← 一覧に戻る ↓ このページの最下段に移る

JIS X 0516:2006
製品包装用1次元シンボル及び2次元シンボル 2006制定

番号 用語 定義 対応英語
3.1 コード39 0〜9及びA〜Zに加え,慣習的に“*”(アスタリスク)で表示するスタートキャラクタ及びストップキャラクタを表す特殊キャラクタと“-”(負符号),“.”(ピリオド),スペース,“$”(ドル記号),“/”(斜線),“+”(正符号)及び“%”(パーセント)とを符号化する,分離形で可変長のバーコードシンボル体系。
備考 コード39シンボルは,先頭クワイエトゾーン(★クワイエットゾーン★),スタートキャラクタ及びストップキヤラクタを表す特殊キャラクタと末尾クワイエットゾーンとで構成する。コード39のそれぞれのキャラクタは,合計9本のエレメントで構成し,そのうち,3本が太エレメントである。それぞれのシンボルは,交互に配置した5本のバー及び4本のスペースで構成する。コード39キャラクタは,キャラクタ間ギャップによって分離されている。それぞれのエレメント(バ一又はスペース)は,2種類の幅のいずれかの幅である。“X”寸法及び“N”は,シンボル全体で一定の値を保つ。太エレメント及び細エレメントの特定のパターンによって,符号化するキャラクタを決定する。キャラクタ間ギャップは,最低でも公称1Xの幅をもつスペースである(JIS X 0503参照)。
参考 Xは細エレメント幅の理論値,Nはエレメントの太細比を表す。
Code39
3.2 コード128 ASCIIの文字集合128文字,拡張ASCII文字集合128文字及び四つの非データ機能文字を符号化可能な,連続形で可変長のバーコードシンボル体系。
備考 コード128は,倍密度モードによって一つのシンボルキャラクタで数字2けたを表すことができる。それぞれのコード128シンボルは,二つの独立した自己検査機能,すなわち,パリティによるキャラクタの自己検査及びモジュロ103チェックキャラクタを使用する。コード128シンボルは,先頭クワイエットゾーン,スタートパターン,データキャラクタ,チェックキャラクタ,ストップパターン及び末尾クワイエットゾーンで構成する。コード128のそれぞれのキャラクタは,11本の1X幅のモジュールで構成する。それぞれのシンボルキャラクタは,バーで始まる交互に並ぶ3本のバー及び3本のスペースで構成する。それぞれのエレメント(バー又はスペース)は,1〜4モジュールで構成する。コード128は,コードセットA,B及びCで表される独自の3種類のキャラクタ集合をもつ。コードセットAは,すべての大文字のアルファベット,数字,ASCII値0〜95のASCII制御文字及び七つの特殊文字を含む。コードセットBは,すべての大文字のアルファベット,数字,小文字のアルファベット(具体的にはASCII値32〜127)及び七つの特殊文字をもつ。コードセットCは,00〜99までの100組の数字及び三つの特殊文字をもつ。コード128のスタートコードに続く最初のキャラクタ位値(★位置?★)にあるFNC1は,続くデータがUCC/EAN-128規格の規定によることを示す(JIS X 0504参照)。
参考 Xはモジュール幅の理論値を表し,FNC1はファンクションキャラクタ1を表す。
Code 128
3.3 部品 取引において,製品又はサービスを受ける,購入又は消費する単位。 component
3.4 部品包装 供給者(3.39)が定義する,部品(3.3)の商取引上の単位。該当する場合には,保護,構造的整列又は自動実装のための方法を含む。
備考 代表的な例を次に示す。
a) リード線端子をもつ部品:JIS C 0806-1及びJIS C 0806-2に規定するリール又はつづら折り箱に入れるテーピングリール。
b) 表面実装部品:JIS C 0806-3に規定するテーピングリール及びJIS C 0806-6に規定するバルクケース。
c) 集積回路:JIS C 0806-4に規定するスティックマガジン及びJIS C 0806-5に規定するマトリックストレイ。製品包装と比較するとよい。
参考 容器包装を意味する場合が多い。容器包装リサイクル法(略称)で定義する容器包装に対して,概念的に広い範囲を意味しているので,あえて部品包装とした。
component packaging
3.5 原産国 製品が部品,半完成品又は完成品として認知された製造国。原産国の定義は,各地域の規則の規定による。 country of origin
3.6 データ項目セパレータ データの分離した領域を区切るために使用する特有のキャラクタ。 data element separator
3.7 データ項目名 データ項目を簡潔に記述するバーコードのためのデータ領域名称の一部。
例 部品番号及び顧客番号。
備考 データ項目には,略語を含んでもよい。
data element title
3.8 データマトリックス 特殊文字集合に加え,数字だけのデータ,英数字及びすべてのISO/IEC 646 (ASCII)を含み,様々な文字集合の符号化が可能で,誤り訂正機能をもつマトリックス形2次元シンボル。
備考1.1989年に開発され,1995年にInternational Sata Matrixとして最終設計を完了。
備考2.このシンボル体系は,誤り検出及び訂正機能をもつ。データマトリックスシンボルは,規則正しく並べられた正方形のモジュールを含むデータ領域で構成されている。暗いモジュールは,2進の1,明るいモジュールは2進の0で表す。X又はY寸法に,最小値又は最大値の規定はない。データ領域は,位置検出パターンに囲まれていて,シンボルの四辺は,クワイエットゾーンに囲まれている。位置検出パターンは,データ領域に対する境界線で,1モジュールの幅がある。二つの隣接する辺は,実線の暗い線で,データ復号の最初に物理的な大きさ,更に,方向及びシンボルのひずみを決定するために使用される。反対側の二辺は,交互の暗及び明モジュールで構成され,セル構成を定義するために使用されるが,物理的な大きさ及びひずみの決定を補助するためにも使用される。何段階かの畳み込み誤り訂正機能をもつECC 000〜140,及びリードソロモン方式の誤り訂正機能をもつECC 200の2種類のデータマトリックスシンボルがある。ISO/IEC JTC 1/SC31では,ECC 200だけが推奨される。データマトリックスに関する知的財産権は,パブリックドメインであることが表明されている。ISO/IEC 16022参照。
参考1.パブリックドメインとは,特許は存在するが,その特許に基づく権利行使を放棄した状態を意味する。
参考2.Xは横方向モジュール寸法を表し,Yは縦方向モジュール寸法を表す。
data matrix
3.9 ドット 周囲と異なる反射率をもつ,局所的な領域。 dot
3.10 セル内のドットずれ ドット(3.9)の物理的な中心点とセルの中心点との距離。 dot misalignment within a cell
3.11 EAN.UCCシステム 国際EAN協会とUCCとが共同で管理する仕様,規格及びガイドライン。 EAN.UCC system
3.12 EAN/UPC 流通業界が採用している数字13けたの固定長バーコードシンボルで,国際EAN協会が割り当てる企業プリフィックス,製造業者が割り当てる製品コード及び右端に置かれるモジュロ10チェックデジットで構成される(JIS X 0507参照)。
備考 EAN/UPCシンボル仕様書は,JIS X 0507参照。U.P.C (3.43)も参照するとよい。
参考 EAN/UPCには,13けた,12けた,8けた及び7けたの固定長バーコードシンボルがある。
EAN/UPC
3.13 エレメント幅 エレメントの先端から同じエレメントの後端までの幅。 element width
3.14 棄却誤り訂正 位置の分かっているデータの誤りを訂正するために誤り訂正キャラクタを用いること。備考 これらの位置は,画像における不十分な反射率差,画像領域からの逸脱又は誤ったシンボルキャラクタのパリティをもっている可能性がある。したがって,それぞれの棄却誤りを訂正するためには,一つだけ誤り訂正キャラクタが必要となる。 erasure correction
3.15 誤り訂正 誤りの検出及び訂正を行うための数学的手順。 error correction
3.16 誤り検出 シンボル中の誤りの数が誤り訂正能力を上回ることを検出するために,誤り訂正(3.15)キャラクタを用いること。備考 誤り検出は,シンボルが誤ったデータとして復号されることを防止する。また,誤り訂正アルゴリズムは,無効な誤り訂正計算結果を検出することによって,誤りを検出することができる。 error detection
3.17 EN 欧州統一規格。 European Norm
3.18 第一段階の組立品 この規格における,製造された電子的品目又は構成部品からなる電子的品目などの機械的組立品(3.3)。 first level assembly
3.19 フォーマット●大容量自動認識情報媒体 一つ以上の“セグメント”(3.34)を包括するもの。備考 フォーマットは,一つの“フォーマットタイプ”(3.24)を含む。(★見出しは2語並立でよいか★) format●high-capacity ADC media
3.20 フォーマットエンベロープ “フォーマットヘッダ”(3.21)及び“フォーマットトレーラ”(3.23)からなり,規定の“フォーマット”(3.19)でデータの始めと終わりとを区切るもの。 format envelope
3.21 フォーマットヘッダ “フォーマットエンベロープ”(3.20)の先頭を識別するために使われる“フォーマットインジケータ”(3.22)を含む文字列。 format header
3.22 フォーマットインジケータ 特定のアプリケーションデータの“フォーマットタイプ”(3.24)を識別するために使われる2けたの数字。 format indicator
3.23 フォーマットトレーラ “フォーマットエンベロープ”(3.20)の終端を識別するためのキャラクタ。 format trailer
3.24 フォーマットタイプ 特定の“フォーマット”(3.19)を符号化するための規則。 format type
3.25 グローバルトレードアイテムナンバー 有効なEAN.UCC製品ナンバーのすべて(製品又はサービス)を示す用語。 GTIN●Global Trade Item Number
3.26 インタリーブド2オブ5 0〜9までの10種類の数字を符号化するバーコードシンボル体系。インタリーブド2オブ5という用語は,二つの隣接するキャラクタを符号化する場合に用いる方法からきている。備考 このシンボルでは,二つのキャラクタが一組になっており,バーを用いて一つ目のキャラクタ,バーに挟まれたスペースを用いて二つ目のキャラクタを表現している。各キャラクタは,2本の太エレメントと3本の細エレメントとを合わせた5本のエレメントで構成されている。満足できるデータセキュリティを得るためには,シンボルを読み取るアプリケーションで,シンボル長を規定し,ベアラバーを用いるのが望ましい。U.P.C.出荷コンテナシンボル(SCC-14)で最もよく使われているシンボル体系(JIS X 0505参照)。 interleaved 2 of 5
3.27 ITF-14 EAN.UCCのGTINを14けたで表現したもの。インタリーブド2オブ5シンボル体系で符号化されている。備考 かつては,GTIN14けたバージョンにU.P.C.出荷コンテナシンボル(SCC-14)を採用した。 ITF-14
3.28 メッセージエンベロープ “メッセージヘッダ”(3.29),データ及び“メッセージトレーラキャラクタ”(3.30)からなるもの。与えられたメッセージにおける“データ列”の始め及び終わりを区切る。 message envelope
3.29 メッセージヘッダ “メッセージエンベロープ”(3.28)の先頭を識別するために使う文字列。 message header
3.30 メッセージトレーラキャラクタ 伝送終了文字で,“EOT”(ASCII/ISO 646 04Hex)を用いてメッセージの終了を示すもの。 message trailer character
3.31 PDF417 誤り訂正能力をもつ2次元マルチローシンボル体系。
備考1.1992年にシンボルテクノロジー社によって開発された。PDF417は,17モジュールを4本のバーと4本のスペースとで構成する。
備考2.シンボルサイズは,3〜90列である。X又はY寸法の最小幅及び最大幅の規定はない。推奨最小レベル誤り訂正(3.15)の場合,Y寸法は3Xを推奨している。推奨最小レベル誤り訂正以下の場合,Y寸法は4Xを推奨している。2X幅のクワイエットゾーンがシンボルの両側に指定される。デルタ復号技術によって,このシンボル体系は一定のバー幅の太りによる影響を受けない。PDF417は,列を交差する走査に対応している。PDF417に関連する知的所有権は,パブリックドメインであることが表明されていている(ISO/IEC 15438参照)。
参考 Xはモジュールの幅寸法,Yはモジュールの高さ寸法を表す。
PDF417
3.32 製品包装 ひも,ラップ,コンテナなどで単独又は複数の商品を包む,識別可能な包装。備考 製品包装は,アイテムが単独で包装されていることもあるし,複数の同一製品及び部品の集合体がまとめられていることもある。この規格では,“製品包装”という用語の中に,部品包装容器こん包又は保存用・輸送用の包装も含める。 product package
3.33 QRコード 誤り訂正能力をもつ,マトリックス形シンボル。全体的に正方形のパターンに配置される正方形のモジュールの配列からなる。シンボルの位置,大きさ及び傾きの検出を容易にするために,三つの隅に配置された固有の位置検出パターンを含む。
備考1.1994年に株式会社デンソ一によって発表された。
備考2.4段階の誤り訂正(3.15)とともに,広範囲のシンボルサイズを規定している。モジュール寸法は,様々な技術のシンボル生成を可能とするために,使用者が規定する。クワイエットゾーンを含まないシンボルサイズは,21×21〜177×177モジュールである。このシンボル体系は,数字,アルファベット及び8-bitバイトデータと同じように,効率的に漢字及び仮名を符号化することができる(JIS X 0510参照)。
QR Code
3.34 セグメント “データ要素”の論理的なグループ,特にEDIメッセージの論理的な部分。 segment
3.35 セグメント終端子 “セグメント”(3.34)を分けるために用いられる単一のキャラクタ。 segment terminator
3.36 記号論 データ領域の目的を確認するための方法。備考 自動認識及びデータ取得技術で使用される記号論例として,JIS X 0531で規定するデータ識別子及びアプリケーション識別子,EDI (X12/EDIFACT/CII)で用いるデータ要素適合子,米国国防総省で用いるデータ要素適合子(DEIs)並びに構造化された自由テキストがある。 semantics
3.37 シリアル番号 供給者(3.39)が,あるものの生存期間を通じて割り当てた製品識別番号(コード)。
例 コンピュータシリアル番号,追跡者番号及びツール識別番号。
参考 シリアル番号は連続番号に限らない。
serial number
3.38 構造 メッセージ内のデータ項目の構成順序。 structure
3.39 供給者 取引における製品又はサービスを生産,提供又は装備する組織又は個人。 supplier
3.40 構文 メッセージを形成するためにデータを組み立てる方法。備考 構文は,メッセージの中で適切な識別子,区切り文字,分離キャラクタ及び他の非データキャラクタの使用を規定する規則を含む。構文は,話し言葉における文法と等価である。自動認識及びデータ取得技術で使用される構文の例は,JIS X 0533で規定する大容量自動認識情報媒体のための転送構文を含む。 syntax
3.41 トレーサビリティ識別 製品の固有のグループ(例えば,ロット,バッチ,項目,改正/バージョン又はシリアル番号)を識別するか,又は追跡すること。 traceability identification
3.42 トレーサビリティ番号 トレーサビリティ識別の目的のために,供給者(3.39)が割り当てた番号(コード)。 traceability number
3.43 米国共通商品コード 米国食品業界及びその業界に引き続き他の流通業界で採用された,数字12けたの固定長バーコードシンボル。UCCが割り当てた6けたの製造業者番号,製造業者が割り当てた5けたの製品コード及び12けた目のモジュロ10チェックデジットからなる。
備考 EAN-13との国際的な互換性のために,データとしては13けた目は最も左の位置に0を付加する(JIS X 0507参照)。
参考 UPCコードは12けた及び7けたの固定長バーコードシンボルがある。
UPC●Universal Product Code

← 一覧に戻る ↑ このページのトップに戻る