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JIS X 0500-3:2009
自動認識及びデータ取得技術―用語―第3部:RFID 2009改正●2002制定

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番号 用語 定義 対応英語
05.01.01 エアインタフェース RFタグとリーダライタとの間のデータ通信が電磁誘導又は電波伝ぱ(播)の方法で行われ,通常は空気中で行われる通信。注記 JIS X 6322-2 (ISO/IEC 14443-2)では,air interfaceを“電波インタフェース”と訳し,“外部端子なしICカードとその結合装置との間の電力伝送及び通信に必要なインタフェース”と定義している。 air interface
05.01.02 方位 ピッチ,スキュー及びチルトという言葉で表現されるリーダライタアンテナに対向するRFタグの位置角度合せのこと。 alignment
05.01.03 振幅変調●AM 搬送波の振幅への変調が,変調信号の瞬時値の一定の関数(一般には線形関数)である変調方式。[IEC 60050-702の702-06-17参照] amplitude modulation●AM
05.01.04 アンテナ偏波 (アンテナシステムにおいて)送信ベクトルに対して垂直な面での電界強度ベクトルの先端の集まり。 antenna polarization
05.01.05 衝突防止●アンチコリジョン リーダライタの受信機に対して,RFIDシステムの,読取り(交信)領域内の複数RFタグからリーダライタへ一斉に応答することによる衝突を回避するため,及びエラーの応答又はお互いによる妨害がないように競合が起きることを回避するための機能。 anti-clash●anti-contention●anti-collision
05.01.06 認証(1) 二つの個体間の交信を進めることが適切かどうかを検証するために行われる二つのエレメント間でのメッセージ交換。 authentication(1)
05.01.07 認証(2) ある実体の得られた識別内容を検証する(セキュリティのための)動作。 authentication(2)
05.01.08 積載物自動認識●AEI 陸上輸送機関用車両のための,明確なデータ構造をもつRFタグ及びリーダライタを用いた自動認識システム。 automatic equipment identification●AEI
05.01.09 自動再送要求●ARQ エラー検出及び(必要ならば)それに続く訂正のための送信の繰返しとで構成されるプロトコル。 automatic repeat request●ARQ
05.01.10 覚せい(醒) 対応するリーダライタからの送信に対し,受信と応答とが可能なようにRFタグ受信機の電源が入った状態。 awake
05.01.11 後方散乱 RFタグで行われる処理であって,同一搬送周波数で受信信号を再送出するか,又は受信信号を変調し再放射するかのいずれかであるもの。 backscatter
05.01.12 帯域幅時間積 1ビットのために使う帯域幅と時間との積を指定する用語。注記 帯域幅時間積は,与えられたデータ速度に対する占有周波数帯幅を暗黙に示している。 bandwidth times time●BT
05.01.13 変調単位●ボー 秒当たりの信号要素の数に等しい変調速度の単位。それらすべての信号要素は長さが等しく,かつ,1ビット以上を表す。[JIS X 0009の09.05.20参照] 注記 1 200ビット/秒かそれ以上で動作するモデムは,普通,信号要素当たり1ビットかそれ以上を伝送するので,変調単位で表現される変調速度はビット速度を下回る。 baud
05.01.14 2相偏移キーイング●BPSK 信号点配置図(constellation diagram)上の2点だけを使う位相の変調方法。注記 JIS X 6322-2 (ISO/IEC 14443-2)では“2相位相変移キーイング”と訳し,“180°異なる二つの位相状態を論理的に対応させる位相変調方式”と定義している。 binary phase shift keying●BPSK
05.01.15 差動2相偏移キーイング●DBPSK データが差動予備処理された場合の2相偏移変調。 differential binary phase shift keying●DBPSK
05.01.16 ガウス形最小偏移キーイング●GMSK ガウス波形に整形したMSK。 gaussian minimum shift keying●GMSK
05.01.17 最小偏移キーイング●MSK 変調指数が0.5である位相連続の2周波数偏移変調の形式。[IEC 60050-702の702-06-49参照] minimum shift keying●MSK
05.01.18 バイフェーズマーク 論理値“1”はビットの始め,中間,及び最後で遷移し,かつ,論理値“0”はビットの始め及び最後で遷移する形式のデジタルデータ符号化形式。注記 ゼロ復帰(05.02.47),バイフェーズレベル(05.05.05)参照。 bi-phase-mark
05.01.19 記憶容量 RFタグの中に記憶でき,ビット又はバイトの単位で表示されるデータの量。注記 容量は,ユーザが参照できるビット数を単純にさす場合もあるが,データ識別子及びエラー制御ビットを含むビット総数をさす場合もある。 memory capacity
05.01.20 搬送波検知多重アクセス(1)●CSMA(1) 自身が送信する前に別のタグがチャネルを使用しているかどうか,そのタグが“検知”することを可能にする方式の多重アクセスプロトコル。 carrier sense multiple access(1)●CSMA(1)
05.01.21 搬送波検知多重アクセス(2)●CSMA(2) データステーションが共通リソースを自ら使用する場合に,別ユーザからの搬送波の有無に基づいて調停する方式の多重アクセス技術。 carrier sense multiple access(2)●CSMA(2)
05.01.22 衝突検出形搬送波検知多重アクセス●CSMA/CD 自身が送信する前に別のタグがチャネルを使っているかどうか“検知”して使用し,衝突が発生すると,そのことをそのタグが検知することを可能にする方式の多重アクセスプロトコル。 carrier sense multiple access with collision detection●CSMA/CD
05.01.23 チップ (デジタル無線交信において)特定規則に従って,同じ信号の他の部分とは,はっきりと区別できる特性で送信される,一つの文字を表す信号の時間部分。注記 IEC 60050-713の713-07-04の定義を変更。 chip
05.01.24 チップレート 拡散シーケンスで搬送波を変調するときの周波数。 chip rate
05.01.25 符号分割多重アクセス(1)●CDMA(1) 各送信内容がパケットに分割され,独自コードが各パケットに割り当てられ,すべての符号化されたパケットは,一つの信号に数学的に組み込まれ,各々の対象受信機は,割り当てられた独自コードに応じたデータパケットだけを抽出する技術。 code division multiple access(1)●CDMA(1)
05.01.26 符号分割多重アクセス(2)●CDMA(2) 単一チャネルの範囲内で,独立した符号で変調することを使用する方式の多重アクセス。 code division multiple access(2)●CDMA(2)
05.01.27 衝突(1) 1台のリーダライタの電磁界の中で,二つ以上のRFタグによる交信が同時に起こり,その結果としてエラーになるか,又は通信内容を失うこと。
注記1 そのような同時に起こる通信は,衝突防止又は競争管理といった手段によって,それぞれに分離することができる。
注記2 JIS X 6901では,“結合装置の発生する動作磁界の中において,同時に複数の外部端子なしICカードが送信し,混信してこのとき結合装置がカードの発生するデータを識別できないこと”と定義している。
collision(1)
05.01.28 衝突(2) 通信媒体上で通信が同時にあった結果起きる状態。 collision(2)
05.01.29 衝突(3) 二つ以上の異なるデータに対して同じハッシュ値が生じる(ハッシングの)こと。注記 この項目は,AIDC分野以外での参考情報を示すものである。 collision(3)
05.01.30 両立性 許容できない相互作用を引き起こさずに該当要件が満たされる特定の条件下で,共用するための製品,プロセス,又はサービスの適切性。例 互換性,相互接続性,及び非干渉は両立性の異なるレベル(又は度合い)である。 compatibility
05.01.31 互換性 同等の機能を示す複数のデバイス又はシステムの間に存在する状態で,変更しないで別のものと交換することが可能で,かつ,同じ動作サービスを実現するインタフェースの特性及び性能。 interchangeability
05.01.32 等価等方性放射電力●実効等方性放射電力●等価等方放射電力●EIRP 送信機からの実放射無線電力と,等方性放射源に対するアンテナシステムの利得との積。例 36 dBm EIRPは等方性アンテナに送出される4Wに等しく,又は6 dBの利得のアンテナに対し1 Wの電力が送出されることに等しい。 equivalent isotropically radiated power●effective isotropically radiated power●equivalent isotropical radiated power●EIRP
05.01.33 電磁界 物質媒体又は真空での電磁界条件を特性化する場。次に示す四つのベクトル量のセットで定義されている(図1参照)。
E: 電界(ベクトル)
D: 電束密度(ベクトル)
H: 磁界(ベクトル)
B: 磁束密度(ベクトル)
図1
図1f電磁界(★「図1f」の「f」は何?★)
注記 IEC 60050-705:1995の705-01-07参照。
electromagnetic field
05.01.34 データ転送速度 2点の間で単位時間当たりに伝送されるビット,キャラクタ又はブロックの平均数。[JIS X 0009の09.05.21参照]
注記1 データがRFタグとリーダライタとの間で交信された場合の速度。
注記2 標準的な単位はbps (bits per second,1秒当たりビット数)又はBps (bytes per second,1秒当たりバイト数)。
data transfer rate
05.01.35 電磁干渉●EMI 電磁妨害に起因する装置通信チャネル又はシステムの性能劣化。[JIS C 60050-16の161-01-06 (702-08-29)参照] electromagnetic interference●EMI
05.01.36 誤作動 外部又は未指定のRFタグがRFIDシステムの交信領域に入り,応答,誤りその他を生じることの結果。 false activation
05.01.37 タグファミリ それぞれ異なる性能をもつにもかかわらず,共通のリーダライタと識別番号及びデータの通信ができるRFタグの集合。 family of tags
05.01.38 遠方界領域 アンテナの電磁界領域の一部分であって,各点での電磁界の主要要素がアンテナからの伝ぱ(播)エネルギーであり,各点での電磁界分布の形が本質的にアンテナからの距離に依存しないもの。[IEC 60050-712:1992の712-02-02参照] 注記 遠方界領域においては,電磁界分布はアンテナの構造によって影響されず,平面波として伝ぱ(播)する。 far field region
05.01.39 電磁界強度●送出電磁界強度 (無線送信機の)特定設置条件及び変調条件で,特定の特性化された周波数で動作する無線送信システムによって所定のポイントで作り出される電磁界の強さ。[IEC 60050-705:1995の705-08-31参照] field strength●transmitter field intensity
05.01.40 順方向リンク●ダウンリンク リーダライタからRFタグへの送信。注記 アップリンク(05.01.77)参照。 forward link●down-link
05.01.41 フレーム(1) (時分割多重方式において)完全な信号サイクルを構成する一連のタイムスロットの反復的な組合せ,又はサイクルの中でそれぞれのタイムスロットの相対位置が識別できる他の処理からなる反復する組合せ。注記 JIS X 6901では,“データビット列と任意選択の誤り検出ビット列とから構成され,フレームの開始と終了との識別子で囲まれる情報を伝達するための形式”と定義している。[IEC 60050-704の704-14-01参照] frame(1)
05.01.42 フレーム(2) 通信フレームとは,データのユーザ用及び制御データ用として,プロトコルによって規定されたフィールドからなる(データ交信における)データの構造。通信フレームとは,データのユーザ用及び制御データ用として,プロトコルによって規定されたフィールドからなる(データ交信における)データの構造。注記 フレームの構成,特にフィールドの数及び種類はプロトコルのタイプに応じて変えられる。[JIS X 0009の09.06.08参照] frame(2)
05.01.43 周波数ホップレート 周波数ホッピングスペクトル拡散(FHSS)方式における送信周波数間遷移の周波数で,FHSS中心周波数での滞留時間の逆数に等しい。 frequency hop rate
05.01.44 周波数ホップシーケンス 周波数ホッピングスペクトル拡散(FHSS)方式において使用するホッピング周波数を決定する2進擬似乱数系列(PRBS)。 frequency hop sequence
05.01.45 絶対利得 アンテナによって一定方向に向けて発生した放射強度と,アンテナに入力された電力があらゆる方向に一様に電波を放射したと仮定した場合の放射強度との比率であって,一般にデシベルで表されるもの。
注記1 もし,方向の指定がない場合には,所定アンテナからの最大放射強度の方向を指している。
注記2 アンテナの損失がなければ,アンテナの絶対利得は同一方向においてその指向性に等しい。
注記3 対応国際規格に記載の“等方性利得(isotropic gain)”は,定義にそぐわないため削除した。[IEC 60050-712:1992の712-042-43参照]
absolute gain
05.01.46 磁界 磁束密度Bとともに磁場力Hによって特性化された電磁界の構成要素。[IEC 60050-121の121-11-69参照] magnetic field
05.01.47 半二重伝送(1) どちらの方向にもデータを通信できるが,一度にできるのは一方向だけである通信方式。[JIS X 0009の09.03.06参照] half-duplex transmission(1)
05.01.48 半二重伝送(2) どちらの方向にもデータを通信できるが,一度に通信できるのは一方向からだけで,送受信機が(RFタグ)活性化のための電磁界を送信するのを止めた後に(RFタグから)情報を通信する形式の通信方式。
注記1 全二重伝送(05.02.22)参照。
注記2 JIS X 0009の09.03.06の定義を変更。
half-duplex transmission(2)
05.01.49 高調波 送信機の基本周波数の整数倍の周波数で,振幅は基本周波数よりも常に小さいもの。注記 高調波は,無線送信に付随する回路の非線形性に起因して生成され,高調波ひずみをもたらす。 harmonics
05.01.50 使用中のプログラミング 対象物又は個体に取り付けられて使用中のRFタグに対し,読取り及び書込みができる能力。
注記1 工場プログラミング(05.05.24),フィールドプログラミング(05.05.25)参照。
注記2 この機能をもつRFタグ及びシステムは,リード・ライトタグ及びシステムと呼ばれる。
in-use programming
05.01.51 無線周波数干渉●RFI 無線周波数の妨害に起因する希望信号の受信率の低下。[IEC 60050-713:1998の713-11-05参照]
注記 RFIDシステムの環境の中で遭遇する不要な電磁信号は,ビットエラーを起こす可能性があり,また,システム性能を劣化させ,通常の動作に支障をもたらす原因となる。
radio frequency interference●rfi
05.01.52 無線周波数妨害