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JIS X 0701:2005
情報及びドキュメンテーション―用語 2005改正●1989制定

番号 用語 定義 対応英語
1.1.1.01 概念 複数の特性の固有の組合せによって創造される“知識”(1.1.3.14)の単位。参考 概念は,特定の言語に結び付かない。しかし,社会的又は文化的背景による影響を受ける。 concept
1.1.1.02 事物 認知可能又は想像可能なもの。参考 事物は物体(例えばエンジン,一枚の紙,ダイヤモンド),非物体(例えば変換率,プロジェクト計画),想像物(例えば一角獣)のいずれであってもよい。 object
1.1.1.03 集合 “事物”(1.1.1.02)又は“概念”(1.1.1.01)の集積であって,一体をなすとみなされるもの。 set
1.1.1.04 要素 “集合”(1.1.1.03)の一部を構成する個々の“事物”(1.1.1.02)。 element
1.1.1.05 関係 2個以上の“要素”(1.1.1.04)の間の知的結合。 relation
1.1.1.06 システム●体系 相互に関係する“概念”(1.1.1.01)又は“事物”(1.1.1.02)の“集合”(1.1.1.03)。 system
1.1.1.07 主題分野 特定の“知識”(1.1.3.14)分野。主題分野の境界は,目的に関した見地から決定される。 subject field
1.1.1.08 順序 異なった“要素”(1.1.1.04)間の“関係”(1.1.1.05)が,認知され,確立された“集合”(1.1.1.03)の状態。 order
1.1.2.01 言語 “コミュニケーション”(1.1.3.01)のために使用される“サイン”(1.1.3.02)の“体系”(1.1.1.06)。一般に,“語い(彙)”(2.2.1.17)と規則とで構成される。 language
1.1.2.02 自然言語 人間社会で実際に使用されている“言語”(1.1.2.01)。多くの場合,その使用規則は,慣習に由来する。参考 “人工言語”(1.1.2.03)。 natural language
1.1.2.03 人工言語 使用前から規則が明示的に確立されている“言語”(1.1.2.01)(JIS X 0001参照)。 artificial language
1.1.2.04 テキスト●本文 “文字”(1.1.2.09),“記号”(1.1.2.11),“語(1)”(1.1.2.07),句,段落,文,“表”(2.2.1.32)又はそれ以外の文字配列で表された“データ”(1.1.4.01)。“意味”(1.1.3.04)の伝達を目的とし,その解釈は,読者が身に付けている“自然言語”(1.1.2.02)又は“人工言語”(1.1.2.03)の“知識”(1.1.3.14)に基づく(JIS X 0001参照)。 text
1.1.2.05 用語句 少なくとも1個の“用語”(1.1.2.12)及びその他の複数の“語い(彙)”項目を含む“語(1)”(1.1.2.07)の組合せ。“語い(彙)”項目の選択は当該“用語”によって制約される。例 整理の“レベル”(4.3.1.1.07),知らせを受ける権利(7.3.4.03) terminological phrase
1.1.2.06 同じ性質をもち,一体と認識される“要素”(1.1.1.04)の連続。例 文字列,パルス列 string
1.1.2.07 語(1) 文の中で独立の単位として存在し,特定の“意味”(1.1.3.04)を伝える最小の言語単位。参考 “語(2)”(1.1.2.08)。 word(1)●orthographic word
1.1.2.08 語(2) 与えられた目的のために,一つの単位とみなすのが適切な文字列(JIS X 0004参照)。参考 “語(1)”(1.1.2.07) word(2)
1.1.2.09 文字 “データ”(1.1.4.01)の表示,構成又は制御のために使用される“要素集合”。備考 文字は,図形文字,制御文字などに区別できる。 character
1.1.2.10 指称 “サイン”(1.1.3.02)による“概念”(1.1.1.01)の表示。備考 用語技術においては,指称には記号,用語及び名称という3形式がある。 designation
1.1.2.11 記号 文字,数字,絵文字,又はそれらの任意の組合せを用いた“指称”(1.1.2.10)。 symbol
1.1.2.12 用語 特定の“主題分野”(1.1.1.07)における一般“概念”(1.1.1.01)の言語“指称”(1.1.2.10)。備考 用語は,記号を含んでもよい。また,異体(例えば,つづりかたの相違)を含めることができる。 term
1.1.2.13 名称 言語表現による個別“概念”(1.1.1.01)の“指称”(1.1.2.10)。備考 通常用いられる“個別概念”は集合概念に対するもので,ここでいう個別概念は唯一の事物をもつ概念である。 name
1.1.2.14 用語集 特定の“言語”(1.1.2.01)に属する“指称”(1.1.2.10)の“集合”(1.1.1.03)。 terminology
1.1.2.15 命名集 あらかじめ確立された命名規則に従って構成された“用語集”(1.1.2.14)。備考 命名集は,生物学,医学,物理学,化学など,分野ごとに制定される。 nomenclature
1.1.2.16 同義性 ある“言語”(1.1.2.01)において,複数の“用語”(1.1.2.12)が同じ“概念”(1.1.1.01)を表す“関係”(1.1.1.05)。例 馬鈴しょ(薯)−じゃがいも synonymy
1.1.2.17 準同義性 ある“言語”(1.1.2.01)において,複数の“用語”(1.1.2.12)が類似の“意味”(1.1.3.04)をもちながらも異なった“概念”(1.1.1.01)を表現し,目的によっては同義語と見なされる“関係”(1.1.1.05)。例 図書−単行書;野菜−そ(蔬)菜 quasi-synonymy
1.1.2.18 多義性 ある“言語”(1.1.2.01)において,1個の“指称”(1.1.2.10)がある特性を共有する2個以上の“概念”(1.1.1.01)を定義するときの“指称”と概念との“関係”(1.1.1.05)。例 足:1)身体の一部,2)乗り物の総称,3)粘り polysemy
1.1.2.19 同称異義性 ある“言語”(1.1.2.01)において,1個の“指称”(1.1.2.10)が互いに無関係な2個以上の“概念”(1.1.1.01)を表現する“関係”(1.1.1.05)。例 株:1)植え替えができる草木のひとかたまり,2)株式会社における出資権利の持ち分。 homonymy
1.1.2.20 同形異義性 2個以上の“用語”(1.1.2.12)において,同じ形態をもつがお互いに無関係の“意味”(1.1.3.04)をもつ“質”(1.3.02)。例 サイズ:1)大きさ,2)製紙材料 homography
1.1.2.21 同音異義性 2個以上の“用語”(1.1.2.12)において,同じ音声をもつが,無関係の“意味”(1.1.3.04)をもつ“質”(1.3.02)。例 史学−私学 homophony
1.1.2.22 翻音 ある表記体系の“文字”(1.1.2.09)又は特別に設定された記述体系を用いて,与えられた“言語”(1.1.2.01)の発音を表現すること。参考 ISO 5127では“特別に設定された分類記号”(4.2.2.4.17)となっているが,これは誤記と解し,修正した。言語学では転写ともいう。 transcription
1.1.2.23 翻字 ある記述体系の“文字”(1.1.2.09)を第二の記述体系における対応“文字”で表現すること。 transliteration
1.1.2.24 ローマ字化 “翻字”(1.1.2.23),“翻音”(1.1.2.22),又はこれらの併用によって非ラテン記述体系をラテンアルファベットで表現すること。 romanization
1.1.2.25 翻訳 ある“言語”(1.1.2.01)からほかの“言語”への変換。備考 この種の言語は,一般に自然言語である。 translation
1.1.2.26 楽譜記号 音楽に用いられる音の数,量,高さ及び持続時間を表現する“記号”(1.1.2.11)の“集合”(1.1.1.03)。 notation(1)
1.1.3.01 コミュニケーション “信号”(1.1.3.03)の伝送による“意味”(1.1.3.04)の伝達。 communication
1.1.3.02 サイン “意味”(1.1.3.04)の伝達に用いられる物理的現象。 sign
1.1.3.03 信号 “データ”(1.1.4.01)を表現するために用いられる物理量の変化(JIS X 0001参照)。 signal
1.1.3.04 意味 “サイン”(1.1.3.02)で想起される“概念”(1.1.1.01)解釈。 meaning
1.1.3.05 メッセージ “コミュニケーション”(1.1.3.01)の目的のために作成された“データ”(1.1.4.01)。 message
1.1.3.06 コミュニケーション理論 “コミュニケーション”プロセス及び“コミュニケーションシステム”(1.1.3.07)の研究にかかわる科学領域。 communication theory
1.1.3.07 コミュニケーションシステム “コミュニケーション”プロセスを管理する“システム”(1.1.1.06)。 communication system
1.1.3.08 情報(1) 伝達された“知識”(1.1.3.14)。備考 情報(1)は,事実,概念,事物,事件,アイデア,プロセスなどを含む。 information(1)
1.1.3.09 情報(2) “コミュニケーション”(1.1.3.01)のプロセスにおいて,“知識”(1.1.3.14)を増やす目的で,“情報(1)”(1.1.3.08)を表現する“メッセージ”(1.1.3.05)。参考 “情報(1)”。 information(2)
1.1.3.10 記録情報 “データ媒体”(1.1.4.02)に蓄積された“情報(1)”(1.1.3.08)。 recorded information
1.1.3.11 記録 あらかじめ設定された目的のために選択され提示された人物又は“事物”(1.1.1.02)に関する“データ”(1.1.4.01)の“集合”(1.1.1.03)。 record(1)
1.1.3.12 情報システム “情報(2)”(1.1.3.09)の“コミュニケーション”(1.1.3.01)及び処理を可能とする“コミュニケーションシステム”(1.1.3.07)。 information system
1.1.3.13 アクセス “資料”(1.2.02)から“情報(1)”(1.1.3.08)を取得するための権利,機会又は手段。 access
1.1.3.14 知識 推論に基づき立証を経た認識。 knowledge
1.1.4.01 データ “コミュニケーション”(1.1.3.01),解釈及び処理に適するように形式化された“情報(1)”(1.1.3.08)表現。 data
1.1.4.02 データ媒体 “データ”(1.1.4.01)を記録し,検索することができる物理的媒体。 data medium●support
1.1.4.03 データ処理 “データ”(1.1.4.01)操作の組織的作業。例 データの算術的又は論理的演算,データの併合若しくは並べ替え,プログラムの作成,本文に関する作業(例えば本文の編集,並べ替え,併合,蓄積,検索,表示,印刷など)。 data processing●DP
1.1.4.04 データ媒体変換 ある“データ媒体”(1.1.4.02)からほかの“データ媒体”への“データ”(1.1.4.01)の変換。例 紙からマイクロフィルムへの変換。 data transformation
1.1.4.05 データ変換 ある表現形式からほかの表現形式への“データ”(1.1.4.01)の変換。 data conversion
1.1.4.06 コード(1)●符号(1) ある“言語”(1.1.2.01)を別の“言語”に変換するための規則の“集合”(1.1.1.03)。
備考 この定義は,JIS X 0004に収載された定義とは異なる。
参考 “コード(2)”(1.1.4.07)。
code(1)
1.1.4.07 コード(2)●符号(2) あらかじめ設定された規則に従って異なった形式に変換又は表現された“データ”(1.1.4.01)の“集合”(1.1.1.03)。参考 “コード(1)”(1.1.4.06)。 code(2)
1.1.4.08 コーディング●符号化 “データ媒体変換”(1.1.4.04)又は“データ”(1.1.4.01)表示のプロセス。 coding
1.1.4.09 書式(1) “データ媒体”(1.1.4.02)における所定のデータ配列。参考 “書式(2)”(4.2.1.1.17)。書式は,入力書式,蓄積書式及び出力書式に分割できる。 format(1)
1.1.4.10 データバンク “ファイル(2)”(2.3.4.10)又は“データべース”(1.1.4.11)の“集合”(1.1.1.03)であって,蓄積“システム”,処理“システム”及び“検索システム”(4.3.2.1.02)と組み合わされたもの。参考 この定義は,JIS X 0001に収載された定義とは大きく異なる。 data bank
1.1.4.11 データベース 関係“データ”(1.1.4.01)の“集合”(1.1.1.03)であって,所定の目的又は所定の“データ処理”“システム”に適合したもの。参考 この定義は,JIS X 0001に収載された定義とはかなり異なる。 database
1.1.4.12 全文データベース “資料”(1.2.02)の全文又は主要部分を含む情報源“データベース”(1.1.4.11)。 full-text database
1.1.4.13 ホスト “データベース”(1.1.4.11)を保有するコンピュータであって,“コミュニケーション”(1.1.1.3.01)ネットワークを通じてほかのコンピュータに接続可能なもの。 host
1.1.4.14 インターネット 世界規模で相互接続できるコンピュータシステム及びコンピュータネットワークであって,ゲートウェイを通じてそれらの間で“データ”(1.1.4.01)の移動が可能なもの。 internet
1.2.01 ドキュメンテーション “保管(1)”(4.3.1.1.01),“分類作業”(4.2.2.4.02),“検索”(4.3.2.1.01),利用又は伝達を目的とする,“記録情報”(1.1.3.10)の継続的・系統的な蓄積及び処理。 documentation
1.2.02 資料●文献 “ドキュメンテーション”プロセスにおいて,一つの単位として処理することが可能な“記録情報”(1.1.3.10)又は“事物”(1.1.1.02)。 document
1.2.03 二次資料●二次文献 ほかの“資料”(1.2.02)についての“データ”(1.1.4.01),“情報(1)”(1.1.3.08)又は“情報(2)”(1.1.3.09)を含む“資料”。 secondary document●derived document
1.2.04 情報管理 ある組織内における“情報”源の企画,管理及び利用。 information management
1.2.05 情報検索 蓄積されたものの中から,特定の“情報(1)”(1.1.3.08)又は“情報(2)”(1.1.3.09)を取り出すプロセス。 information retrieval
1.2.06 資料検索 蓄積されたものの中から,特定の“資料”(1.2.02)を取り出すプロセス。 document retrieval
1.2.07 参照検索 “参照”(4.2.1.3.07)に限定された“情報検索”(1.2.05)。 reference retrieval
1.2.08 情報学●情報科学 “情報(1)”(1.1.3.08)又は“情報(2)”(1.1.3.09)の機能,構造,伝達,及び“情報システム”(1.1.3.12)管理に関する研究。 information science
1.2.09 文書館学 “アーカイブズ(1)”(3.1.01)又は“文書館”(3.1.02)の組織,管理及び運営に適用される“情報学”(1.2.08)の一部門。 archival science
1.2.10 図書館学 “図書館資料”(3.1.03)又は“図書館”(3.1.04)の組織,管理及び運営に応用される“情報学”(1.2.08)の一部門。 library science
1.2.11 図書館業務 “図書館学”(1.2.10)の実務的応用。 librarianship
1.2.12 博物館学 “博物館資料”(3.1.05)又は“博物館”(3.1.06)の組織及び博物館法規の適用に関する理論,活動及び技術。 museology
1.2.13 博物館資料作成技術 “博物館資料”(3.1.05)又は“博物館”(3.1.06)に保存されている“資料”(1.2.02)を特定し記述する技術。 museography
1.2.14 書誌作成 “資料”(1.2.02)を識別し,記述する理論,活動及び技術。 bibliography(1)
1.2.15 書誌学 “図書”(2.1.12)及び“本”(2.4.01)の作成及び配布の技術に関する研究。 bibliology
1.2.16 複製技術 技術的手段による“資料”(1.2.02)の画像の“複製”(2.1.03)。 reprography
1.2.17 印刷 “インク”(6.5.22)を付けた活字,平版,活版若しくは丸版によって,又はインクジェットから紙などの表面にその印影を転写すること。(★「その」は何をさすのか?★) printing
1.2.18 テレコミュニケーション 電磁的又は電子的手段による“信号”(1.1.3.03)の転送の理論及び技術。 telecommunication
1.2.19 用語作業 “概念”(1.1.1.01)及びその“指称”(1.1.2.10)の収集,記述,処理及び表示にかかわる作業。備考 用語作業は,確立された原理及び方法に基づいて実施することが望ましい。用語作業は,用語の選択,概念の調和,用語の調和及び用語技術からなる。 terminology work
1.3.01 評価 雇用予定者,従業員,計画,機関,操業,又は組織の目標の実現のために寄与する資源の能力又は実績の査定。 evaluation
1.3.02 明示的又は暗黙的な要求を満足する能力に依存する製品又は“サービス”(5.5.01)の性能及び特性の全体。 quality
1.3.03 計量書誌学 “資料”(1.2.02)の“利用”(6.1.25)及び“出版物”(2.1.11)のパターンに応用される数学的及び統計学的方法。 bibliometrics
1.3.04 計量情報学 “情報利用”(5.1.01)の“コミュニケーション”(1.1.3.01)に応用される数学的及び統計学的方法。 infometrics
1.3.05 文書館員 “文書館学”(1.2.09)の訓練を受けた職員。 archivist
1.3.06 保存技術者 “事物”(1.1.1.02)の保全及び価値を維持するために必要な物理的作業を実施するために要求される“知識”(1.1.3.14)及び技能について専門的又は技術的に訓練を受けた職員。 conservator
1.3.07 博物館専門職員 “コレクション(2)”(3.1.07)に対応し,その受入れ及び保全を行う職員。 curator
1.3.08 ドキュメンタリスト “ドキュメンテーション”(1.2.01)の訓練を受けた職員。 documentalist
1.3.09 情報検索業者 ある“事物”(1.1.1.02)についての“情報(1)”(1.1.3.08)又は“情報(2)”(1.1.3.09)を探索し,検索し,若しくは提供することを営利事業として実施する職員。 information broker
1.3.10 情報管理者 “情報管理”(1.2.04)を実施する職員。 information manager●information officer
1.3.11 図書館専門職員 “図書館業務”(1.2.11)の専門的訓練を受けた職員。 librarian
1.3.12 記録管理者 “記録”(1.1.3.11)の作成,“利用”(6.1.25),維持及び“処分”(4.1.1.24)を経済的・効率的に実施する職員。 records manager
1.3.13 t"> printing
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