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JIS X 0145-1:2008
情報技術―プロセスアセスメント―第1部:概念及び用語
2008制定
番号
用語
定義
対応英語
3.1
取得者
供給者から,製品又はサービスを取得又は調達する利害関係者(JIS X 0170参照)。注記 取得者という用語に関しては,通常使用されるほかの用語としては,買い手,顧客,購入者がある。取得者は,同時に,所有者,利用者又は運用組織であってもよい。
acquirer
3.2
診断した能力
JIS X 0145規格群の規定に従って実施する一つ以上の適切なプロセスアセスメントの出力。
assessed capability
3.3
アセスメント制約条件
アセスメント結果の使い方及びアセスメントの実施方法に関するアセスメントチームの選択の自由に対する制約事項。
assessment constraints
3.4
アセスメント指標
プロセス属性の評定時にアセッサの判断を支援するものとして使用する客観的証拠の出処。例 作業生産物,プラクティス又は資源。
assessment indicator
3.5
アセスメント入力
プロセスアセスメントの実施に先立って必要な情報。
assessment input
3.6
アセスメントの道具
プロセスの実行又は能力を診断するとき,アセスメントデータを取り扱うとき,及びアセスメント結果を記録するときに,アセッサを支援するものとしてアセスメントの全期間を通して使用するツール又は一組のツール。
assessment instrument
3.7
アセスメント出力
アセスメントで作成するすべての文書化された結果(3.11参照)。
assessment output
3.8
アセスメント参加者
アセスメントの対象範囲内で何らかの責任をもつ個人。注記 例としては,アセスメント依頼者,アセッサ,組織単位の要員がある。
assessment participant
3.9
アセスメントプロセス
組織の標準プロセスが事業目標の達成に貢献する度合い,及び継続的なプロセス改善のニーズに組織が焦点を当てることを標準プロセスが手助けする度合いの決定。
assessment process
3.10
アセスメント目的
アセスメント入力の一部として提供される記述。アセスメントを実施する理由を定義している。
assessment purpose
3.11
アセスメント記録
アセスメントに関する整理され文書化された情報の集まり。アセスメントによって作成されるプロセスプロファイルの理解及び検証のために補足説明をするもの。
assessment record
3.12
アセスメント範囲
アセスメントを行う境界の定義。アセスメント入力の一部として提供されるもので,アセスメントの組織上の範囲,対象として含めるプロセス及びそれらのプロセスを運用している背景を含んでいる(3.38参照)。
assessment scope
3.13
アセスメント依頼者
診断対象組織単位の内部又は外部の個人又は団体。アセスメントの実施を要求し,そのために財政面の資源又はその他の資源を提供する者。
assessment sponsor
3.14
アセスメントチーム
共同してプロセスアセスメントを行う一人以上の人の集まり。
assessment team
3.15
アセッサ
プロセス属性の評定に参加する個人。注記 アセッサは,適格アセッサ又は準アセッサのどちらかである。
assessor
3.16
属性指標
特定のプロセス属性の達成度合いの判断を支援するアセスメント指標。
attribute indicator
3.17
基本プラクティス
首尾一貫して実施する場合,特定のプロセス目的の達成に貢献する活動。
base practice
3.18
能力軸
プロセスアセスメントモデルの要素のうちで,プロセス能力の測定に明示的に関係する要素の集合。注記 属性は,プロセス能力の順序尺度からなっており,能力水準ごとにまとめられている。
capability dimension
3.19
能力指標
プロセス能力の判断を支援するアセスメント指標。注記 3.16“属牲指標”とは,能力指標の具体的な例である。
capability indicator
3.20
適格アセッサ
アセスメントを実施し,プロセスアセスメントの適合性を監視し,検証するための能力をもつアセッサ。
competent assessor
3.21
定義されたプロセス
組織の修整方針に従って,組織の標準プロセスによって管理され(すなわち,計画され,監視され,調整され),修整されたプロセス。注記 定義されたプロセスは,維持されたプロセス記述から成り立っている。さらに,定義されたプロセスは,作業生産物,測定値及び組織のプロセス資産に対する種々のプロセス改善情報に寄与している。プロジェクトの定義されたプロセスは,プロジェクトのタスク及びアクティビティを計画し,実施し,改善するための基準を提供する。
defined process
3.22
共通プラクティス
首尾一貫して実施する場合,特定のプロセス属性の達成に貢献する活動。
generic practice
3.23
指標
(3.4参照)
indicator
3.24
客観的証拠
あるものの存在又は真実を裏付けるデータ。注記 客観的証拠は,観察,測定,試験又はその他の手段によって得られることがある。(JIS Q 9000参照)
objective evidence
3.25
組織単位
組織内の診断対象部分。
注記1 組織単位は,首尾一貫したプロセス環境下で,一つ以上のプロセスを展開し,首尾一貫した事業目標の集合の範囲でプロセスを運用する。
注記2 組織単位は,小さな組織では組織全体であるかもしれないが,典型的には大きな組織の一部である。組織単位は,例えば,次のものであってよい。
− 特定の一つのプロジェクト又は(関連する)一組のプロジェクト。
− 取得,開発,保守,支援などの特定のライフサイクルフェーズに焦点を当てた組織内の単位。
− 特定の製品又は製品群の全側面に責任をもつ組織の一部。
organizational unit
3.26
実行指標
ある特定のプロセスについて,プロセス実行状況の判断を支援するアセスメント指標。注記 実行指標は,ある特定のプロセスに対するPA1.1 (Process Attribute 1.1)の属性指標である(JIS X 0145-2参照)。
performance indicator
3.27
プラクティス
プロセス目的若しくはプロセス成果に寄与する活動,又はプロセスの能力を強化する活動。
practice
3.28
プロセス
インプットをアウトプットに変換する,相互に関連する又は相互に作用する一連の活動(JIS Q 9000)。
process
3.29
プロセスアセスメント
プロセスアセスメントモデルを用いた,組織単位ごとのプロセスの統制のとれた評価。
process assessment
3.30
プロセスアセスメントモデル
一つ以上のプロセス参照モデルに基づく,プロセス能力を診断する目的に適したモデル。
Process Assessment Model
3.31
プロセス属性
いかなるプロセスにも適用可能な,プロセス能力の測定可能な特性。
process attribute
3.32
プロセス属性評定
診断対象プロセスに対する,プロセス属性の達成度合いの判断。
process attribute rating
3.33
プロセス能力
現在の事業目標又は計画している事業目標を満たすたすためのプロセスに関する能力の特徴付け。
process capability
3.34
プロセス能力判定
特定の規定要求事項を満たすために展開しているプロセスに関連した強み,弱み及びリスクを識別する目的で遂行されるもので,組織内の選択されたプロセスについてのある目標能力に照らした体系的なアセスメント及び分析。
process capability determination
3.35
プロセス能力判定依頼者
診断対象組織単位の内部又は外部の個人又は団体。プロセス能力判定の実施を要求し,そのために財政面の資源又はその他の資源を提供する者。
process capability determination sponsor
3.36
プロセス能力水準
プロセスの能力を表現する6段階からなる順序尺度上の点。各水準は,下位の能力水準を基準としている。
process capability level
3.37
プロセス能力水準評定
診断対象プロセスのプロセス属性評定から導かれるプロセス能力水準の表現。
process capability level rating
3.38
プロセスの背景
プロセス属性評定の判断,理解及び比較可能性に影響を与える因子の集合。アセスメント入力として文書化する。
process context
3.39
ブロセス軸
プロセスアセスメントモデルの要素のうちで,適切なプロセス参照モデルで定義されたプロセス群に明示的に関係する要素の集合。注記 プロセス群は,異なる基準に基づいてグループ分けしてよい。例えば,ISO/IEC 15504-5では,関連する活動の類別によってそれらをグループ分けしている。
process dimension
3.40
プロセス改善
組織のプロセスを変えるために行われる行動。組織の事業目標を,より効果的に,及び/又は,より効率的に満たすような行動。
process improvement
3.41
プロセス改善施策
特定された改善目標の達成に関連する,すべての戦略,指針,目標,責任及び活動。注記 プロセス改善施策は,1回転以上のプロセス改善サイクルになることがある。
process improvement program
3.42
プロセス改善プロジェクト
プロセス改善施策の部分集合。特定の改善を達成するための首尾一貫した活動の集合を形成するもの。
process improvement project
3.43
プロセス改善依頼者
診断対象組織単位の内部又は外部の個人又は団体。プロセス改善の実施を要求し,そのために財政面の資源又は他の資源を提供する者。
process improvement sponsor
3.44
プロセス成果
プロセスの目に見える結果。注記 作成物,顕著な状態変化又は特定された制約を満たしていることを成果とする。
process outcome
3.45
プロセス実行
プロセスが遂行されたことによって目的が達成された程度。
process performance
3.46
プロセスプロファイル
診断対象プロセスのプロセス属性評定の集合。
process profile
3.47
プロセス目的
プロセス実行の測定可能な高位の目標,及びプロセスの有効な実行によって見込まれる成果。
process purpose
3.48
プロセス参照モデル
プロセス間の関連を記述する体系とともに,プロセス目的及びプロセス成果という言葉で記述されたライフサイクル中のプロセス定義からなるモデル。
Process Reference Model
3.49
準アセッサ
適格アセッサの指導及び監督の下でアセスメントを実施するスキル(技術)及び能力をもった人。
provisional assessor
3.50
標準プロセス
組織におけるすべてのプロセスの手引となる,基本的なプロセスの定義の集合。
注記1 これらのプロセス定義は,組織の各所のプロジェクトで実施される定義されたプロセスに組み込まれなければならない基本的なプロセスの構成要素(それらはお互いに関連している)を取り扱っている。標準プロセスは,組織の各所での活動に一貫性を確立するものであり,長期間の安定及び改善にとって望ましい。
注記2 組織の標準プロセスの集合は,プロジェクトの定義されたプロセスの一部となる基本的なプロセス構成要素を規定する。また,標準プロセスは,これらのプロセスの間の関連(例えば,順序付け及び相互作用)を規定する。
standard process
3.51
供給者
製品又はサービスの供給について,調達先と契約を取り決める組織又は個人(JIS X 0170参照)。
supplier
3.52
修整指針
特定のニーズを適切に満たすために,組織が標準プロセスのプロセス記述を調整できるようにする指示。
注記1 プロセスの修整は,特定の分野に対してプロセス記述を調整させる。例えば,プロジェクトの目標,制約及び環境の要求を満たすために,組織の標準プロセスを修整することによって,プロジェクトはその定義されたプロセスを作り出す。組織の標準プロセスの集合は,プロセスを実行するために直接使用可能でないかもしれない一般的な水準で,規定されている。修整指針は,定義されたプロセスを特定のニーズのために確立するときの手助けとなる。
注記2 修整指針は,何が変更できて何が変更できないかを規定し,かつ,変更のための候補であるプロセスの構成部分を識別する。
tailoring guideline
3.53
修整したプロセス
標準プロセス定義を修整して作成された,定義されたプロセス。
tailored process
3.54
目標能力
プロセス能力判定依頼者が判定するプロセス能力。規定要求事項を成功裏に実行させるために受容可能なプロセスリスクを示している。
target capability
3.55
作業生産物
プロセスの実行に関連する作成物。注記 一般的な作業生産物は,次の四つの分類がある。
− サービス(例えば,運用)
− ソフトウェア(例えば,コンピュータプログラム,文書,情報,コンテンツ)
− ハードウェア(例えば,コンビュ一タ装置)
− 素材製品
work product
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