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JIS X 0812:2012
図書館パフォーマンス指標
2012改正●2007改正●2002制定
番号
用語
定義
対応英語
2.1
アクセス容易性
サービス又は設備への到達及び利用の容易さ。
accessibility
2.2
実貸出者
報告期間中に,一つ以上の資料を借り出した登録利用者。(JIS X 0814の3.3.1)
active borrower
2.3
実利用者
報告期間中に,図書館に来館した,又はその施設若しくはサービスを利用した登録利用者。注記 電子図書館サービスの利用を含めてもよい。
active user
2.4
適切性
そのパフォーマンス指標によって特定の活動を評価することの適切さ。
appropriateness
2.5
利用可能性
利用者が要求したときに,コンテンツ,資料,設備又はサービスについて,実際に図書館が提供できる程度。
availability
2.6
コンピュータファイル
コンピュータ可読な,ディスク,テープ,その他の保存媒体によって,貸出又は館内利用として利用者に提供される,データ又はソフトウェアプログラム(例 コンピュータゲーム,語学教材及びその他のアプリケーションソフトウェア)。注記 ANSI/NISO Z39.7:2004の定義を変更している。
(JIS X 0814の3.2.8)
computer file
2.7
ダウンロードされたコンテンツ
データベース,電子逐次刊行物又はデジタル資料への要求が成功したコンテンツ単位。(JIS X 0814の3.3.3)
content downloaded
2.8
コンテンツ単位
コンピュータで処理され,一意に識別可能な,テキスト又は視聴覚情報の一ぺん(篇)の出版著作物。原著作物又は他の出版著作物の要約でもよい。
注記1 COUNTER code of practice, Release 2:2004のアイテム(item)の定義を変更している。
注記2 記述レコードは除く。
注記3 同一コンテンツ単位でも,PDF,Postscript,HTML及びその他の形態ごとに,分けて数える。
(JIS X 0814の3.2.9)
content unit
2.9
データベース
共通のインタフェースをもち,データの検索及び処理用のソフトウェアをもつ,電子的に蓄積された記述レコード又はコンテンツ単位(ファクトデータ,全文,画像及び音声)の集合体。
注記1 コンテンツ単位又はレコードは,通常,特定の目的で収集され,既定の主題に関連付けられる。データベースは,CD-ROM,フロッピーディスク又はその他直接にアクセス可能な方式によって発行することもできるし,ダイアルアップ又はインターネット経由でアクセスできるコンピュータファイルとして提供することもできる。
注記2 同じインタフェースを用いて利用可能である場合でも,使用許諾契約を得たデータベースは,それぞれ分けて数える。
注記3 通常,出版者又はベンダによって提供される,一群の逐次刊行物又はデジタル資料へのアクセスを提供する共通のインタフェースも,データベースとして数える。その場合,個々の逐次刊行物又はデジタル資料は,逐次刊行物又はデジタル資料として数える必要がある。
(JIS X 0814の3.2.10)
database
2.10
記述レコード
物理的形態の資料又はコンテンツ単位を参照及び/又は記述する,標準的な形式の,コンピュータで処理された書誌レコード又はその他の個別レコード。
注記1 記述レコードを集めたものは,通常,データベースの形態で出版される。
注記2 レコードは,タイトル,著者,主題,抄録,発生日付などの要素を含むことができる。
(JIS X 0814の3.2.11)
descriptive record
2.11
デジタル資料
図書館コレクションの一部として,図書館がデジタル化した又はデジタル形態で受け入れた,確定した内容の情報単位。
注記1 電子図書,電子特許資料,ネットワーク上の視聴覚資料及びその他のデジタル資料(例 報告書,地図資料,楽譜資料,プレプリント)を含む。データベース及び電子逐次刊行物は除く。
注記2 データベースとして扱われるものは,2.9で扱う。
注記3 デジタル資料は,一つ以上のファイルによって構成されることがある。
注記4 デジタル資料は,一つ以上のコンテンツ単位によって構成される。
(JIS X 0814の3.2.12)
digital document
2.12
資料
情報管理の過程で一つのまとまりとして扱われる,記録された情報又は事物。
注記 資料には,物理的形態及び特性による違いがあってもよい。
(JIS X 0701:2005の1.2.02)
document
2.13
ダウンロード
記述レコード又はコンテンツ単位の,成功した要求(例 表示,印刷,保存,電子メール送信)。
注記 NCSA (National Center for Supercomputing Applications)が定義しているように,ウェブサーバログでは,成功した要求は,特定のリターンコードをもつ。
(JIS X 0814の3.3.4)
download
2.14
有効性
所期の目標が,どの程度達成できたかを示す尺度。備考 ある活動が生み出すべき結果を最大限に実現した場合に,その活動は有効といえる。
effectiveness
2.15
効率性
所期の目標を達成するために,資源をどの程度利用したかを示す尺度。備考 資源の利用を最小限にする場合,又は同じ資源でよりよい実績をあげる場合に,その活動は効率的といえる。
efficiency
2.16
電子図書
一般的にテキストの検索が可能で,印刷形態の図書(モノグラフ)と類似するものとして認識できるデジタル資料。使用許諾契約を必要とするものと必要としないものとがある。
注記1 電子図書の利用は,多くの場合,専用装置及び/又は特別な読取り機が必要であったり,又は画像閲覧用ソフトウェアを必要としたりする。
注記2 電子図書は,携帯装置(電子図書リーダ)によって,又は一定期間コンテンツを利用者のPCに送信することによって,利用者に貸し出すことができる。
注記3 電子形態の学位論文も含む。
注記4 図書館がデジタル化した資料も含む。
(JIS X 0814の3.2.15)
electronic book●eBook
2.17
評価
サービス又は施設の有効性,効率性,有用性及び適合性を推定する過程。
evaluation
2.18
外部利用者
その図書館のサービス対象者に属さない利用者。(JIS X 0814の3.3.8)
external user
2.19
施設
図書館利用者に提供している機器,調査研究席など。備考 複写機,オンライン端末,CD-ROMワークステーション,閲覧座席,学習用キャレルの座席などは含むが,トイレ,喫茶室,公衆電話などは除く。
facilities
2.20
無料のインターネット資源
無制限にアクセスできるインターネット資源。(JIS X 0814の3.2.18)
free internet resources
2.21
フルタイム換算
1年間フルタイムで働いた職員1名相当に換算すること。
例 3人の図書館職員のうち,1人が4分の1の勤務,1人が2分の1の勤務,1人が常勤職員だった場合,フルタイム換算(FTE)による職員の算出は,0.25+0.5+1.0=1.75となる。
注記 あらゆる図書館が,フルタイム換算を行うときに同じ1年当たり勤務時間数を使用しているわけではない。このため,図書館間の比較においては,時間数の違いを考慮する必要がある。
full-time equivalent●FTE
2.22
目的
合意された一連の方針を実施することによって達成されるべき望ましい状態。
goal
2.23
指標
何らかの活動(事象,物体又は人)の価値を評価するために,その活動を数量的及び質的に特徴付けるのに用いられる表現(数値,記号又は言葉),及び関連する方法。
indicator
2.24
図書館
情報,調査研究,教育,文化又は娯楽に対する利用者の要求が満たされるように,資料を収集し,組織化し,保存し,それらの情報資源及び施設の利用を促進することを主たる目的とする機関又は機関の一部。
注記1 これは,図書館に対する基本的な要件であって,主要目的に付随する,このほかの資源及びサービスを否定するものではない。
注記2 図書館が一つ以上の機能をもつ(例 学校図書館でもあり,公共図書館でもある)場合,一般にはその図書館の第一義的な機能が何かを決めるか,又は極端な場合には機能別に分けそれに基づきデータを報告する。(JIS X 0814の3.1.5)
注記3 仮想図書館及び/又は電子図書館は,図書館の一義的な定義に適合していれば,含めてもよい。
library
2.25
図書館のウェブサイト
図書館のサービス及び資源へのアクセスを提供するために図嘗館が公開する,ウェブページの集合体によって構成されたインターネット上の独自のドメイン。
注記1 ウェブサイトのページは,通常,ハイパテキストリンクによって相互接続している。
注記2 電子的コレクションとして定義される資料及び図書館のウェブサイトからリンクできる無料のインターネット資源は除く。
注記3 図書館のドメイン内で,他の組織のために運営されるウェブサービスは除く。
(JIS X 0814の3.3.13)
library website
2.26
貸出
電子的形態でない資料(例 図書)又は持ち運びできる物理的形態(例 CD-ROM)若しくはその他の装置(例 電子図書リーダ)に搭載される電子資料を,直接又は配送によって貸し出す処理。又は一定期間利用できるよう,電子資料(例 電子図書)を一人の利用者に送信する処理。
注記1 図書館内での貸出(館内貸出),利用者自らの操作によって行った更新を含む。更新は,分けて数える必要がある。
注記2 原資料の代わりに図書館が提供した複写物(ファクシミリも含む。)及び利用者のために職員が作成した電子資料のプリントアウトを含む。
注記3 遠隔利用者への物理的な資料の貸出を含む。
注記4 電子資料の送信(仲介)は,その利用が一定期間に限られていない場合,電子的文献配送として数える。電子的文献配送(仲介)は,自館のサービス対象者ヘの送信を含む。
(JIS X 0814の3.3.14)
loan
2.27
メタデータ
データに関する,構造化されたデータ。記述,管理,法的要件,技術的機能性,利用及び利用法並びに保存を目的とした,情報システム又は情報対象に関連したデータを含む。注記 ダブリンコア メタデータ イニシアティブから適用。
metadata
2.28
使命
サービスを展開し,成果を上げていく上での組織の目的及び選択が明確に述べられた,当局によって承認された表明。
mission
2.29
目標
組織の目的の達成に寄与するためになされる個々の活動が達成すべき,具体的なターゲット。
objective
2.30
パフォーマンス
図書館が提供するサービスの有効性,並びにサービスを提供するための資源の配分及び利用における効率性。
performance
2.31
パフォーマンス指標
図書館のパフォーマンスを特徴付けるために用いられる(図書館の統計及びデータから導かれた)数値,記号又は言葉による表現。
performance indicator
2.32
サービス対象者●サービス対象者数
図書館がサービス及び資料を提供する対象となる人数。注記 サービス対象者数は,公共図書館の場合は,通常,法定サービス区域内(自治体)の人口に相当し,高等教育機関の図書館の場合は,通常,教職員及び学生の総数に相当する。
population to be served
2.33
品質
本来備わっている特性の集まりが,要求事項を満たす程度。
注記1 用語“品質”は,悪い,良い,優れたなどの形容詞とともに使われることがある。
注記2 “本来備わっている”とは,“付与された”とは異なり,そのものが存在している限り,もっている特性を意味する。
(JIS Q 9000:2006の3.1.1)
quality
2.34
ダウンロードされたレコード
要求に応じて,データベース又はオンライン目録から取り出された記述レコード。(JIS X 0814の3.3.19)
record downloaded
2.35
運営経費
職員,並びに経常的に利用及び補充される資源に対する費用。主要な資産にかかる経費,建物の新築又は増改築,コンピュータ設備などの資本支出は除く。注記 運営経費の計算方法は,機関,財政当局及び国によって異なるため,その方法を一つに規定することはできない。したがって,この尺度を適用する状況における通例に従って計算しなければならない。このことは,同じ方法で計算される場合にだけ,それらの比較が妥当なことを意味する。運営経費は,通常,次のものを含む。給料及び賃金(職員手当て,社会保険料などを含む。),コレクション構築のための資料購入費,管理費,建物・コレクションなどの維持費,建物・機器の賃借料又は減価償却費,その他の運営費用(例 暖房,照明,電気など)。指標を国際比較に用いる場合を除き,通常,付加価値税,消費税・サービス税,又はその他の地方税を含める。
operating expenditure●ordinary expenditure
2.36
登録利用者
図書館内又は館外において図書館のコレクション及び/又はサービスを利用するため,図書館に登録した個人又は団体。
注記 利用者の申請によって登録することもできるし,機関への入会と同時に自動的に登録することもできる。
(JIS X 0814の3.3.20)
registered user
2.37
不受理セッション
同時接続可能な利用者数の上限を超えたため,データベース又はオンライン目録への接続に成功しなかった要求。
注記 間違ったパスワードによる要求の失敗は除く。
(JIS X 0814の3.2.21)
rejected session●turnaway
2.38
信頼性
ある尺度が,繰り返し一貫して同じ結果を示す程度。
reliability
2.39
セッション
データベース又はオンライン目録への接続に成功した要求。
注記1 セッションとは,データベース又はオンライン目録に接続したときからそれが終了するまでの,一連の利用者の活動をいう。接続の終了には,ログアウト又はエグジット(退去)によつて明示的に接続を終了させる場合と,タイムアウトのように利用者の行為によらずに切断される場合とがある。平均的なタイムアウトにかかる時間は30分であり,その他の時間枠が設定されている場合は,報告する必要がある。
注記2 図書館のウェブサイトのセッションは,仮想訪問として数える。
注記3 一般的な入口又はゲートウェイの各ページへの要求は除く必要がある。
注記4 可能であれば,検索エンジンによる要求は除く必要がある。
(JIS X 0814の3.3.25)
session
2.40
特別助成金
事業に対して資金の全額(又は一部)を提供する,一時的な性質の助成金。(JIS X 0814の3.5.4)
special grant
2.41
ターゲット集団
個々の図書館が,特定のサービスの対象又は特定の資料の主要な利用者として想定する,実際の利用者及び潜在的な利用者の集団。
target population
2.42
タイトル
資料を特定するため及びその資料を他の資料から識別するため,通常,資料の先頭部分に表示されている語句。
注記 測定という目的の点では,“タイトル”とは,識別タイトルをもつ独立した個別資料を構成する一点の資料を表現するものである(その一点の資料は,物理単位としては1冊であることも複数冊で出版されることもある。)。この場合,図書館が所蔵している,その資料の複本の数は考慮に入れない。
(JIS X 0701:2005の4.2.1.4.01)
title
2.43
利用者
図書館サービスの受け手。注記 受け手は,人でもよいし,図書館をはじめとする機関でもよい。
user
2.44
利用者教育
図書館及び他の情報サービスの利用に関し,具体的な学習成果を目的とした,指定の指導計画による教育プログラム。
注記1 利用者教育は,図書館見学ツアー,図書館における利用指導又はウェブ上のサービスによって提供できる。
注記2 指導の実施期間は関係しない。
(JIS X 0814の3.3.28)
user training
2.45
妥当性
あるパフォーマンス指標が,測定対象として意図しているものを,実際に測定している程度。
validity
2.46
仮想訪問
図書館の外からの,図書館のウェブサイトへの利用者によるアクセス。閲覧したページ数又は要素数は関係しない。
注記1 ウェブサイトヘの訪問者とは,図書館のウェブサイトのページにアクセスした,一意に識別されたウェブブラウザ プログラム又は特定されたIPアドレスのいずれかをいう。
注記2 ー般に,二つの連続する要求の間隔が,30分のタイムアウト時間より短い場合は,同じ仮想訪問に含める。間隔がこれより長い場合は,新たな訪問とする。
注記3 利用統計が他のサイトで報告されるサービスを提供するウェブサーバは,図書館のウェブサイトの統計から除く。
(JIS X 0814の3.3.29)
virtual visit
2.47
来館者
図書館の建物に入館した者。
注記 単純な集計値及びその割合を含む。
(JIS X 0814の3.3.30)
visit
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