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JIS X 3010:2003
プログラム言語C 2003改正●1996改正●1993制定

番号 用語 定義 対応英語
3.1 アクセス <実行時の動作>オブジェクトの値を読み取る,又は変更すること。
参考1.これらの二つの動作のうちのいずれか一方だけを意味する場合は,“読み取る”又は“変更する”という用語を使う。
参考2.“変更する”は,格納する新しい値が,格納前の値と同じである場合も含む。
参考3.評価されない式は,オブジェクトをアクセスしない。
access
3.2 境界調整 特定の型のオブジェクトを特定のバイトアドレスの倍数のアドレスをもつ記憶域境界に割り付ける要求。 alignment
3.3 実引数 関数呼出し式において,括弧で囲まれコンマで区切られた並びの中の式,又は関数形式マクロの呼出しにおいて,括弧で囲まれコンマで区切られた並びの中の前処理字句の列。 argument●actual argument●actual parameter(廃止予定)
3.4 動作 外から見る様子又は動作。(★「動作」が定義文中で使われている★) behavior
3.4.1 処理系定義の動作 未規定の動作のうち,各処理系が選択した動作を文書化するもの。例 処理系定義の動作の例としては,符号付き整数を右シフトした場合の最上位ビットの伝ぱ(播)法がある。 implementation-defined behavior
3.4.2 文化圏固有動作 国家,文化及び言語の地域規約に依存する動作であり,各処理系がその動作を文書化するもの。例 文化圏固有動作の例としては,islower関数が26種類のラテン小文字以外の文字に対し,真を返すかどうかがある。 locale-specific behavior
3.4.3 未定義の動作 可搬性がない若しくは正しくないプログラム構成要素を使用したときの動作,又は正しくないデータを使用したときの動作であり,この規格が何ら要求を課さないもの。
参考 未定義の動作に対して,その状況を無視して予測不可能な結果を返してもよい。翻訳時又はプログラム実行時に,文書化された,環境に特有な方法で処理してもよい(診断メッセージの発行を伴っても伴わなくてもよい。)。さらに(診断メッセージを出力し)翻訳又は実行を中断してもよい。
例 未定義の動作の例としては,整数演算のオーバフローに対する動作がある。
undefined behavior
3.4.4 未規定の動作 この規格が,二つ以上の可能性を提供し,個々の場合にどの可能性を選択するかに関して何ら要求を課さない動作。例 未規定の動作の例としては,関数の実引数の評価順序がある。 unspecified behavior
3.5 ビット 2種類の値のうちの一方を値としてもつオブジェクトを保持するために十分な大きさをもつ実行環境でのデータ記憶域の単位。
参考1.オブジェクトの個々のビットのアドレスを表現できる必要はない。
参考2.ビットがもちうる2種類の値のうち一方を0という。ビットの値を値0以外にすることを,この規格では,“ビットをセットする”という。
bit
3.6 バイト 実行環境の基本文字集合の任意の要素を保持するために十分な大ききをもつアドレス付け可能なデータ記憶域の単位。
参考1.オブジェクトの個々のバイトのアドレスは,一意に表現できる。
参考2.バイトは連続するビットの列から成る。1バイト中のビットの個数は,処理系定義である。最も重みの小さいビットを最下位ビット(low-order bit)と呼び,最も重みの大きいピットを最上位ビット(high-order bit)と呼ぶ。
byte
3.7 文字 <抽象的意味>データを構成する,制御する,又は表現するために使用する基本要素から成る集合の要素。 character
3.7.1 文字●1バイト文字 <プログラム言語Cでの意味>1バイトに納まるビット表現。 character●single-byte character
3.7.2 多バイト文字 ソース環境又は実行環境の拡張文字集合の要素を表す1バイト以上のバイトの列。参考 拡張文字集合は,基本文字集合を包含する。 multibyte character
3.7.3 ワイド文字 型wchar_tのオブジェクトに納まり,その時点のロケールでの任意の文字を表現できるビット表現。 wide character
3.8 制約 言語要素に関する規定を解釈するに当たっての構文上又は意味上の制限。 constraint
3.9 正しい丸めの結果 有効な丸めモードの下で得られる結果の形式の表現で,無制限の範囲及び精度を仮定して得られる結果に最も近いもの。 correctly rounded result
3.10 診断メッセージ 処理系が出力するメッセージのうち,処理系定義の部分集合に属するメッセージ。 diagnostic message
3.11 前方参照 その箇条に関連する付加情報を含むこの規格の前方の箇条への参照。 forward reference
3.12 処理系 特定の翻訳環境中において特定の制御オプションの下で走行し,特定の実行環境用にプログラムを翻訳し,その実行環境における関数の実行をサポートする特定のソフトウェア集合。 implementation
3.13 処理系限界 処理系がプログラムに課す制限。 implementation limit
3.14 オブジェクト その内容によって,値を表現することができる実行環境中の記憶域の部分。参考 オブジェクトを参照する場合,オブジェクトは,特定の型をもっていると解釈してもよい(6.3.2.1参照)。 object
3.15 仮引致 関数宣言若しくは関数定義の一部として宣言され,関数に入る時点で値を得るオブジェクト,又は関数形式マクロ定義におけるマクロ名の直後の括弧で囲まれコンマで区切られた並びに現れる識別子。 parameter●formal parameter●formal argument(廃止予定)
3.16 推奨実装仕様 この規格の趣旨に沿うために強く推奨する規定。しかし,処理系によっては非現実的な場合もある。 recommended practice
3.17 オブジェクトが特定の型をもっていると解釈する場合のオブジェクトの内容の厳密な意味。 value
3.17.1 処理系定義の値 未規定の値のうち,各処理系が選択した値を文書化するもの。 implementation-defined value
3.17.2 不定の値 未規定の値又はトラップ表現。 indeterminate value
3.17.3 未規定の値 適切な型の正しい値であり,この規格が,個々の場合にどの値を選択するかに対して何ら要求を課さないもの。参考 未規定の値は,トラップ表現となることはない。 unspecified value
3.18 ┌x┐ xの切上げ,すなわち,x以上の最小の整数。例 ┌2.4┐は,3。┌-2.4┐は,-2。
3.19 └x┘ xの切下げ,すなわち,x以下の最大の整数。例 └2.4┘は,2。└-2.4┘は,-3。

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