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JIS X 0142:2010
ソフトウェア技術―機能規模測定―IFPUG機能規模測定手法(IFPUG4.1版未調整ファンクションポイント)計測マニュアル
2010制定
番号
用語
定義
対応英語
2.1
IFPUG
ファンクションポイント法,その他のソフトウェア計測技術の普及及び支援を目的とする会員制非営利組織。
The International Function Point Users Group
2.2
アブリケーション
事業目標の達成を支援するための,相互に強く関係する自動化された手続及びデータの集合。アプリケーションは,一つ以上のコンポーネントモジュール又はサブシステムからなる。システム,アプリケーションシステム又は情報システムの同義語として使用される場合もある。
application
2.3
アプリケーション境界
制定対象ソフトウェアと利用者との間の境界。
application boundary
2.4
アプリケーション ファンクションポイント
アプリケーションが利用者に提供している測定時点の機能の測定量。ベースライン ファンクションポイント又は導入ファンクションポイントとも呼ぼれる。
application function point count
2.5
維持管理された
要素処理によってデータが追加,更新又は削除されている状態。
maintained
2.6
一般システム特性●GSC
アプリケーションの全体的複雑さを評価するための14種類の評価項目。
general system characteristics●GSC
2.7
運用性GSC
起動,バックアップ,回復などのシステムの運用面をどの程度留意しているかの度合い。14種類の一般システム特性の一つ。
operational ease GSC
2.8
影響度●DI
14種類の一般システム特性の各々に対して,その影響の度合いを示す0から5までの数値。調整要因(VAF)は,DIを使用して計算する。
Degree of Influence●DI
2.9
影響度合計●TDI
14種類の一般システム特性の度合いの合計。
Total Degree of Influence●TDI
2.10
エンドユーザ効率GSC
測定対象アプリケーションの利用者に対する,人的要因への配慮及び使いやすさへの配慮の度合い。14種類の一般システム特性の一つ。
end-user efficiency GSC
2.11
オンライン更新GSC
内部論理ファイルがオンラインで更新される度合い。14種類の一般システム特性の一つ。
online update GSC
2.12
オンラインデータ入力GSC
対話型のトランザクションを通してデータが入力される度合い。14種類の一般システム特性の一つ。
online data entry GSC
2.13
開発
新規情報システムの要求分析,設計,コード作成,結合,テスト,導入及び受入れ。
development
2.14
開発プロジェクト ファンクションポイント●DFP
プロジェクト完了時に納入されるソフトウェアの初回導入時点に利用者に提供される機能の測定量。
Development project Function Point count●DFP
2.15
外部インタフェースファイル●EIF
計測対象アプリケーションによって参照される,論理的に関連のあるデータ又は制御情報の利用者視点のグループ。ただし,維持管理は,他のアプリケーション境界の内部で行われる。EIFは,計測対象のアプリケーション境界の内部にある一つ以上の要素処理によって参照されるデータを保持することを主目的とする。このことは,あるアプリケーションで計測されるEIFは,他のアプリケーションにおいてILF(2.53参照)でなければならないことを意味している。
External Interface File●EIF
2.16
外部キー
ILF又はEIF中のデータであり,利用者要件によって他のILF又はEIFと関係付けるためのデータ。
foreign key
2.17
外部出力●EO
計測対象のアプリケーション境界の外部にデータ又は制御情報を出力する要素処理。EOは,データ又は制御情報の取り出しの有無にかかわらず,処理ロジックによって情報を利用者に提供することを主目的とする。EOは,処理ロジックに少なくとも一つの“数式又は演算の実行”又は導出データの生成を含まなければならない。EOは,一つ以上のILFの雑持管理及び/又はシステムの振る舞いの変更を行ってもよい。
External Output●EO
2.18
外部照会●EQ
計測対象のアプリケーション境界の外部にデータ又は制御情報を送り出す要素処理。EQは,ILF又はEIFからデータ又は制御情報を取り出すことによって利用者に情報提供することを主目的とする。EQは,処理ロジックに“数式又は演算の実行”を含まない。さらに,導出データを生成しない。処理中にILFを維持管理せず,システムの振る舞いの変更も行わない。
External Inquiry●EQ
2.19
外部入力●EI
計測対象のアプリケーション境界の外部から入力されるデータ又は制御情報を処理する要素処理。EIは,一つ以上のILFの維持管理及び/又はシステムの振る舞いの変更を主目的とする。
External Input●EI
2.20
関係
二つの実体間の結び付き。関係は属性をもたず,ファンクションポイント計測時にはRET(2.75を参照)として計測しない。
relationship
2.21
関連ファイル数●FTR
FTRは,次のいずれか又は両方である。
− トランザクション ファンクションで参照又は維持管理されるILFの数
− トランザクション ファンクションで参照されるEIFの数
注記 FTRは,本来“数”ではなく,この規格で扱う概念的なファイルの総称をいうが,日本では慣例的に“関連ファイル数”と呼びなら(慣)わしてきたため,この規格でも“関連ファイル数”という訳を採用した。
File Type Referenced●FTR
2.22
機能
アプリケーションの特徴又は能力であり,利用者が認識するもの。
function
2.23
機能改良
既存のアプリケーションの修正。
enhancement
2.24
機能改良プロジェクト ファンクションポイント●EFP
プロジェクト完了時点で納入された利用者機能の追加,変更及び/又は削除という,既存アプリケーションへの修正を計測するファンクションポイント。
Enhancement project Function Point count●EFP
2.25
機能性
2.22と同義。
functionality
2.26
寄与
未調整ファンクションポイントにおける次のファンクション型の合計値。
− ILF (内部論理ファイル)
− EIF (外部インタフェースファイル)
− EI (外部入力)
− EO (外部出力)
− EQ (外部照会)
contribution
2.27
計測の目的
ファンクションポイントを測定する理由。注記 ISO/IEC 20926:2009の定義を使用した。
purpose of the count
2.28
計測範囲
特定のファンクションポイント計測に含める機能。
counting scope
2.29
欠陥
異常動作又は不正結果の原因となるアプリケーションの問題。要求された機能の欠如も欠陥とみなす。
defect
2.30
高負荷構成GSC
計算機資源の制約がアプリケーション開発に影響を与える度合い。14種類の一般システム特性の一つ。
heavily used configuration GSC
2.31
再利用可能性GSC
アプリケーションそのもの及び/又はアプリケーション内のコードを他のアプリケーションで利用できるように特別に設計,開発及び保守された度合い。14種類の一般システム特性の一つ。
reusability GSC
2.32
システム
“アプリケーション(2.2)”を参照。
system
2.33
実体●実体型
利用者に関連する基本的な事物。この基本的な事物に関する事実の集合が保持される。属性を含む実体間の関連も実体である。
entity●entity type
2.34
実体副型
実体型を分割したもの。実体副型は,親実体型のすべての属性及び関連を継承し,独自の属性及び/又は関連をもつことができる。
entity subtype
2.35
処理ロジック
妥当性確認,アルゴリズム,計算,ファイルの参照・維持管理など,要素処理の実行に関する利用者要件。
processing logic
2.36
制御情報
計測対象アプリケーションの要素処理に影響を及ぼすデータ。対象となるデータ,処理時期及び/又は処理方法を指定する。
control information
2.37
生産性
単位作業工数当たりの作業成果物の割合。
productivity
2.38
性能GSC
応答,処理能力などに対する配慮がアプリケーション開発に及ぼす影響の度合い。14種類の一般システム特性の一つ。
performance GSC
2.39
製品計測
開発ソフトウェアアプリケーションについての情報獲得。
product measure
2.40
属性実体型
他の実体についての一つ以上の属性を記述する実体型。
attribute entity type
2.41
測定
基準に照らして相対的な値を割り当てること。通常,改善プロセスでは,測定によって得られた測定量を組み合わせて測定法(metrics)という。
measurement
2.42
測定する(動詞)
基準との比較によって確認又は評価する行為。
measure,verb
2.43
測定量(名詞)
基準に照らして相対的な値を割り当てられた数。例えば,体積,高さ,ファンクションポイント,工数など。
measure,noun
2.44
調整済みファンクションポイント●AFP
未調整ファンクションポイントに調整要因(VAF)を乗じた値に基づいて得られる総ファンクションポイント。調整済みファンクションポイントは,開発プロジェクト ファンクションポイント,機能改良プロジェクト ファンクションポイント及びアプリケーション ファンクションポイントごとに定められている計算式を使用して求める。一般には,調整済みファンクションポイントをファンクションポイントという。注記 未調整ファンクションポイントが,JIS X 0135-1の機能規模に対応する。
Adjusted Function Point count●AFP
2.45
調整要因●VAF
アプリケーションの利用者に提供される一般的な機能を示す要因。VAFは,アプリケーションに関する14種類の一般システム特性の評価に基づいて計算される。
Value Adjusted Factor●VAF
2.46
データ項目数●DET
利用者視点に基づき,重複も繰返しもない,論理的データの最小単位。注記 DETは,本来“数”ではなく,この規格で扱う概念的なデータの最小単位をいうが,日本では慣例的に“データ項目数”と呼びなら(慣)わしてきたため,この規格でも“データ項目数”という訳を採用した。
Data Element Type●DET
2.47
データ属性
実体の特性。データ属性は,一般にデータ項目数と同じである。
data attribute
2.48
データ通信GSC
アプリケーションが処理装置と直接通信する度合い。14種類の一般システム特性の一つ。
data communications GSC
2.49
データファンクション
アプリケーション境界の内部又は外部のデータに対する利用者要件を満たす機能。データファンクションには,ILF及びEIFがある。
data functions
2.50
導入容易性GSC
システム更改前後の環境の違いによって要求される変換及び/又は導入への配慮がアプリケーション開発に与える影響の度合い。14種類の一般システム特性の一つ。インストール容易性ともいう。
installation ease GSC
2.51
トランザクション量GSC
単位時間当たりの業務トランザクションの頻度がアプリケーション開発に影響を与える度合い。14種類の一般システム特性の一つ。
transaction rate GSC
2.52
トランザクション ファンクション
データを処理するためにアプリケーションが利用者に提供する機能。トランザクション ファンクションには,EI,EO及びEQがある。
transactional function
2.53
内部論理ファイル●ILF
計測対象のアプリケーション境界の内部で維持管理される,論理的に関連のあるデータ又は制御情報の利用者視点のグループ。ILFは,計測対象のアプリケーション境界の内部にある一つ以上の要素処理によって維持管理されるデータを保持することを主目的とする。
Internal Logical File●ILF
2.54
任意サブグループ
2種類あるRETのサブグループの一つ。データインスタンスを追加又は生成する要素処理では,任意サブグループは使用しなくてもよい。
optional subgroup
2.55
導出データ
ILF及び/又はEIFから情報を取り出すこと又は取り出したデータを検証すること以外の処理を必要とするデータ。
derived data
2.56
必す(須)サブグループ
2種類あるRETのサプグループの一つ。データインスタンスを生成する要素処理では,必す(須)サブグループを一つ以上使用しなければならない。
mandatory subgroup
2.57
ファイル
データファンクションに関して,論理的に結び付いたデータ又は制御情報のグループ。データ又は制御情報のグループを物理的に実装したものではない。
file
2.58
ファンクション型
アプリケーションが利用者に提供し,ファンクションポイント法で識別される次の5種類の基本的情報処理サービス。
− ILF (内部論理ファイル)
− EIF (外部インタフェースファイル)
− EI (外部入力)
− EO (外部出力)
− EQ (外部照会)
function type
2.59
ファンクションの複雑さ
低,中又は高に判定されるファンクション型の複雑さ。データファンクションでは,RET及びDETに基づいて決定される。トランザクション ファンクションでは,FTR及びDETに基づいて決定される。
functional complexity
2.60
ファンクションポイント●FP
アプリケーションの機能規模を表す測定量の単位。
Function Point●FP
2.61
ファンクションポイント数
特定のアプリケーション又はプロジェクトのFP測定結果(量)。
function point count
2.62
ファンクションポイント法●FP法
利用者の視点から,ソフトウェア開発及び保守を測定するための標準的な一手法。
Function Point count
2.63
複雑な処理GSC
処理ロジックがアプリケーションの開発に与える影響の度合い。14種類の一般システム特性の一つ。
complex processing GSC
2.64
複数サイトGSC
複数の事業所及び複数の利用者組織でアプリケーションを使用することに対してどの程度配慮して開発されるかの度合い。14種類の一般システム特性の一つ。
multiple site GSC
2.65
分散データ処理GSC
アプリケーションの要素間でのデータ交換の度合い。14種類の一般システム特性の一つ。
distributed data processing GSC
2.66
変換機能
開発プロジェクトの場合は,データを変換するために与えられた機能及び/又は変換報告書のような利用者が指定した変換要求を満たすために与えられる機能。機能改良プロジェクトの場合は,利用者の要求する変換機能を実現するために納入された機能。
conversion functionality
2.67
変更容易性GSC
処理ロジック及び/又はデータ構造を容易に修正できることを考慮してアプリケーションが開発されている度合い。14種類の一般システム特性の一つ。
facilitate change GSC
2.68
保守
仕様に従ってアプリケーションを利用可能な状態に維持する活動。一般的に,機能(すなわち,ファンクションポイント)の変更を伴わない。保守には,修復,軽微な機能改良,変換,利用者支援及び予防保守を含む。具体的な活動には,欠陥除去,ハードウェア又はソフトウェアの機能変更を伴わないアップグレード,最適化又は予防保守及び利用者支援を含む。注記 IFPUGでは“保守”と同じ意味で“支援(support)”を使用する場合がある。
maintenance
2.69
未調整ファンクションポイント●UFP
プロジェクト又はアプリケーションが利用者に提供する機能の測定量。データファンクション及びトランザクション ファンクションがこの測定量に寄与する。
Unadjusted Function Point●UFP
2.70
要素処理
利用者にとって意味のある業務活動の最小単位。
elementary process
2.71
予防保守
発生する可能性のある欠陥又は故障を予防するためのハードウェア又はソフトウェアの変更。例えば,保守性向上若しくは欠陥予防のためのプログラム又はデータの再構成。
preventive maintenance
2.72
利用者
次のいずれか又は両方。
− 利用者機能要件を規定する人
− ソフトウェアとやり取りをする人若しくはもの又は相互に影響し合う人若しくはもの
user
2.73
利用者視点
利用者及びソフトウェア開発者の両者で合意し,理解したプロセス及び/又はデータのグループに対する定義された要求。注記 日本では,“User identifiable”を“利用者視点”と呼びなら(慣)わしてきたため,“利用者視点”とした。このため,“User View”は,“利用者要件記述”とした。
user identifiable
2.74
利用者要件記述
利用者の言葉による利用者業務の公式な記述。開発者は,それを実現するために,利用者情報を情報技術の言葉に変換する。
user view
2.75
レコード種類数●RET
ILF内又はEIF内にあるデータ要素の利用者視点に基づくサブグループ。注記 RETそのものは,本来“数”でなく,単位をいうが,日本では慣例的に“レコード種類数”と呼びなら(慣)わしてきたため,この規格では“レコード種類数”という訳を採用した。
Record Element Type●RET
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