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JIS X 0500-1:2009
自動認識及びデータ取得技術―用語―第1部:一般
2009改正●2002制定
番号
用語
定義
対応英語
01.01.01
デジタル
数字によって表現されるデータ並びにそのデータを利用するプロセス及び機能単位に関する(接頭語)。[JIS X 0001の01.02.04参照]
注記1 アナログのような連続可変でなく,2進法によって表現される。
注記2 印刷用図版処理(integrated artwork)の場合は,“連続的でなく,幾つかのドットの集合によって構成される”という意味の接頭語。
digital
01.01.02
エラー(1)
デジタルデータにおいて,情報の取得,保存,処理又は交信の結果,単一又は複数のビットが誤った値で取り扱われること,又はデータ列からビットが欠落していること。
error(1)
01.01.03
エラー(2)
演算,検出又は計測された値及び条件と,その正しい,認定された若しくは理論的に正しいとされる値又は条件との不一致。
error(2)
01.01.04
エラー(3)
システム上で想定される無効となるような状況。注記 例えば,0の値での除算などが考えられる。
error(3)
01.01.05
エラーバースト
エラービットを始端及び終端とするビット列であって,その中に含まれる正しいビットの長さが常に与えられた値より小さいもの。
error burst
01.01.06
エラー制御(1)
情報の記録,処理又は伝送においてエラーの発生率を削減するための手段。[IEC 60050-702の702-07-40参照]
error control(1)
01.01.07
エラー制御(2)
データのやりとりにおいて,エラーの検出又は(可能な場合には)エラーの訂正を行うプロトコルの一部。
error control(2)
01.01.08
エラー訂正コード
検出されたエラーの幾つかに対し自動補正を可能にするエラー検出コード。
error correcting code
01.01.09
エラー検出コード
構成規則(rules of construction)によって,情報の記録,処理又は伝送において発生したエラーが規則を逸脱した場合にその自動検出を可能にする冗長コード。[IEC 60050-702の702-05-19参照]
error detection code
01.01.10
ファイル
一つの単位として取り扱われる名前を付けられた記録情報の集合体。[JIS X 0004の04.07.10参照]
注記 ファイルはコンピュータ,携帯データ端末,又は情報管理システムに保存される。
file
01.01.11
ゼロ消去(1)
ある数値から不要な0を削除すること。
zero-suppression(1)
01.01.12
ゼロ消去(2)
印字出力又は画像表示される演算結果から不要な0を削除する機能。
zero-suppression(2)
01.01.13
ゼロ消去(3)
UCC-12データ列をUPC-Eフォーマットに符号化する場合に特定の位置から0を削除する処理。
zero-suppression(3)
01.01.14
データ
伝送,解析,及び処理に適するように形式化され,再度解釈できる情報表現。
注記1 情報(01.01.18)参照。[JIS X 0001の01.01.02参照]
注記2 データは人間又は自動化された方法によって処理できる。
注記3 情報はその内容が解読されるよう,例えば数値及び文字で構成される。
data
01.01.15
データ符号化
ベースバンドデータビット表現,又は論理データビットから物理信号へのマッピング。
data coding
01.01.16
データ識別子
特定の文字又は文字列であって,それに続くデータ内容が意図する用途を定義する。注記 自動データ取得技術においては,データ識別子(DI)は英数字による識別子であって,JIS X 0531:2003(情報技術−EAN/UCCアプリケーション識別子とFACTデータ識別子,及びその管理)(ISO/IEC 15418,EAN/UCC Application Identifiers and FACT Data Identifiers and Maintenance),及びANSI MH10.8.2において定義されている。
data identifier●DI
01.01.17
データ伝送
電信電話回線を介して,ある地点から他の一つ以上の地点に対して行われるデータの転送。[JIS X 0009の09.01.02参照]
data transmission
01.01.18
情報
情報処理における,ある文脈において特定の意味合いをもつオブジェクトに関しての知識。[JIS X 0001の01.01.01参照]
注記1 オブジェクトの一例としては,概念を含む事実,事象,物,過程,及び着想など。
注記2 情報とは意味をもつもの。データとは情報が見えるように表現されたものとみなすことができる。
information
01.01.19
メッセージ(1)
発信元から送信先へ伝送される情報の単位。
message(1)
01.01.20
メッセージ(2)
情報理論及び通信理論における,情報を伝送するために順序付けられた文字列。[JIS X 0016の16.02.01参照]
message(2)
01.01.21
読取り
機械可読媒体からデータを取得する処理(必要に応じ,発信元に入力されたデータの修復を行って交信するために必要な競合制御管理,エラー制御管理,チャンネル複合化及びソース復号化を含む。)。
read
01.01.22
読み取る●読み込む
入力装置,記憶装置又はデータ媒体からデータを得ること。
read
01.01.23
リーダ(1)
記憶装置,データ媒体又は他の媒体からのデータ読取り又は解釈のた■に用いられる機器。(★1字欠★)
reader(1)
01.01.24
リーダ(2)
マイクログラフィクスにおける,マイクロイメージを拡大表示する装置。
reader(2)
01.01.25
ライセンスプレートの概念●ライセンスプレート固有識別子の概念
機械可読媒体に含まれる固定コードがデータベースへのポインタとして利用される概念。注記 例えば,警察官が車のナンバープレートから所有者の氏名,住所などを割り出すのと同じ概念。
license plate concept
01.01.26
機械可読媒体
操作者の人的介在なしに,ある媒体から処理システムにデータの直接転送を可能にする特性をもつ自動データ取得媒体。注記 一次元バーコード及び二次元シンボル,磁気ストライプ,ICカード,接触式メモリボタン,RFID,バイオメトリクス,光学式文字認識などが機械可読の技術である。データストリームにおいて,データは通常あらかじめ設定された箇所(領域)に格納される。このデータはコンピュータプログラムによって解釈できる。
machine-readable medium
01.01.27
読取能力
一定の条件下でデータを読み取る能力。
readability
01.01.28
電子データ交換
標準化されたルールに適合してコンピュータシステム間で行われるデータ及び文書の交換。
electronic data interchange●EDI
01.01.29
相互運用性テスト
複数の製品,部品若しくは機器,又はサービスが,規格又は標準において定義された機能の集合を,共同で作動できるかどうかを検証すること。
注記1 製品間の通信インタフェースプロトコルもまた規格又は標準に含まれることがある。
注記2 相互運用性テストは総括的な用語であり,エンドツーエンドテスト,互換性テスト,マッピングテストなどを区別するためには,更に定義の精細化が必要となる。
interoperability testing
01.01.30
ビット●2進数字
2進法演算システムで使用される場合の単位であり,0又は1のいずれかの数字。[JIS X 0001の01.02.08参照]
bit●binary digit
01.01.31
最下位ビット
ビットのグループにおける最も重み値の小さいバイナリ値をもつビット。注記 バイトとは,そろえられたビットグループの一つの例である。
least significant bit●LSB
01.01.32
最上位ビット
ビットのグループにおける最も重み値の大きいバイナリ値をもつビット。注記 バイトとは,そろえられたビットグループの一つの例である。
most significant bit●MSB
01.01.33
2進化10進表記法
0から9までのそれぞれの数字を,4ビットの2進形式の集合で表す10進数の表現方法。
例 2進化10進表記法では,各けた(桁)を8-4-2-1の重みとし,数値23の表記は0010 0011となる。一方,2進表記法では10111となる。
注記 コンピュータでは有限けた(桁)の少数データを取り扱う場合などに,2進数に変換して処理することによって,丸め誤差などが発生するのを避けたい処理の場合に有効な表現方法として利用されてきた。
binary coded decimal●BCD
01.01.34
数字
(文字集合について)数値だけを含んでいる(形容詞)。注記 “数字”の修飾対象が“文字集合”のように“文字”で始まるような場合,“数字文字集合”ではなく“数字集合のように,“文字”を省略することが多い。(★「数字集合」の後の閉じ引用符欠★)
numeric
01.01.35
英数字
文字及び数字の両方からなるが,句読点又は他の文字を含むことがあるデータに関する(接頭語)。又は英数字データを使用する処理及び機能単位に関する(接頭語)。
alphanumeric
01.01.36
冗長牲(1)
ある要求された機能を果たす不可欠な手段に加え,信頼性を改善するための手段があること。
redundancy(1)
01.01.37
冗長牲(2)
安定して読取り及び交信ができる可能性を向上させるために情報が反復されること。注記 バーコードシンボルにおいては,バーの高さがシンボルの複数のスキャンを可能とする垂直の冗長性を与えている。完全な復号化をする上で必要とされるスキャンは,理論上は,ただ1回である。
redundancy(2)
01.01.38
スキャン(1)
シンボル又はシンボルの一部をスキャンする光線の一回の通過。
scan(1)
01.01.39
スキャン(2)
撮像装置による単一のイメージ認識。
scan(2)
01.01.40
スキャンする(1)
体系的にデータを調べること。
scan(1)
01.01.41
スキャンする(2)
シンボル又はシンボルの一部にスキャンビームを通過させること。
scan(2)
01.01.42
スキャンする(3)
撮像装置によって単一のイメージをとら(捉)えること。
scan(3)
01.01.43
方位
ピッチ角,スキュー角及びチルト角という三次元での角度状態を示す用語で表現される,リーダに対向する機械可読媒体の位置関係。
orientation
01.01.44
レンジ●距離
読取装置が所定の特性の機械可読媒体を読込み可能な最大距離。
注記1 読取距離(JIS X 0500-2の02.01.10)を参照。
注記2 光学式読取媒体においては,レンジは光学的なフィールドの投影と深さとの積に等しい。
range
01.01.45
検証(1)
関連する要件又は仕様と,動作,処理又は結果とを比較すること。
verification(1)
01.01.46
許容範囲
システム又は環境の,作用又は影響に起因するシステムパラメタ値の最大許容偏差。注記 許容範囲は搬送周波数サブキャリア,ビットクロック,及びシンボルクロックを含む幾つかの無線周波数パラメタに対して指定される。これらに対しては通常ppmで表記される。
tolerance
01.01.47
コード要素
コード化集合の一つの要素にコードを適用した結果。[JIS X 0004の04.02.04参照]
code element
01.01.48
ソフトウェア
電気通信において,機器の操作,電気通信ネットワーク,又はその他のシステムに関連する,コンピュータプログラム,手順,ルール,及び文書。[IEC 60050-702の702-09-02参照]
software
01.01.49
視野(1)
一度のスキャンで読取可能なバーコード長。注記 ハンドヘルド形スキャナなど,スキャナの光線がシンボル領域を横切るようにしなければならない読取方式では,円滑にスキャンできるかは操作者の取扱能力に依存する。
field of view(1)●FoV(1)
01.01.50
視野(2)
リーダライタが電子タグ(トランスポンダ)とやりとりできるリーダライタの周りの領域。
field of view(2)●FoV(2)●capture field/area/zone
01.01.51
誤認
リーダライタによって読み取られたデータが媒体内の対応するデータと相違する状況。
misread
01.01.52
自動認識システム
対象物の正確,かつ,明確な識別を実現するためのシステム。対象物としては,データが記載されたラベル,タグ,電子タグ又はもともとの特性及び所定の特性,適切なシステム源によって問合せが行われるデータ又は特性などである。
automatic identification system
01.01.53
文字集合
所定の目的を満たす文字の有限集合。注記 ASCIIは文字集合の一例である。
character set
01.01.54
公称
最適な動作を保証するようにシステムが設計された場合の値。
nominal
01.01.55
シンボル識別子
復号器によって作りだされる文字列で,復号器から出力される復号済みデータの前に付けられるもの。復号化されたデータから,元のシンボルを認識するためのものである。
symbology identifier
01.01.56
伝統的製版法
印刷方法の一つ。刷版(平面又は円筒形)及び液体インクを用い,被印刷物上に,あるイメージの複製を作り出す方法。注記 リトグラフィ,文字印刷,フレキソグラフィ,グラビア印刷,スクリーンプロセス,及びフォイル印刷は,伝統的製版法の一例である。
conventional printing process
01.01.57
リーディングゼロ列
数値の左に位置するすべてのゼロ。
leading zeros
01.01.58
リーディングゼロ
位取り表記法において,ゼロでない最上位の数値の位置よりも上位の位置にあるゼロ。
leading zero
01.01.59
連結
単一のファイル又はデータフィールドを形成するために,データキャリアのデータに含まれる所定の要素を連結する機能。
concatenation
01.01.60
構造的付加
二つ以上のシンボルに含まれるデータを,単一のメッセージとして取り扱うため,