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JIS X 3030:1994
移植可能なオペレーティングシステムのインタフェース(POSIX) 第1部 応用プログラム向けのインタフェース(API)[プログラム言語C] 1994制定

番号 用語 定義 対応英語
2.2.1.1 適合性文書 1.3.1.2の規定に従い,実装の詳細を記述した文書。この文書は,実装者が用意する。 conformance document
2.2.1.2 実装者定義●実装者定義の 正しいプログラム・データの値又は動作に関する要求事項を,実装者が,定義し文書にしなければならないことを示す。 implementation defined
2.2.1.3 〜してもよい●〜してよい 任意機能を示す。実装者の観点からは,〜してもよいは,この規格では必す(須)でないが,実装者が提供してもよい任意機能を意味する。この規格に厳密に適合する応用プログラムの観点からは,〜してもよいは,用いてはならない任意機能を意味する。 may
2.2.1.4 廃止予定●廃止予定機能 この規格を改正するとき,削除の対象になる可能性がある機能を示す。この規格が廃止予定機能を残した理由は,それらの機能が現在広く用いられているからであり,新しい応用プログラムは,廃止予定機能を用いないことが望ましい。 obsolescent
2.2.1.5 〜しなければならない 文脈に応じて,実装に関する要求事項又はこの規格に厳密に適合する応用プログラムに関する要求事項を示す。 shall
2.2.1.6 〜するのがよい●〜することが望ましい (1)実装の観点からは,要求事項ではなく推奨であることを示す。(2)応用プログラムの観点からは,プログラムの方法に関する推奨及びこの規格に厳密に適合する応用プログラムへの要求事項を示す。 should
2.2.1.7 採用する●採用しない 選択機能の有無を示す。実装者は,この規格が選択機能と規定する機能にも,常にインターフェースを提供しなければならない。実装がある選択機能を採用する場合,インタフェースは,この規格の規定通りに動作する(その機能を採用しないことを示す誤り状態を返さないという点を除く)。選択機能を採用しない場合,インタフェースは,常に規定に従い機能を採用しないことを示す誤り表示を返さなければならない。 supported●not supported
2.2.1.8 システム文書 実装に付随する文書のうち適合性文書を除いたもの。電子媒体で配布される実装に関する文書を含む。 system documentation
2.2.1.9 未定義 応用プログラムが不定の値を用いるとき,又は応用フログラムのデータ若しくは構造が誤っているとき,どのような動作又は値をとらなければならないかについてこの規格が移植性に関する要求事項を規定しないことを示す。実装者(又は他の規格)は,未定義の動作の結果を規定してもよい。そのような動作を利用する応用プログラムは,拡張機能を用いたこの規格に適合する応用プログラムとする(1.3.2.3参照)。 undefined
2.2.1.10 未規定 応用プログラムのデータ又は構造が正しいとき,どのような動作又は値をとらなければならないかについてこの規格が移植性に関する要求事項を規定しないことを示す。実装者(又は他の規格)は,未規定の動作の結果を規定してもよい。そのような動作を利用する応用プログラムは,拡張機能を用いたこの規格に適合する応用プログラムとする(1.3.2.3参照)。 unspecified
2.2.2.1 絶対パス名 (2.3.6パス名の解釈参照)。 absolute pathname
2.2.2.2 アクセスモード システムが許すファイルへのアクセスの方法。 access mode
2.2.2.3 アドレス空間 プロセスが参照できるメモリの中の場所。 address space
2.2.2.4 適切な権限 特権を必要とするとこの規格が規定する関数呼出し及び関数呼出しの選択機能のために,プロセスに特権を付与する実装者定義の手段。この手段はなくてもよく,1個以上存在してもよい。 appropriate priviledges
2.2.2.5 裏プロセス 裏プロセスグループに属するプロセス。 background process
2.2.2.6 裏プロセスグループ 制御端末と接続を確立したセションに属するプロセスグループのうち,表プロセスグループを除いたもの。 background process group
2.2.2.8 ブロック型特殊ファイル 装置を参照するファイル。文字型特殊ファイルと異なり,通常,装置のハードウェア属性を意識しないで装置にアクセスするための手段を提供する。 block special file
2.2.2.8 文字 一つの図形文字を表現する一つ以上のバイトの列。(参)この用語は,プログラム言語C規格の多バイト文字に対応する。単バイト文字は,多バイト文字の特殊な場合とする。プログラム言語C規格と異なり,文字は,記憶域と関係をもたない。この規格がバイトという用語を用いるのは,記憶域に関して規定するときに限る。 character
2.2.2.9 文字型特殊ファイル 装置を参照するファイルの一つ。端末装置ファイルは,文字型特殊ファイルの一つの特別な型とする。端末装置ファイルへのアクセスは,7.1一般端末インターフェースで規定する。他の文字型特殊ファイルの構造は,この規格では規定しない。それらの使用に関する事項は,この規格では未規定とする。 character special file
2.2.2.10 子プロセス (2.2.2.62プロセス参照) child process
2.2.2.11 時間刻み ある時間間隔。1秒は,1以上の時間刻みからなる。clock t型の値を表すために用いてもよい単位の一つとする。 clock tick
2.2.2.12 制御プロセス 制御端末との接続を確立したセションリーダ。制御端末があるセションの制御端末でなくなるとき,そのセションのセションリーダは,制御プロセスでなくならなければならない。 controlling process
2.2.2.13 制御端末 セションと対応する端末。各セションと対応する制御端末の数は,1又は0とする。しかし,一つの制御端末は,つねに一つのセションに対応する。制御端末から特定の入力があるとき,システムは,制御端末と結び付けられたプロセスグループに属するすべてのプロセスにシグナルを送る(7.1一般端末インタフェース参照)。 controlling terminal
2.2.2.14 現行の作業ディレクトリ (2.2.2.89作業ディレクトリ参照) current working directory
2.2.2.15 装置 コンピュータの周辺装置又は応用プログラムからは周辺装置のように見えるもの。 device
2.2.2.16 ディレクトリ ディレクトリエントリを含むファイル。一つのディレクトリの中に,同じ名前をもつディレクトリエントリが複数存在してはならない。 directory
2.2.2.17 ディレクトリエントリ●リンク ファイルとファイル名を対応付けるもの。複数のディレクトリエントリは,一つのファイルに複数の名前を対応付けることができる。 directory entry●link
2.2.2.18 ドット 1個のドット文字(.)だけからなるファイル名(2.3.6パス名の解釈参照)。 dot
2.2.2.19 ドットドット 2個のどっと文字(..)だけからなるファイル名(2.3.6パス名の解釈参照)。 dot-dot
2.2.2.20 実効グループID ファイルアクセスなどの許可を決定するためにシステムが用いるプロセスの属性(2.3.2及び2.2.2.42参照)。この値は,プロセスの生存期間中に変化することがある(3.1.2及び4.2.2参照)。 effective group ID
2.2.2.21 実効利用者ID ファイルアクセスなどの許可を決定するためにシステムが用いるプロセスの属性(2.2.2.87利用者ID参照)。この値は,プロセスの生存期間中に変化することがある(3.1.2及び4.2.2参照)。 effective user ID
2.2.2.22 空のディレクトリ ドット及びドットドット以外のディレクトリエントリを含まないディレクトリ。 empty directory
2.2.2.23 空の文字列 最初の要素がナル文字である文字配列。 empty string (null string)
2.2.2.24 基準時点 協定世界時(UTC)の1970年1月1日0時0分0秒(2.2.2.77基準時点からの通算秒参照)。 Epoch
2.2.2.25 機能試験マクロ #define指令が定義する記号のうち,特定の機能の集合をヘッダから取り組むかどうか判断するために用いるもの(2.7.1参照)。 feature test macro
2.2.2.26 FIFO特殊ファイル ファイルの型の一つ。データの読取りの順序が書込みの順序と同じという特性をもつ。FIFO特殊ファイルの他の特性は,5.3.1,6.4.1,6.4.2及び6.5.3で規定する。 FIFO special file●FIFO
2.2.2.27 ファイル 書込み,読取り及びその両方が可能なもの。ファイルは,アクセス許可及び型を含む幾つかの属性をもつ。ファイルの型には,通常ファイル,文字型特殊ファイル,ブロック型特殊ファイル,FIFO特殊ファイル及びディレクトリがある。実装は,他の型のファイルを定義してもよい。 file
2.2.2.28 ファイル記述 (2.2.2.51オープンファイル記述参照)。 file description
2.2.2.29 ファイル記述子 プロセスごとに一意な負でない整数。ファイルをアクセスするとき,オープンしたファイルを識別するために用いる。 file descriptor
2.2.2.30 ファイルグループクラス ファイルの属性。プロセスのグループIDに関するアクセス許可を示す。ファイル所有者クラスに属さないプロセスのうち,実効グループID又は補助グループIDの一つがファイルのグループIDと一致するものは,そのファイルのファイルグループクラスに属する。実装は,他の実装者定義のメンバをファイルグループクラスに加えてもよい。 file group class
2.2.2.31 ファイルモード ファイル許可ビット及びファイルの他の特性を含むデータ(5.6.1参照)。 file mode
2.2.2.32 ファイル名 ファイルの命名に用いる1〜{NAME_MAX}バイトからなる名前。名前を構成する文字には,フラッシュ文字及びナル文字以外のすべての文字値を用いてよい。ドット及びドットドットは,特別な意味をもつ。ファイル名を,パス名の構成要素と呼ぶこともある(2.3.6パス名の解釈参照)。 filename
2.2.2.33 ファイルオフセット 次の入出力捜査の対象となるファイル内のバイト位置。通常ファイル,ブロック型特殊ファイル又はディレクトリに対応する各オープンファイル記述は,ファイルオフセットをもつ。端末装置を参照しない文字型特殊ファイルは,ファイルオフセットをもってもよい。パイプ及びFIFO特殊ファイルは,ファイルオフセットをもたない。 file offset
2.2.2.34 ファイル他者クラス ファイルの属性。プロセスの所有者ID及びグループIDに関するアクセス許可を示す。ファイル利用者クラス及びファイルグループクラスのどちらにも属さないプロセスは,ファイル他者クラスに属する。 file other class
2.2.2.35 ファイル所有者クラス ファイルの属性。プロセスの利用者IDに関するアクセス許可を示す。実効利用者IDがファイルの利用者IDと一致するプロセスは,そのファイルのファイル所有者クラスに属する。 file owner class
2.2.2.36 ファイル許可ビット ファイルに関する情報。他の情報と組み合わせて,プロセスに,あるファイルに対して,読取り,書込み又は実行・探索許可を与えるかどうかを判断するために用いる。ビットは,利用者・グループ・他者の三つの部分に分かれる。各部分は,対応するプロセスのファイルクラスとともに用いる。これらのビットは,ファイルモードの一部になる(5.6.1参照)。ファイルにアクセスできるかどうかを決める場合のファイル許可ビットの使用方法は,2.3.2ファイルアクセス許可で規定する。 file permission bits
2.2.2.37 ファイル通し番号 ファイルシステムごとに一意なファイルの識別子。ファイル通し番号は,一つのファイルシステム全体で一意とする。 file serial number
2.2.2.38 ファイルシステム ファイル及びファイルの属性の集合。ファイルシステムは,ファイルシステム中のファイルのファイル通し番号に,名前空間を提供する。 file system
2.2.2.39 表プロセス 表プロセスグループに属するプロセス。 foreground process
2.2.2.40 表プロセスグループ 制御端末へのアクセスに関して,ある特権をもつプロセスが属するプロセスグループ。裏プロセスグループに属するプロセスは,この特権をもたない。制御端末との接続を確立したセションの中に,制御端末の表プロセスグループは,常に一つだけ存在する。 foreground process group
2.2.2.41 表プロセスグループID 表プロセスグループのプロセスグループID。 foreground process group ID
2.2.2.42 グループID gid__t型で表現可能な負でない整数。システムの利用者のグループを識別するために用いる。システムの利用者は,少なくとも一つのグループに属する。プロセスのグループIDには,実グループID・実効グループID・(選択機能の)補助グループIDの一つ・(選択機能の)退避グループIDがある。 group ID
2.2.2.43 ジョブ制御 利用者が選択したプロセスの実行を停止(中断)すること,及び停止(中断)したプロセスを後に選択して続行(再開)することを可能にする機能。利用者は,典型的には,端末入出力ドライバ及びコマンドインタプリタが提供する対話型のインタフェースを通じてこの機能を利用する。適合する実装は,ジョブ制御機能選択機能を採用してもよい。{_POSIX_JOB_CONTROL}という記号は,コンパイル時又は実行時に,応用プログラムにこの選択機能の有無を示す(2.9参照)。 job control
2.2.2.44 リンク ディレクトリエントリと同じ(2.2.2.17ディレクトリエントリ参照)。 link
2.2.2.45 リンク数 ファイルを