への一つの関係に関係づけられる実体インスタンス数の制約の記述。基数は,ある関係に関与する各実体ごとに,その関係した実体の一つの特定のインスタンスと関連付けできる最小及び最大のそのインスタンス数を示すことによって表現される。参考 基数は,インスタンス数の最小値(x)及び最大値(y)をコロンで区切った形式x:yで表現する。
cardinality
b6
CDIF
CASEデータ交換形式。CDIF規格群を参照。
CASE Data Interchange Format
b7
CDIF可読テキスト符号化
CDIF転送ファイルの可読テキストファイル符号化。
CDIF clear text encoding
b8
CDIF移出ツール
CDIF転送ファイルを作り出すツール。
CDIF exporter
b9
CDIF規格群
CDIF規格群(JIS X 0137,ISO/IEC 15475,ISO/IEC 15476)は,連携して使用する規格の集合によって構成され,モデル化ツール間の情報交換のための一つの標準定義の規定。
CDIF family of standards
b10
CDIF図記法
CDIFモデル化概念の図表現に適用する規則の集合。
CDIF graphical notation
b11
CDIF識別子
転送のモデル部のオブジェクトを一意に識別する属性。
CDIF identifier
b12
CDIF移入ツール
CDIF転送ファイルを読み,モデルの作成又は修正のためにそのファイルを使用するツール。
CDIF importer
b13
CDIF意味メタモデル
モデル定義のために使用する概念及び記法の集合の記述。CDIF意味メタモデルは,システム開発に使用するモデルを構築し,定義するために使用される実体関係属性モデルを定義する。
CDIF semantic metamodel
b14
CDIFメタ識別子
転送のメタモデル部のメタオブジェクトを一意に識別するメタメタ属性。
CDIF Metaidentifier
b15
CDIFメタメタモデル
メタモデルを定義するために使用する概念及び記法の集合の記述。特に,CDIFメタメタモデルは,メタモデル及びCDIFメタメタモデル自身の双方を構成し,定義するために使用される実体関係属性モデルを定義する。
CDIF meta-metamodel
b16
CDIF転送
特定の構文,その構文の特定の符号化及びメタモデルの組合せ。言い換えれば,転送の形式及び内容の完全定義。
CDIF transfer
b17
CDIF転送ファイル
ISO/IEC 15475に適合している転送ファイル。参考 ISO/IEC 15475は,JIS X 0138としてJIS化の予定。
CDIF transfer file
b18
CDIF転送形式
転送形式の完全定義を合わせて提供する,特定の構文とその構文の符号化の組合せ。
CDIF transfer format
b19
CDIF転送構文及び符号化
CDIFが規定する標準転送形式。SYNTAX.1及びENCODING.1の組合せは,最初のCDIF転送構文及び符号化を構成する。
CDIF transfer syntax and encoding
b20
特性実体
一方のメタオブジェクトに対する付加属性を提供するメタ実体。特性実体は,属性的実体(attributive entity)又は依存実体(dependent entity)とも呼ばれる。特性メタ実体の各インスタンスは,論理的には一つの他のメタ実体の一つのインスタンスとしか関係をもたない。したがって,移入者は,特性メタ実体のメタ属性と所有しているメタオブジェクトのメタ属性とを取り込むことができる。ここで,“所有している(Owing)”メタオブジェクトとは,特性メタ実体が基数1:1で関係付けられているメタオブジェクトを指す。
characteristic entity
b21
文字集合
文字集合は,終端記号を表現するために符号化で使用する文字の集まり。使用される文字集合は,CDIF転送におけるテキストメタ属性及び文字列メタ属性の符号化で重要である。
character set
b22
制約
制約は,一般的には属性の値の制限又は,値若しくは一つ以上の他オブジェクトの存在に基づく任意のオブジェクトの存在に関する制限。CDIFでは制約は,計算可能(すなわち,制約を実現するために組み入れられたコード)又は,計算不能(例えば,自然言語で表現された制約)に分類してもよい。計算不能制約の一例 “DFMProcessの二つのインスタンスは,メタ属性Nameと同一の値をもってはいけない”。計算可能テキスト制約の一例 “ForAny (DFMProcess, c) Unique (c.Name)”。
constraint
b23
データモデル
データに関するモデル。それによってデータの解釈が得られる。モデル化ツール業界では,データモデルは,計算機によって操作され符号化することができる。
data model
b24
符号化
符号化は,ある識別された文字集合を用い,どのように構文の要素が表現されるかの定義。構文文法中の様々な終端記号及びデータ型の詳細な表現が提供されている。
encoding
b25
ENCODING.1
ENCODING.1は,CDIF規格群で定義された最初の符号化の規定。CDIF規格群は,各々構文及び符号化で構成する複数転送形式を支援する。参考 添字“.1”が示すように,CDIF規格を構成する幾つかの符号化規定のうちの最初に定義した符号化規定である。本規格作成時点では,ENCODING.1だけが規定されている。
ENCODING.1
b26
実体
モデル(すなわち転送)中に現れるオブジェクト(すなわち,物,事象又は概念)。
entity
b27
情報内容
情報内容は,CDIF転送中に見出されるメタモデル及びモデルインスタンスの集合。
information content
b28
インスタンス
型の個々の出現(例 図MyDiagramは,Diagram型のインスタンス)。
instance
b29
意味メタモデル
CDIF意味メタモデル参照。
semantic metamodel
b30
中核実体
他のメタ実体の出現なしにインスタンスが存在できるメタ実体。例えば,名前,完全記述及び簡略記述をもつ,Attributeと呼ぶメタ実体のインスタンスは,それが記述するDataObjectの知識なしに意味をもつ。AttributeとDataObjectは,メタ実体の名称。
kernel entity
b31
メタ
CDIFでは通例,メタは,概念についての定義情報を意味するための,概念を示す接頭辞。すなわち,三つのモデル層の中の,あるオブジェクトの位置を指示するために使われる。
meta-
b32
メタ属性
メタ実体又はメタ関係の特性の定義。メタ属性のインスタンスは,モデル中ではデータの値として出現する。
meta-attribute
b33
メタ実体
CDIFモデル中に出現するデータオブジェクトの型の定義。特に,メタ実体は,あるモデル中にインスタンスをもつ物,事象又は概念を表現するためにまとめられる,0個以上のメタ属性の集合を表現する。
meta-entity
b34
メタ層
モデル層参照。
meta-layer
b35
メタメタ属性
メタメタ実体又はメタメタ関係の特性の定義。メタメタ属性のインスタンスは,メタデータの値としてメタモデル中に出現する。
meta-meta-attribute
b36
メタメタ実体
メタ実体,メタ関係,メタ属性又は対象分野の振舞い及び構造の定義(すなわち,モデル中の情報を記述するために使われるメタオブジェクト定義の定義)。
meta-meta-entity
b37
メタメタモデル
CDIFメタメタモデル参照。
meta-metamodel
b38
メタメタ関係
CDIFメタモデル中に出現するデータオブジェクトの型の定義。すなわち,メタメタ関係はメタメタ実体のインスタンス間の関係の定義を表現する。
meta-meta-relationship
b39
メタモデル
メタモデルは,それらのインスタンスがCDIF転送のモデル部に現れる,メタ実体,メタ関係,及びメタ属性の詳細定義を包含。(CDIF規格群を含む規格集合に定義される)CDIF意味メタモデルは,CDIF転送において,CDIF拡張機構を使わずに転送できる,すべての情報の型の定義である。
metamodel
b40
メタオブジェクト
メタオブジェクトは,メタ実体,メタ関係,及びメタ属性の総称的用語。
meta-object
b41
メタ関係
CDIFモデル中に出現するデータオブジェクトの型の定義。すなわち,メタ関係は,モデル中にインスタンスをもつメタ実体同士の関係の定義を表す。メタ関係は,メタ実体間の関係の特性を表現するためにまとめられる,0個以上のメタ属性の集合を定義することができる。
meta-relationship
b42
モデル
情報システム又はソフトウェア製品といった,情報システムの部品を表現(記述又は規定)する,関連するメタオブジェクトのインスタンスの集まり。
model
b43
モデル層
CDIF規格群を規定するために使用する定義(又は抽象概念)の集合。CDIFには四つのモデル層,利用者データ,モデル,メタモデル,メタメタモデルがある。任意の与えられたモデル層は,その層の1層下に出現できるすべてのインスタンスの,正確かつ完全な定義を提供する。例えば,メタメタモデルは,メタモデルを構成し理解するために使用される定義の集合を提供する。メタモデルは,モデルを構成し理解するために使用される定義の集合を提供する。
model layers
b44
モデル化ツール
モデル化(すなわちソフトウェア製品又は情報システムの表現)の支援を提供するツール。
modelling tool
b45
n項関係
項数が,2より大きい(n>2)関係。三つ以上の関与する実体をもつ関係。備考 単一の実体は,単一の関係に複数関与してもよい。
n-ary relationship
b46
非終端記号
階層中で更に分解される構文の階層的定義の要素。
non-terminal symbol
b47
関係
一つ以上の実体にまたがる実世界の関連。関連が実体とそれ自身の間である場合,その関係は,再帰的であるという。
relationship
b48
役割
関係への実体の関与の仕方。各役割は,基数の最小値及び最大値をもち,属性をもってもよい。役割のもつ方向性は,役割名をどう読むかを示す。参考 役割は,実体と関係を結び付けるものである。例えば,実体“人”と実体“会社”との間の関係“勤務する”において,“人”の役割は“社員”と,又“会社”の役割は“勤務先”と名付けることができる。この意味は,“社員”が“勤務先”に“勤務する”のであって,“勤務先”が“社員”に“勤務する”のではない。つまり,この関係において“社員”は関係元,“勤務先”は関係先という方向性をもつ。このように,役割のもつ方向性は,実体と実体との関係において役割名をどう読むかを示している。
role
b49
対象分野
関連するメタオブジェクトインスタンス定義の集まり。対象分野は,意図した関心分野を定義するために使用される。対象分野は,メタモデル全体に渡る統合を保証するために部分的に重なるが,ツールは移入/移出のためのデータに関連した対象分野だけに使用する。
subject area
b50
構文
構文は,CDIF転送中の情報形式の定義。定義は文法の形をとる。終端のレベルにいたるまでの順序,反復に関して指定するが,文法中のどの終端オブジェクトの表現をも規定しない。これらの決定はその構文のその符号化の中に定義される。
syntax
b51
SYNTAX.1
SYNTAX.1は,CDIF規格群内に定義された最初の構文。CDIF規格群は,構文及び符号化で各々構成された複数転送形式を支援する。参考 添字“.1”が示すように,CDIF規格を構成する幾つかの構文のうちの最初に定義した構文である。本規格作成時点では,SYNTAX.1だけが規定されている。
SYNTAX.1
b52
終端記号
階層中でそれ以上分解できない,構文の階層的定義の要素。
terminal symbol
b53
ツール
JIS X 0160:1996に定義するソフトウェア及びシステムライフサイクルプロセスに対する支援を提供するソフトウェア製品。CDIF規格群では,“ツール(tool)”が使用される場合,“ツール”は,通常,モデル化ツールを参照する。
tool
b54
転送
CDIF転送参照。
transfer
b55
転送形式
CDIF転送形式参照。
transfer format
b56
仮想参照
仮想参照は,メタモデル中の特定のメタ実体ではなく,概念を指す参照。斜線の入った箱で表現される。
virtual reference
b57
作業メタモデル
作業メタモデルは,CDIF転送のモデル部としてインスタンス化される特定のメタオブジェクトの定義。作業メタモデルは,転送のメタモデル部に参照される,対象分野によって使用されるCDIF意味メタモデル中の,メタオブジェクト及びメタモデル部の拡張として定義されたメタオブジェクトを構成する。
working metamodel
一覧に戻る
このページのトップに戻る