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JIS X 4051:2004
日本語文書の組版方法 2004改正●1993制定

番号 用語 定義 対応英語
1) 合印 注と本文文字列などの該当項目とを対応させるために該当項目につける文字列。
2) 空き量 字間の値,行頭から行の先頭の文字までの間隔の値,行の最後尾の文字から行末までの間隔の値,仕上がり用紙サイズと版面の端との間隔の値,版面の端と柱・ノンブルの文字の外枠との間隔の値,隣りあう文字の外枠における行送り方向の間隔の値,文字の外枠と版面の端との行送り方向の間隔の値,文字の外枠とけい線の中心までの間隔の値又は文字の外枠とブロック類の端との間隔の値。
3) 追込み 禁則処理の一つの方法であって,字間を詰めて行中の文字数を多くすること。
4) 追出し 禁則処理の一つの方法であって,字間を広げて行中の文字数を少なくすること。
5) 欧文 欧文用文字及び欧文間隔で構成される文章であって,横書きとし,欧文ピッチ処理の対象となるもの。
6) 欧文間隔 欧文の単語間の空きを表現する文字。
7) 欧文用文字 欧文を書き表すときに主な構成要素となる表音文字(欧字),数字及び記号(コンマ,ピリオド,コロン,セミコロンなど)。縦書きで用いる全角の欧字は,和字として扱う。
8) 送り仮名(漢文の) 漢文を訓読する場合に,漢字の読み方を示すために漢字に添える仮名。添え仮名,捨て仮名ともいう。通常,片仮名を用いる。ただし,送り仮名及び読み仮名の区別は指定による。
9) 親文字 ルビ,添え字又は圏点がつけられたとき,その対象となる文字。
10) 親文字群 親文字及びそれに付随するルビ,添え字又は圏点を含めた文字群。
11) 親文字列長 親文字列を指定の文字サイズで,表5(48ページ)の空き量を挿入する以外はベタ組で配置したときの,親文字列の先頭から最後尾までの長さ(図1参照)。
図1
図1 親文字列長とルビ文字列長
12) 終わり括弧類 文章の中で,ある部分を囲んで他との区別を明らかにするための記号のうち,区切りの終わりを表すもの並びに文章の中の切れ目を表すコンマ“,”及び読点“、”[表4(47ページ)参照]。
例 横書きにおける終わり括弧類 、,’”)〕]}〉》」』】
参考 縦書きではコンマを使用せず,読点“、”を使用する[119)の例参照]。また,コンマ及び読点は,組版処理の上で終わり小括弧と同じ処理を行うので,終わり括弧類としてまとめて扱うこととした。(なお,漢文では,読点を括弧類とは扱いを変えているため,終わり括弧類から読点を除外した括弧類を“終わり括弧”として扱うこととした。
13) 改行 行を改めて,新しく組み始めること。
14) 改丁 見出しなどを,次の紙葉の表面(おもてめん)から新しく組み始めること。ノンブルは,奇数となる。縦書きの場合は左ページおこし,横書きの場合は右ページおこしが改丁となる。
15) 改丁・改ページ等 左・右ページにかかわらず改ページ,左ページおこし又は右ページおこしのいずれかによる場合の総称。
16) 囲み文字 1文字の字面の内側に,別の文字列を配置し合成した文字。
17) 括弧類 始め括弧類及び終わり括弧類。
18) かべ 多段組において,文章の行の流れを折り返すことになる段抜きの別行見出し。
19) 漢文二分アキ組●漢文二分アキ組 漢文において,漢字の基本的な字間を二分アキとして文字を配置すること。
20) 漢文の漢字 漢文における訓点を除く漢字。
21) 漢文ベタ組 漢文において,基本的に漢字の字間を空けずに文字を配置すること。
22) 基底文字 結合文字に先行する非結合文字。
23) 基本版面●基本版面 本の基本として設計される版面体裁。相方向,段数,文字サイズ,字詰め数,行数,行間及び段間で指定する。
24) 脚注 基本版面が横書きの場合において,組版対象領域の下端に配置する注。
25) 行間 隣接する行の最も大きな文字サイズの文字の外枠間の距離。通常,行間は,行の幅の1/2倍〜1倍となる(図2参照)。
図2
図2 行間
26) 行長 行頭から分割可能点までの長さ(図3参照)。
図3
図3 指定行長と行長
27) 行頭 一つの行の始まる位置(図4参照)。
図4
図4 行頭・行末の位置
28) 行頭禁則処理 禁則条件上行頭に位置してはならない文字(行頭禁則文字)が,行頭にこないように追込み又は追出しをすること。
29) 行頭禁則和字 行頭禁則処理の対象になる和字(表4参照)。例 横書きにおける行頭禁則和字 ヽヾゝゞ々―ぁぃぅぇぉっゃゅょゎァィゥェォッャュョヮヵヶ
30) 行頭そろえ 文字列の最初の文字を行頭の位置に合わせること。
31) 行末 一つの行の終わる位置(図4参照)。
32) 行末禁則処理 禁則条件上,行末に位置してはならない文字(行末禁則文字)が,行末にこないように追込み又は追出しをすること。
33) 行末そろえ 文字列の最後の文字を行末の位置に合わせること。
34) 禁則条件 禁則文字が行頭若しくは行末に位置してはならないこと,又は禁則文字の組を分割してはならないことの条件。
35) 禁則処理 禁則条件を満足するように文字の配置を決めること。
36) 禁則文字 行頭若しくは行末に位置してはならない文字,又は分割してはならない文字の組を構成する文字。
37) 均等割り 字間を均等に空け,文字列の両端を行頭と行末にそろえること。
38) キャプション 図・写真等又は表につける標題又は簡単な説明。
39) 区切り約物 文章・語句の区切りに用いる約物で,行頭禁則処理の対象となる約物(表4参照)。例 ?!
40) 句点類 文又は文章の終わりを示すもの(表4参照)。
例 横書きにおける句点類 。.
参考 縦書きではピリオドを使用せず,句点“。”を使用する[119)の例参照]。
41) 組版対象領域 1段組の版面及び多段組の1段の領域の総称。
42) グループルビ 2文字以上の親文字列全体にまとめてつけたルビ。
43) 訓点 漢文を訓読するために施した句点,読点,中点,括弧,返り点,送り仮名,読み仮名及びたて(竪)点の総称。
44) けい(罫)線 複数の項目を二次元的に区切るために用いるもの。横けい及び縦けいがある。けい線は,実線や破線などのけい線種,けい線の太さ,可視,不可視などのけい線属性をもつ。実線の主なけい線には,細い順に並べると,表(おもて)けい,中細(ちゅうぼそ)けい及び裏(うら)けいがある。
備考 けい線は,けい線の太さの中心までの距離を指定された空き量としてけい線を配置する。
参考 表けい,中細けい及び裏けいの太さ
 − 表けい 012 mm
 − 中細けい 0.25 mm
 − 裏けい 0.4 mm
45) 結合文字 基底文字の直後に続き,基底文字と組合わせること又はすでに合成した合成列と組合わせることを意図した図形文字。
46) 圏点 文字のそばにつけて注意を促したり,その部分を強調したりするしるし。例 圏点
47) 合成列(結合文字の) 基底文字とそれに続く一つ以上の結合文字とからなる図形文字の列。
48) 後注 大見出し,中見出し若しくは小見出しでくくられた内容の最後,段落の後,又は本文の最後にまとめて配置する注。
49) 小口 のどに対向する方向。参考 小口は,本の中身の背以外の三方にある断面のことを意味する場合があり,この場合は,のどの反対側を他と区別して前小口と呼ぶ。しかし,通常は前小口を小口と呼ぶことが多い。
50) こま(小間) 隣り合う2本の横けいと隣り合う2本の縦けいに囲まれた領域からこま余白部分を除いた領域。隣接する複数のこまを合成して一つのこまとして用いることもある。
51) こま内容 表のこまの中に表示されるもの。
52) こま余白 表のけい線とこまとの間の空白領域。
53) 三分アキ●三分アキ 空き量を,全角アキの1/3とするもの。
54) 三分ルビ●三分ルビ 全角の字幅に3文字のルビをつけるためのルビ。縦書きの三分ルビの場合,ルビ文字の文字の高さは親文字の1/3となるが,ルビ文字の文字の幅は親文字の1/2となる。横書きの三分ルビの場合,ルビ文字の文字の幅は親文字の1/3となるが,ルビ文字の文字の高さは親文字の1/2となる。参考 親文字が和字1文字で,かつ,ルビ文字数が3文字ですべて仮名文字の場合に使用する。
55) 字上げ 行末の位置を行頭方向に移すこと。
56) 字間 同一行の隣接する二つの文字の外枠の間隔(図5参照)。
図5
図5 字間
57) 字下げ 行頭の位置を行末方向に移すこと。
58) 字面 文字の図形の,空白を含まない実際に印字又は表示される領域。
59) 指定行長 行頭から行末までの長さ(図3参照)。
60) 字幅 文字を配列する方向の外枠の寸法。参考 字幅は,横書きでは文字の幅となるが,縦書きでは文字の高さとなる(図6参照)。
61) 四分アキ●四分アキ 空き量を,全角アキの1/4とするもの。
62) 四分角●四分角 字幅が,全角の1/4である文字の外枠。
63) 熟語ルビ モノルビがつく親文字群が熟語を構成するルビ。
64) 省略記号 角度,通貨などを表す記号。連数字の直前に表記する前置(ぜんち)省略記号及び連数字の直後に表記する後置(こうち)省略記号がある(表4参照)。
例1.横書きにおける前置省略記号 ¥ $ £ (ユーロ記号)
例2.横書きにおける後置省略記号 ° ′ ″ % ‰ ¢ ℃
参考 “Å”及び“(Ωの上下逆転)”を除外したJIS X 0213における単位記号,及び片仮名単位字を含む全角単位字は,この規格では省略記号として扱う。
例 縦書きの片仮名単位字