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JIS X 0500-2:2009
自動認識及びデータ取得技術―用語―第2部:光学的読取媒体 2009改正●2002制定

番号 用語 定義 対応英語
02.01.01 画素 色又は輝度を個別に定義できる表示面上での最小要素(JIS X 4201参照)。 pixel●picture element
02.01.02 エレメント 一次元シンボルにおける単一のバー若しくは単一のスペース又はマトリックスシンボルにおける多角形若しくは単一円形セル。シンボル体系規則に従ってシンボルキャラクタを作る。注記 個々のエレメントは,モジュール又はX寸法の倍数に基づいて表示する場合がある。 element
02.01.03 解像度(1) 明確に識別できる属性表示間の最小距離。注記 属性には大きさ,色調,距離などがある。 resolution(1)
02.01.04 解像度(2) バーコードリーダによって読める最小エレメント幅。 resolution(2)
02.01.05 X寸法 一次元シンボルにおける細エレメントの幅又は二次元シンボルにおける単一エレメントの幅。注記 Z寸法(1)(02.01.42)及びZ寸法(2)(02.01.43)参照。 X dimension
02.01.06 Y寸法 一次元シンボル又はマルチローシンボル体系における,列のエレメントの高さ。注記 バー高さ(02.01.40)参照。 Y dimension
02.01.07 復号 符号化された表現から,情報を元の書式に復元するプロセス。[IEC 60050-702の702-05-15参照] 注記 バーコードシンボルの場合でいえば,走査して得た電気信号を,文字コードに変換するプロセスに相当する。 decoding
02.01.08 復号容易度 バー及びスペースが相互に又は単独で参照復号アルゴリズムを満たすときの関係の測定値。注記 バーコードシンボルを復号する精度を数値化して表す。具体的には,理想的なエレメント寸法と,理想的なエレメント寸法から最もかけ離れたエレメント寸法とを基に算出する,理想的なエレメント寸法と参照しきい値との間の余裕度(JIS X 0520参照)。 decodability
02.01.09 有効開口径 走査器又は同様な装置において,走査するときのスポット径と,反射光をセンサが受光するときの物理的な開口径とのうち,小さい方の径。 effective aperture
02.01.10 読取距離 バーコードリーダがシンボルを正しく読むことができるときの,走査器の読取窓からシンボルまでの距離(又は距離範囲)。注記 読取深度(1)(02.01.11),読取深度(2)(02.01.12),最小読取距離(02.01.13)及び距離(JIS X 0500-1:2009の01.01.44)参照。 reading distance
02.01.11 読取深度(1) 焦点の合った十分な品質の画像が得られるときの,受光センサからシンボルまでの距離の最小値から最大値までの幅。 depth of field(1)
02.01.12 読取深度(2) 定めた仕様のシンボルを,バーコードリーダが正しく読める距離範囲。バーコードリーダの最大読取範囲(range of scanner)から,最小読取距離を引いた値と同じ。注記 最小読取距離(02.01.13)及び読取距離(02.01.10)参照。 depth of field(2)
02.01.13 最小読取距離 定めた仕様のシンボルを読むときの,走査器の読取窓から読取深度の浅い位置までの距離。注記 読取深度(1)(02.01.11),読取深度(2)(02.01.12),距離(JIS X 0500-1:2009の01.01.44)及び読取距離(02.01.10)参照。 optical throw
02.01.14 読取率 特定のシンボルを100回読取試行したときの,読取りに成功した回数。百分率で表す。 read rate
02.01.15 キャラクタ 組織の合意によって用いる集合の要素で,情報の制御又は表現をするもの。
注記 キャラクタは,文字,数字,句読点又は他のシンボル(メッセージ内のスペース,復帰又は改行のような特殊な制御機能)である。バーコードシンボルの場合でいえば,数字,文字,記号のバー及びスペースによる表現に相当し,特殊キャラクタ(制御符号,スタートキャラクタ及びストップキャラクタ)を含む。
[IEC 60050-702の702-05-10参照]
character
02.01.16 補助キャラクタ●補助パターン データ以外のキャラクタ又はパターン(★句点ぬけ★) 注記 例えば,スタートキャラクタ,ストップキャラクタ,センタパターン,線画パターン,モード切替えキャラクタ,一字切替えキャラクタ及び機能キャラクタ。付加情報(02.02.09)参照。 auxiliary character●auxiliary pattern
02.01.17 データキャラクタ データを表す,単一数字,英文字若しくは記号,又は制御文字。注記 シンボルキャラクタ(02.01.24)参照。 data character
02.01.18 フォント 特定の書体及び特定の画像サイズのキャラクタ集合。
注記1 テキスト処理において,フォントは同じサイズ及びスタイルによる書体である。例えば,9ポイントのHelveticaなどのキャラクタ。
注記2 オンデマンドプリンタで用いる,バーコード体系に基づくバーコードフォントもある。
font
02.01.19 可読文字 目視可能な文字。標準的な目視可能な英数字及び記号を用いて,バーコード(データキャラクタ,チェックキャラクタなど)の内容を表現したものであり,機械読取可能な表現部分と区別する。 human readable character
02.01.20 シンボル 特定の文脈において意味をもつ概念の図的表現。[JIS X 0001の01.02.07参照] symbol
02.01.21 一次元シンボル シンボルキャラクタと,特定の一次元シンボル又は例えば,RSS-14スタックシンボルなどによって要求される特徴との組合せデータを,画像によって表現したものであり,バーコードリーダによって同時に読むことができる。注記 一次元シンボルには,クワイエットゾーン,スタートキャラクタ,ストップキャラクタ,データキャラクタ,チェックキャラクタ及びその他の補助パターンなどを含む。 linear bar code
02.01.22 透過率 透過光の放射束又は光束と入射光の放射束又は光束との比。一般に,百分率(%)で表す(JIS Z 8120の01.01.41)参照。注記 IEC 60050-845の845-04-59から引用。 transmittance(1)
02.01.23 吸収率●光学濃度●D_τ 物質が光を吸収する程度を表す量。単に濃度ともいう。通常は,透過率(τ)の逆数の10を底にした対数(D_τ=−log_10τ)で表される。[IEC 60050-845の845-04-66参照] 注記 対応国際規格では,通常は透過率を表す英語のtransmittanceが吸収率の意味でも使われるとしているので,対応英語としてtransmittanceも残したが,optical densityだけを使うことが望ましい。 transmittance(2)●optical density●D_τ
02.01.24 シンボルキャラクタ●バーコードキャラクタ 明エレメント及び暗エレメントパターンによるコード語の物理的表現。注記 シンボルキャラクタからデータキャラクタ又は補助キャラクタへの対応付けは1対1でない場合がある。シンボルキャラクタは,特殊キャラクタ(制御符号,スタートキャラクタ及びストップキャラクタ)を含む。 symbol character●bar code character
02.01.25 反射率差 バーコードシンボルの,明エレメントと暗エレメントとの反射率の差。 reflectance difference
02.01.26 参照しきい値 参照復号アルゴリズムによって,単一エレメント又はエレメントの組合せを判断するための境界点。 reference threshold
02.01.27 欠陥 規定の要件を満たすために必す(須)な特性の,欠如又は不具合。それによって,必要機能に影響を及ぼすことがある。注記 通常は,スポット又はボイドという。 defect
02.01.28 不透明性 光の透過を防ぐ,物質の特性。注記 物質の不透明性は,その物質の裏側又はその下にある,あらゆる物質からの透き通りに影響する。インキの不透明性は,物質からの透き通りを決める。 opacity
02.01.29 光沢 入射光の一部を,鏡面のように反射する表面の性質。 gloss
02.01.30 太細比 シンボルにおける細エレメント幅を1とした,太エレメント幅の比率。(★見出し語の読み方?★) wide:narrow ratio
02.01.31 バー幅修正●BWA 印刷又は複写過程において,バー幅の増減を補うために,バーコードマスタのバー幅を調整する量。 bar width adjustment●BWA
02.01.32 読取角度 走査線の軸を基準としたシンボルの回転角度(JIS X 0522-1参照)。注記 読取角度にはピッチ角(02.01.33),スキュー角(02.01.34)及びチルト角(02.01.35)の3種類がある(図1参照)。 reading angle
02.01.33 ピッチ角 バーコードリーダが読める範囲で,バーの高さ方向に平行な軸に対するバーコードシンボルの回転角度。注記 スキュー角(02.01.34)及びチルト角(02.01.35)参照。 pitch
02.01.34 スキュー角 バーコードリーダが読める範囲で,シンボル幅に平行な軸に対するバーコードシンボルの回転角度。注記 ピッチ角(02.01.33)及びチルト角(02.01.35)参照。 skew
02.01.35 チルト角 バーコードリーダが読める範囲で,基材表面に垂直な軸に対するバーコードシンボルの回転角度。注記 ピッチ角(02.01.33)及ひスキュー角(02.01.34)参照。
図1
図1−チルト角,スキュー角及びピッチ角
tilt
02.01.36 検証器 シンボルの検証に用いる装置。
注記1 検証器は,シンボルエレメント幅及びクワイエットゾーンの寸法,反射率並びにその他の特性といったシンボルの品質特性を,一次元シンボル及び二次元シンボルが適合することが望ましい標準に照らして測定及び解析をするために用いる。
注記2 印刷されたバーコードシンボルの印刷品質を,主にJIS X 0520に示す方法で検証する装置。検証器の具備すべき要件はJIS X 0521-1参照。
verifier
02.01.37 バー シンボルキャラクタを構成する平行なエレメントのうち,反射率が低いエレメント。 bar
02.01.38 バー幅 一次元シンボル又は二次元シンボルにおいて,走査方向に平行して測定した,個々のバー幅の寸法。注記 印刷されたシンボルのエレメント幅の種類は,シンボル体系に依存する。 bar width
02.01.39 バー幅補正●BWC 印刷又は画像化によって発生すると予想される太り又は細りを補正するために,機械読取可能なシンボル,バーコードマスタ又はデジタルバーコードファイル上にあるバー幅を縮小又は拡大する度合い(JIS X 0523参照)。 bar width compensation●BWC
02.01.40 バー高さ 一次元シンボル及びマルチローシンボル体系における読取方向と垂直な方向に測定した個々のバー寸法。注記 Y寸法(02.01.06)参照。 bar height
02.01.41 シフトキャラクタ 復号先を一つのコード集合から他のコード集合に切り替えるために用いるシンボルキャラクタであって,切替えの対象が,そのシフトキャラクタに続く一つのキャラクタか,(ダブルシフト又はトリプルシフトの場合には)二つ又は三つのキャラクタかであるもの。切替えを行った後,復号先は,自動的に,シフトキャラクタが現れる前のコード集合に戻る。 shift character
02.01.42 Z寸法(1) 2値幅シンボル体系のバーコードシンボルにおける細エレメントの実測平均幅。細バー幅平均及び細スペース幅平均の和の半分に等しい。 Z dimension(1)
02.01.43 Z寸法(2) (n,k)シンボル体系のバーコードシンボルにおける細エレメントの実測平均幅。すべてのキャラクタの平均幅を1キャラクタ当たりのモジュール数で除した値に等しい。 Z dimension(2)
02.01.44 全方向 あらゆる方向に。注記 全方向は,適切なスキャナによって,どのような方向からでもシンボルを走査できるとき,又はそのようなスキャナに用いる。 omnidirectional
02.01.45 検証 シンボル体系の仕様に適合するかどうかを測定すること。 verification
02.02.01 参照復号アルゴリズム 復号容易度を算出する基本となる,シンボル体系仕様で引用する復号アルゴリズム。 reference decode algorithm
02.02.02 開口 光学システムにおいて,読取視野を決定する光の通り口。 aperture
02.02.03 可視レーザダイオード●VLD 可視光の波長領域で動作するレーザダイオード。 visible laser diode●VLD
02.02.04 ラスタ 単一の一次元走査線でなく,ほぼ平行な複数の走査線を作るレーザビームの照射。 raster
02.02.05 走査窓 有効読取範囲のこと。非接触式スキャナの読取窓の前方領域で,シンボルを読める範囲。 scanning window
02.02.06 電荷結合素子●CCD ある種類のバーコードリーダで,一次元配列又は二次元配列で用いる電子感光素子。 charge-coupled device●CCD
02.02.07 復号器 あるコード体系で符号化表現された情報を復元する装置。[IEC 60050-702の702-09-44参照] decoder
02.02.08 自動識別 二つ以上のシンボル体系を,自動的に識別するバーコードリーダの機能。 auto discrimination
02.02.09 付加情報 バーコードシンボルの一部。補助キャラクタ及びシンボルチェックキャラクタで構成される。データを符号化するシンボルキャラクタに加えて,シンボルを有効な構造とするために必要。 overhead
02.02.10 ストップキャラクタ●ストッブパターン バーコードシンボルの終端(最右端)を示す補助キャラクタ。すなわち,データキャラクタ及び/又はキャラクタ間ギャップからなる列の直後に配置するキャラクタ。 stop character●stop pattern
02.02.11 ガードパターン 他のシンボル体系との分割又はシンボルを分割する目的で用い,スタート又はストップパターンに関連した,バー及びスペースからなる補助パターン。 guard pattern
02.02.12 代入誤り バーコードシンボルを読むとき,誤って復号したキャラクタ。注記 誤読と同義。 substitution error