← 一覧に戻る ↓ このページの最下段に移る

JIS X 4211:1995
コンピュータグラフィクス−図形記述情報の格納・転送用のメタファイル(CGM)−第1部 機能仕様 1995改正●1992制定

番号 用語 定義 対応英語
3.1.1 非等方写像 各座標軸方向で,倍率が異なる写像。VDCから物理表面上での座標への変換等で使用する。非等方写像では,一般に,平行でない直線の間の角度は保存されず,また,円は長円となる。3.1.63参照。 anisotropic mapping
3.1.2 縦横比 ウィンドウ,ビューポートなどの長方形の領域と幅と高さの比。例えば,縦横比2.0は,幅の高さが2倍である領域を意味する。 aspect ratio
3.1.3 表示様相源フラグ●ASF 属性選択が個別であるか束であるかを示す指示子。 aspect source flag●ASF
3.1.4 グラフィック基本要素の表示要相 グラフック基本要素のさまざまな見え方。表示様相の中には,グラフィック基本要素の属性によって直接制御されるものと,束表(3.1.7)を通じて間接的に制御されるものとがある。 aspects of primitives
3.1.5 属性要素 グラフィック基本要素の見え方を記述するメタファイル要素。 attribute elements
3.1.6 境界 領域及び閉図形に対して,充てん(填)を行う部分の限界を定めるために,VDC空間上で抽象的に考えた数学的な線。内部様式“hollow”に対して,切取りを行った後の境界を表示する。 boundary
3.1.7 明るさ 領域の明暗に関する視知覚の属性。 brightness
3.1.8 線,点,文字列及び領域のいずれか一つのグラフィック基本要素に付随する属性の集合。 bundle
3.1.9 束指標 特定のグラフィック基本要素の束表内の欄を指す指標。 bundle index
3.1.10 束表 各指標値に対応する属性の集合を要素とする指標付きの表。 bundle table
3.1.11 文字集合 TEXT要素,APPEND TEXT要素又はRESTRICTED TEXT要素の文字列を構成する個々の文字に対応する表示可能な記号の集合。JIS X 0202で定義された“G集合”に対応する。文字集合は,フォント又は活字の字面とは別個のものである。ASCII (X3.4),ドイツ文字,カタカナなど。 character set
3.1.12 彩度 同一条件で証明された白色面の明るさとの比で表した色みの強さ。 chroma
3.1.13 色度 三刺激値の各成分値と,各成分値の合計との比。三つの色度座標値の合計は1であるので,色度を定めるためにはそのうちの二つの座標を定めれば十分である。 chromaticity
3.1.14 CIELAB色空間 CIE勧告である色空間の一つで,L*, a*及びb*の直交座標系で表したおおむね均等な色空間。L*は明度に相当する値であり,a*及びb*は色相と彩度に相当する値の計算に用いる。CIELABは,X/Xn,Y/Yn及びZ/Znの三刺激比を用いて表現する。Xn,Yn及びZnは,標準白色に対するX,Y及びZの値とする。暗くなるにつれ,ある一定の色度の差に対する知覚性が低くなることは,三刺激比を用いることで反映している。 CIELAB colour space
3.1.15 CIELUV色空間 CIE勧告である色空間の一つで,L*, u*及びv*の直交座標系で表したおおむね均等な色空間。L*は明度に相当する値であり,u*及びv*は色相と彩度に相当する値の計算に用いる。色刺激は,Y,u'及びv'を用いる。標準白色面は,Yn,un'及びvn'を用いる。暗くなるにつれ,ある一定の色度の差に対する知覚性は,L*倍低くなる。 CIELUV colour space
3.1.16 CIE三刺激値 三色表色系において,ある色刺激値に等色するのに必要な三つの原刺激の量。 CIE tristimulus values
3.1.17 CIE均等色空間 CIE勧告であるおおむね均等な色空間の総称。この規格では,二つの色空間,CIELAB及びCIELUVを用いる。これらの色空間は,CIE 1931 XYZ三刺激空間を非線形変換したもので,色相及び彩度の知覚的に相当する値を用いる。これらは,局所的に均等色空間をかなりよく近似しており,知覚された色差のおおむね均等な尺度となっている。どちらの空間においても,ある一定の色度の差は,明度が低くなるにつれ,より小さな色差に対応するという知覚効果を反映している。 CIE uniform colour spaces
3.1.18 切取り指示子 メタファイルのグラフィック基本要素が,切取り枠の境界で切り取られるかどうかを示す指示子。 clip indicator
3.1.19 切取りモード 線切取りモード,マーカ切取りモード又は辺切取りモードのいずれかを示す用語。オブジェクト切取りは,“locus”,“shape”又は“locus then shape”のいずれかである。 clipping mode
3.1.20 切取り枠 メタファイルのグラフィック基本要素を切り取るとき切取り境界として使用するVDC空間内に定義する長方形。 clip rectangle
3.1.21 切取り グラフィック基本要素の表示に際して,与えられた境界の外部にある部分を除去すること。 clipping
3.1.22 閉図形 複合グラフィック基本要素で,より一般的な形状を持つ領域要素として振る舞うもの。線要素又は領域要素,辺属性並びに一部の制御要素の列をBEGIN FIGURE要素及びEND FIGURE要素でくくって作成する。 closed figure
3.1.23 CMYK色空間 減法混色による色空間の一つで,シアン(C),マゼンタ(M)及び黄(Y)の原色に黒(K)を含めたもの。 CMYK colour space
3.1.24 色成分 色空間の一つの次元。 colour component
3.1.25 表色系 3次元色座標及びその座標系内の部分空間の指定。表示可能な色は,この部分空間の点として表現される。表色系によっては,黒を独立表現するために冗長な第4次元を含むことがある。この規格では,RGB,CIELAB,CIELUV,CMYK又はRGB関連のいずれかの表色系を用いる。 colour model
3.1.26 色選択モード 色選択が直接色指定(色値を指定)か,指標付き指定(色定義表に対する指標を指定)かを示す指示子。3.1.30参照。 colour selection mode
3.1.27 色空間 3.1.25参照。 colour space
3.1.28 色刺激 目に入って色の感覚を生じる可視放射。 colour stimulus
3.1.29 色定義表 色指標から対応する色への写像に使用する表。3.1.41及び3.1.62参照。 colour table
3.1.30 色値 使用する表色系にしたがって色を記述するn個の成分の値。 colour value
3.1.31 複合グラフィック基本要素 グラフィック基本要素は一つのメタファイル要素からなるが,複合グラフィック基本要素はメタファイル要素の列で構成する。複合テキスト及び閉図形は,複合グラフィック基本要素の例である。 compound primitive
3.1.32 コンピュータグラフィクスインタフェース●CGI グラフィクス装置と対話するためのインタフェース仕様。 Computer Graphics Interface●CGI
3.1.33 コンピュータグラフィクスメタファイル●CGM 図形記述情報を格納し,転送するための仕様。 Computer Graphics Metafile●CGM
3.1.34 共役直径対●CDP 長円の一組の直径であって,一方の直径の各終端点における長円の接線が,他方の直径と平行になるもの。 conjugate diameter pair●CDP
3.1.35 制御要素 アドレス空間,切取り境界,図形の区切り,及びメタファイル要素の書式記述を規定するメタファイル要素。 control elements
3.1.36 データインタフェース 命令コード及びデータを含んだ一つ以上のパケットによる,ソフトウェアモジュール間又は装置間のインタフェース(サブルーチン呼出しインタフェースと対照をなす概念)。 data interface
3.1.37 記述子要素 メタファイルの機能内容,書式,省略時条件,識別及び特性を記述するメフタファイル要素。 descriptor elements
3.1.38 装置座標 装置固有,すなわち,装置依存の座標。物理装置座標に対応する。 device coordinates
3.1.39 装置ドライバ グラフィックス実現の一部であって,物理装置を支援する装置依存部分。装置ドライバは,装置に依存した出力を行う。 device driver
3.1.40 装置ビューポート 物理表示面の一部であって,VDC区域を写像する長方形領域。3.1.44参照。 device viewport
3.1.41 直接色指定 色定義表を用いた写像を行わずに,色値を直接指定する色選択方式。3.1.29及び3.1.62参照。 direct colour
3.1.42 表示面 可視画像が表示されるグラフィクス装置の部分(例えば,ディスプレイ装置の画面,プロッタの用紙)。 display surface
3.1.43 領域の周回の描画。辺属性値で制御する。内部様式が“hollow”のとき,切取りによって新しく作られた境界は描画するが,切り取られた辺は描画しない。3.1.6参照。 edge
3.1.44 有効ビューポート VDC区域を装置ビューポートへ等方写像した結果生じる実際のビューポート。 effective viewport
3.1.45 エスケープ要素 図形の作成に使用するメタファイル要素であって,装置又はシステムに依存する非標準機能を記述するために用いる。 escape elements
3.1.46 外部要素 グラフィック画像の生成に直接関連しない情報を伝えるメタファイル要素。 external elements
3.1.47 送り 文字列の表示において,グリフを描いた後に表示面上の現位置を送り点へ移す動き。 escapement
3.1.48 送り点 グリフを描いた後に表示面上の現位置を移すグリフ座標系上の位置。 escapement point
3.1.49 フォント 同一の視覚的特徴をもつグリフ像の集合。例えば,クーリエ・ボールド・オブリク。 font
3.1.50 フォントファミリ 共通の概念で設計されたフォントの集合。例えば,クーリエ,クーリエ・ボールド,クーリエ・ボールド・オブリクは同じフォントファミリに属する。 font family
3.1.51 フォント配置量 あるフォント資源のすべてのグリフ表現に共通な,フォント資源中の寸法及び位置決め情報の集合。 font metrics
3.1.52 フォント資源 グリフ表現の集合及びグリフ表現全体にかかわる情報。グリフ表現全体にかかわる情報は,記述情報及びフォント配置量情報とする。 font resource
3.1.53 前景色 グラフィック基本要素を表示面に描写する過程で用いる色。BACKGROUND COLOUR要素又はAUXILIARY COLOUR要素の色と対比する用語。前景色は,グラフィック基本要素のクラスごとに設定する。 foreground colour
3.1.54 グリフ どのような特定のデザインにも依存しない,認知可能な抽象的図記号。 glyph
3.1.55 大域セグメント メタファイル記述子で定義するセグメント。どの図形からも参照され得る。 global segment
3.1.56 グラフィック基本要素 メタファイル内の画像を記述するメタファイル要素。 graphical primitive elements
3.1.57 グラフィクス中核系●GKS グラフィクスと応用プログラムとの間のインタフェース規格の一つ(JIS X 4201参照)。 Graphical Kernel System●GKS
3.1.58 グラフィクス装置 表示画像を表現する装置(例えば,再生型表示装置,蓄積型表示装置又はプロッタ)。 graphics device
3.1.59 グラフィックオブジェクト 属性を加味したグラフィック基本要素又は複合グラフィック基本要素。 graphic object
3.1.60 ハッチ様式 閉じた図形をハッチ(平行線群)で塗りつぶす様式。ハッチ様式は,当該図形の内部を表現する線の集合で構成する。 hatch style
3.1.61 色相 ある領域が赤,黄,緑,青,紫又はこれらの中の2色の混合色のいずれと同じ色に見えるかに関する視知覚的属性。 hue
3.1.62 指標付き色指定 色指標によって色定義表から色値を検索する色選択方式。3.1.29及び3.1.41参照。 indexed colour
3.1.63 等方写像 各座標軸方向で倍率が等しい写像。VDCから物理表示面上での座標への変換等で使用する。等方写像では,平行でない直線の間の角度は保存され,また,円は円のままである。3.1.1参照。 isotropic mapping
3.1.64 局所セグメント 図形記述子又は図形本体で定義され,その図形だけで有効なセグメント。 local segment
3.1.65 メッセージ メタファイルの解釈時に操作者に情報を伝えるために使用する文字列。 message
3.1.66 メタファイル 図形データ及び制御情報を格納し,転送するための機構。メタファイルは,図形の装置独立な記述を含む。 metafile
3.1.67 メタファイル記述子 メタファイルの書式(符号化方法ではない。)及びメタファイル解釈系に期待する機能を記述するメタファイル要素。 Metafile Descriptor●MD
3.1.68 メタファイル要素 図形を構成したり,情報を伝えたりするのに使用する機能単位。 metafile element
3.1.69 メタファイル生成系 CGMを生成するプログラム又は装置。 metafile generator
3.1.70 メタファイル解釈系 CGMを読み取り,内容を解釈するプログラム又は装置。メタファイル解釈系は,意図する図形をできるだけ忠実に再現するために,CGI又はほかの装置インターフェースを駆動する際に必要となる。 metafile interpreter
3.1.71 正規化装置座標 ある範囲(通常は0〜1)に正規化された装置独立座標系における座標。3.1.94,3.1.95,3.1.96及び3.1.97参照。 normalized device coordinates●NDC
3.1.72 オブジェクト切取り グラフィックに適する切取り。例えば,線については,幅の属性を適用した後で切取りを行う。 object clipping
3.1.73 パターン様式 閉図形をパターンで充てん(填)する様式。パターン様式は,色付けしたセルの配列で構成する。 pattern style
3.1.74 図形記述子 ある図形についての属性要素の解釈モードを設定するために使用するメタファイル要素の集合。 Picture Descriptor●PD
3.1.75 画素 個別に色を指定できる表示面での最小要素。 pixel
3.1.76 姿勢 グリフの形状又はグリフ集合の形状の傾きの程度を示す定性的な値。傾けることによってデザイン上又は形状の上での変化がありうる。 posture
3.1.77 三原色刺激 任意に与えられた光に色を表現するのに用いる3色の光。与えられた光は,この3色の光を適当に加法混色することによって得られる。ある一つの色が他の2色の混色で表されない限り,任意の3色を三原色刺激として使用できる。加法混色で表現できる色の範囲を最大にするために,一般的には飽和度が最大の赤,緑及び青の3色を使用する。 primary colour stimuli
3.1.78 原色材 いくつかの色の染料又は顔料で,これらを減法混色して表現できる色の範囲が大きいもの。最も一般的な原色材の色は,シアン(青緑),マゼンタ(赤紫)及び黄である。 primary colorants
3.1.79 実現された辺 辺が可視の場合は,領域の有限幅の表示線。辺が不可視の場合は,領域の幅0の理想境界線。 realized edge
3.1.80 実現された内部 領域の理想内部のうち,実現された辺で囲まれた部分。 realized interior
3.1.81 部分領域 閉図形及びPOLYGON SET要素において,陽又は陰に閉じた部分。充てん(填)する全領域の一部。部分領域は,入れ子,分離,又は重なりがあってもよい。閉図形及びPOLYGON SET要素を充てん(填)する際の内部判定では,すべての部分領域をまとめて使用する。 region
3.1.82 RGB色空間 赤,緑及び青を用いた三原色刺激に基づく色彩座標で表される色空間。色値が負になることもある。 RGB colour space
3.1.83 RGB関連色空間 RGB色空間から,3×3行列による線形変換で得られる色空間。PAL及びSECAMで使用するYUV色空間,NTSCで使用するYIQ色空間,CCITTビデオ符号化方式及びCCIR601スタジオ標準で使用するYCRCB色空間などがその例である。 RGB-related colour space
3.1.84 基準表色系 CGMで指定できる種々の表色系(RGB,CYMK,CIELUV,CIELAB及びRGB関連)を規定するときの基準となる表色系。CIE1931表色系(XYZ)を用いる。 reference colour model
3.1.85 彩度 それ自身の明るさとの比において判断される,領域の鮮やかさ。 saturation
3.1.86 セグメント 基本要素,基本要素属性及びセグメント属性の集まり。3.1.87参照。 segment
3.1.87 セグメント属性 個々の基本要素ではなく,セグメント全体に対する属性。 segment attribute
3.1.88 寸法指定モード 線幅指定モード,辺線指定モード又はマーカ寸法指定モードのいずれかを示す用語。 size specification mode
3.1.89 斜交 次のいずれかの場合に斜交しているという。ストローク精度の文字列においてCHARACTER ORIENTATION要素で指定する二つのベクトルが直交していない場合,CELL ARRAY要素において長方形ではない平行四辺形の形の場合又はセグメント変換において長方形ではない平行四辺形に写像する場合。 skewed
3.1.90 シンボル 参照によってメタファイル内に引用される図形記号。 symbol
3.1.91 三色表色系 適当に選んだ三つの原刺激の加法混色に濶イ縺ョ蜈峨