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JIS X 3014:2003
プログラム言語C++ 2003制定

番号 用語 定義 対応英語
1.3.1 実引数 関数呼出し式の括弧の中にコンマで区切られて並んだ式,関数形マクロ呼出しの括弧の中にコンマで区切られて並んだ前処理字句の列,throwの演算対象,又はテンプレート具現化の三角括弧の中にコンマで区切られて並んだ型識別子若しくはテンプレート名。 argument
1.3.2 診断情報 処理系が出力する処理系定義の出力情報の一つ。 diagnostic message
1.3.3 動的な型 左辺値式の表す左辺値が指す最派生オブジェクト(1.8)の型。例 その静的な型が“クラスBへのポインタ”であるポインタ(8.3.1)pが,クラスBから派生した(10.)クラスDのオブジェクトを指していたとすると,式*pの動的な型は,“D”となる。参照(8.3.2)も,同様に扱う。右辺値式の動的な型は,それの静的な型とする。 dynamic type
1.3.4 不適格プログラム 適格プログラム(1.3.14)でないC++処理系への入力。 ill-formed program
1.3.5 処理系定義の動作 適格プログラムの構文単位と正しいデータとの組合せに対する,処理系に依存した動作であって,それぞれの処理系が文書で説明を用意しておかなければならない動作。 implementation-dependent behavior
1.3.6 処理系限界 処理系がプログラムに課している制限。 implementation limit
1.3.7 文化圏固有動作 国,文化,言語などに依存した動作であって,それぞれの処理系が文書で説明を用意しておかなければならない動作。 locale-specific behavior
1.3.8 多バイト文字 翻訳環境又は実行環境での拡張文字集合の要素を表した1バイト以上のバイト列。拡張文字集合は,基本文字集合をその部分集合としている(2.3参照)。 multi-byte character
1.3.9 仮引致 次のいずれかとする。
− 関数宣言若しくは関数定義の中,又は例外処理部のcatch節の中で宣言され,その関数又は例外処理部が起動する際に値を受け取るオブジェクト又は参照
− 関数形式マクロの定義の中で,そのマクロ名に続く括弧の中にコンマで区切られて並んでいる識別子
− テンプレート仮引数
parameter
1.3.10 呼出し情報 関数について,その多重定義解決(13.3)に用いる情報。基本的には,その関数の仮引数の型の列。関数がクラスのメンバである場合は,関数自身のcv修飾子及びそれを宣言しているクラスも含める(2)。関数テンプレートの特殊化に対する呼出し情報では,テンプレート実引数の型も含める(14.5.5.1参照)。
注(2) 関数の呼出し情報には,返却値の型が含まれていない。多重定義の解決には,返却値の型が関与しないからである。
signature
1.3.11 静的な型 式(3.9)の型。その式がもたらす結果の型として,実行時の意味を考慮せずにプログラムを解析することで得られる。式の静的な型は,その式が位置するプログラムの形だけから決まり,プログラムの実行中に変わることがない。 static type
1.3.12 未定義の動作 間違いを含んだプログラム,間違ったデータなどに対して生じうる動作であって,この規格で要件を規定しない動作。この規格で動作を明示的に与えていない場合も,未定義の動作とする。
参考 未定義の動作としては,次のものがありうる。
− その状況を完全に無視し,何が起きるかわからない。
− 翻訳段階又はプログラムの実行段階で,その環境に沿っての動作をする(診断情報を出してもよいし,出さなくてもよい。)。ただし,その動作の様子については,文書を用意して説明しておく。
− 翻訳又は実行を終了する(診断情報を出力する。)。
間違いを含んだプログラムの多くは,未定義の動作を引き起こすことがない。それらに対しては,診断を下すことを要求している。
undefined behavior
1.3.13 未規定の動作 適格プログラムと正しいデータとの組合せに対する動作であって,処理系に依存する動作。処理系は,どんな動作が生じるかについて文書を用意する必要はない。参考 多くの場合,どんな動作が生じうるかについて,この規格の中で示唆する。 unspecified behavior
1.3.14 適格プログラム 構文規則,診断対象の意味規則及び単一定義規則(3.2参照)に従ったC++プログラム。 well-formed program

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