一覧に戻る
このページの最下段に移る
JIS X 3016:2010
共通言語基盤(CLI)
2010改正●2006制定
番号
用語
定義
対応英語
5.1
ANSI文字
実装定義による8ビットの文字集合の文字であり,その最初の128個の符号位置は,JIS X 0221に正確に対応する文字。
ANSI character
5.2
ANSI文字列
ANSI文字からなる文字列であり,最後の文字は,すべてのビットが0である値をもつ文字列。
ANSI string
5.3
アセンブリ
1単位機能を実装するロード可能なコードモジュール及び他の資源によって構成された集合。
assembly
5.4
属性
記述的情報を含む型及び/又は型のメンバの特徴。注記 最も典型的な属性は,あらかじめ定義されていて,それに関連付けられたメタデータの中に,特定の符号化されたものとして含まれるが,利用者定義の属性をメタデータへ追加することもできる。
attribute
5.5
実装固有の動作
それぞれの実装が行った選択を文書として明記する必要がある未規定の動作。
implementation-specific behavior
5.6
未規定の動作
適格なプログラム構築要素及び正しいデータに対する動作であって,振る舞いが実装に依存する動作。注記 その実装は,どんな動作が起こるかを文書として明記する必要はない。
unspecified behavior
5.7
未定義の動作
不正なプログラム構築要素又は不正なデータを使用したために起こり得る動作であり,この規格では要件を定めない動作。注記 未定義の動作は,この規格が明確な動作の定義を省略した場合にも起こり得る。
undefined behavior
5.8
ボックス化
値型の値を,参照型であるSystem.Objectの新しく割り付けられたインスタンスへ変換すること。
boxing
5.9
共通中間言語
VESによって理解される命令セット。
Common Intermediate Language●CIL
5.10
共通言語基盤
実行可能コードの形式及びそのコードを実行できる実行時環境のための規定。
Common Language Infrastructure●CLI
5.11
共通言語仕様
言語設計者とフレームワーク(クラスライブラリ)設計者との間の合意事項。注記 CTSの部分集合及び使用規約を規定する。
Common Language Specification●CLS
5.12
共通型システム
コンパイラ,ツール及びCLI自体によって共有される単一の型システム。注記 型を宣言し,使用し,管理する場合に,CLIが従う規則を定義するモデルとする。CTSは,プログラム言語をまたぐ統合,型安全及び高い性能のコード実行を可能にするフレームワークを確立する。
Common Type System●CTS
5.13
委譲
参照型であり,そのインスタンスは呼出し並びの中に一つ以上のメソッドをカプセル化することができるもの。注記 委譲インスタンスと適切な引数の集合とが与えられた場合,その引数の集合を用いて,委譲の呼出し並びの中のすべてのメソッドを呼び出すことができる。
delegate
5.14
イベント
オブジェクト又はクラスによる通知の提供を可能にするメンバ。
event
5.15
実行エンジン
仮想実行システムを参照。
Execution Engine
5.16
フィールド
プログラムのデータを格納する,型付けされたメモリの位置を指し示すメンバ。
field
5.17
ガーベジコレクション
管理下データのためのメモリが,割り付けられ解放される処理。
garbage collection
5.18
総称実引数
特定の総称型又は総称メソッドをインスタンス化するために使用される実際の型。注記 例えば,List<string>の場合のstringは,総称型の定義List<T>の総称仮引数Tに対応する総称実引数である。
generic argument
5.19
総称仮引故
総称型又は総称メソッドの定義において,総称実引数のための場所取りとして動作する仮引数。注記 例えば,総称型の定義List<T>におけるTは,総称仮引数である。
generic parameter
5.20
総称性
一つ以上の総称仮引数による引数化された型及びメソッドの定義を可能にする機能。
generics
5.21
ライブラリ
型の集合を一つ以上のアセンブリに区分けして貯蔵したもの。注記 ライブラリは,他のライブラリで定義した型に関する更新を含むこともできる。例えば,ライブラリは,他のライブラリに定義された型に関する,追加のメソッドやインタフェース,例外を含むことができる。
library
5.22
管理下コード
CLIが主要なサービスの集合を提供することを可能にする十分な情報を含むコード。注記 例えば,コードの中のメソッドを指し示すアドレスが与えられると,メソッドを説明するメタデータをCLIは特定できなければならない。また,CLIは,スタックをたどり,例外に対処し,セキュリティ情報を取り出すことができなければならない。
managed code
5.23
管理下データ
管理下データは,ガーベジコレクションと呼ばれる処理を通じて,CLIによって自動で割り付けられ解放されるデータ。
managed data
5.24
目録
あるアセンブリの一部であって,そのアセンブリに関する次の情報を指定するもの。
− その版,名前,文化圏,及びセキュリティの要件
− もしあれば,そのアセンブリに属する別のファイル,及びそれぞれのファイルの暗号化ハッシュ
− アセンブリの中の他のファイルに定義された型で,そのアセンブリから移出されるもの
− 省略可能なものとして,目録自身のデジタル署名,及びそれを計算するために使用される公開かぎ(鍵)
manifest
5.25
メンバ
型のフィールド,配列要素,メソッド,特性,及びイベントのいずれか。
member
5.26
メタデータ
CTS(共通型システム)によって定義された型について記述参照するデータ。注記 メタデータは,特定のプログラム言語に依存しない方法で格納され,“永続化”される。したがって,メタデータは,ツールと仮想実行システムとの間だけでなくプログラムを操作するツール(コンパイラ,デバッガなど)の間においても,共通の交換機構を提供する。
metadata
5.27
メソッド
正確な型の値に基づいて行うことができる操作を記述するメンバ。
method
5.28
総称メソッド
型の中で定義され,型自身には現れない一つ以上の型仮引数をその識別情報にもつメソッド(静的メソッド,インスタンスメソッド,又は仮想メソッドであってもかまわない。)。注記 取り囲む型は,総称又は総称でない場合がある。例えば,総称型List<T>の中で,総称メソッドConbertTo<S>()は総称である。(★「Convert」では?★)
generic method
5.29
総称でないメソッド
総称メソッドではないメソッド。
non-generic method
5.30
モジュール
VESによって実行される単一ファイル。
module
5.31
オブジェクト
参照型のインスタンス。注記 オブジェクトは,値よりも多くをもつ。オブジェクトは,それ自体,型付けされている。すなわち,その型は,明示的にその表現の中に含まれている。オブジェクトは,それを他のすべてのオブジェクトと識別する同一性(識別性)をもち,(オブジェクト又は値のいずれかであってよい)他の実体を格納するスロットをもつ。そのスロットの内容は変化してもよいが,オブジェクトの同一性は決して変化しない。
object
5.32
プロファイル
一定の水準の機能を提供する統一体となるようにひとまとめにされた,ライブラリの集合。
profile
5.33
特性
名前付きの値と,その値にアクセスする複数のメソッドとを定義したメンバ。注記 特性は,その値にアクセスする契約を定義する。よって,特性の定義は,存在するアクセスメソッド及びそれぞれのメソッドの契約を指定する。
property
5.34
識別情報
検査可能であって自動的に強制実行可能な契約の一部。注記 識別情報は,型及び他の識別情報に制約を加えて作られる。この制約は,値又は格納域の,使用方法に関する制限又は許される操作に関する制限とする。
signature
5.35
総称型
一つ以上の他の型によって,その定義が引数化された型。例えば,Tが総称仮引数であるList<T>。注記 CLIは,総称型のインスタンスの生成と使用を提供する。例えば,List<int32>又はList<string>。
generic type
5.36
参照型
そのインスタンスがデータの参照を含む型。
reference type
5.37
値型
そのインスタンスがそのデータ全体を直接的に含む型。
value type
5.38
ボックス化解除
実行時型が値型であるSystem.Object型の値を値型インスタンスに変換する操作。
unboxing
5.39
管理外コード
管理下にないコード。
unmanaged code
5.40
管理外データ
管理下にないデータ。
unmanaged data
5.41
値
整数又は浮動小数点数のような簡単なビットパターン。注記 各値は,それが占める領域を記述するための型及びそのビット表現での意味をもち,また,その表現において行うことができる操作ももつ。値は,各プログラム言語での単純な値及びオブジェクトでないデータを表すことを意図している。
value
5.42
正当性検証
CILコード列がプログラムの論理アドレス空間の外側のメモリへのアクセスを与えないことを保証するための,CIL及びその関連メタデータの両方に対する検査。注記 妥当性検証とともに,正当性検証は,プログラムがアクセスを許可されていないメモリ及びその他のリソースにアクセスできないことを保証する。
verification
5.43
仮想実行システム
CTSのモデルを実装し,実行するシステム。注記 VESは,CLI向けに書かれたプログラムを読み込み,実行する責任をもつ。VESは,個別に作成されたモジュールを実行時に一つにつなぐためのメタデータを用いて,管理下コード及び管理下データを実行する上で必要なサービスを提供する。VESは,実行エンジンとしても知られている。
Virtual Execution System●VES
一覧に戻る
このページのトップに戻る