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JIS X 5020:1991
開放型システム間相互接続−適合性試験の方法及び枠組み−第1部 一般概念
1991制定
番号
用語
定義
対応英語
03.04.01
試験対象
試験で検証する実開放型システムの対象。隣接する利用者/提供者の関係にある一つ又は複数のOSI*プロトコルの実装からなる。
IUT●implementation under test
03.04.02
試験対象システム
IUTを含む実開放型システム。
SUT●system under test
03.04.03
動的適合性要件
通信を行う場合に関連するOSI*規格*で許容される観測可能な振舞いのすべての要件(任意選択を含む。)。
dynamic conformance requirements
03.04.04
静的適合性要件
実装している機能要件を定義することによって相互動作を容易にするための,OSI*規格*で規定された制約。(備)静的適合性要件は,大きくは,例えば機能単位及び任意選択をプロトコルクラスに分類分けするなどであり,細かくは,提供される特定のパラメタ又はタイマの数値の範囲などである。
static conformance requirements
03.04.05
IUTの機能
IUTが提供するプロトコルの機能及び任意選択の集合。場合によっては,サービス定義の機能及び任意選択の集合。
capabilities of an IUT
03.04.06
プロトコル実装適合性宣言
OSI*実装又はシステムの供給者が記述した宣言。与えられたOSI*プロトコルの実装した機能及び任意選択を宣言する。
PICS●protocol implementation conformance statement
03.04.07
PICS様式
プロトコル規定者又は適合性試験項目群規定者によって作成される質問書形式の記述書。OSIの実装又はシステムに関し記入するとプロトコル実装適合性宣言(PICS)となる。
PICS proforma
03.04.08
試験用プロトコル実装補助情報
IUT及びその試験環境に関する(PICSの記述内容のほかに追加される)すべての情報を含むか又は参照するIUTの供給者又は実装者が記述する情報。これによって試験機関は,IUTに対して適切な試験項目群を実行可能となる。
PIXIT●protocol implementation extra information for testing
03.04.09
PIXIT様式
試験機関によって用意される質問書形式の記述書。試験の準備の段階で記入が完了するとPIXITになる。
PIXIT proforma
03.04.10
適合する実装
PICSに記述されている機能範囲どおりに,静的適合性要件及び動的適合性要件を満たすIUT。
conforming implementation
03.04.11
システム適合性宣言
実装しているOSI*規格*及びそれに対する適合性の要約を記述した宣言書。
system conformance statement
03.04.12
利用者●試験機関の利用者
適合性試験を受けるシステム又は実装の供給者。
client●client of a test laboratory
03.04.13
試験機関
適合性試験の実施者。これは第三者,利用者組織,主管機関*又はこのようなサービスを提供する組織の特定部門であってもよい。
test laboratory
03.05.01
静的適合性審査
静的適合性要件がIUTによってどの程度満たされているかの審査。対応する規格*のPICSに記された静的適合性要件と,機能試験の結果を比較して行う。
static conformance review
03.05.02
基本相互接続試験
対応するプロトコルに対する十分な適合性があるかどうかを判定し,IUTの相互接続の可能性をみるために,範囲を限定して実施する試験。本格的な試験は実施しない。
basic interconnection tests
03.05.03
機能試験
IUTの機能を判定する試験。(備)IUTが実装しているとPICSに記されたすべての必す(須)機能と任意選択機能の試験を含むが,PICSに実装しないと記された任意選択機能の試験は行わない。
capability tests
03.05.04
振舞い試験
動的適合性要件がIUTによってどの程度満たされているかを調べる試験
behaviour tests
03.05.05
適合性解決試験
限られた数の特定の要件に実装が適合するかどうかを詳しく調べる試験。
conformance resolution tests
03.05.06
適合性試験
IUTがどの程度適合性のある実装であるかを調べる試験。
conformance testing
03.05.07
適合性評価過程
評価の対象となる一つ以上のOSI*規格*に対し,実装又はシステムがどの程度適合するかを評価するために必要なすべての適合性試験を実施する全過程。
conformance assessment process
03.05.08
試験実所過程
特定のIUTのためにパラメタ化された実行可能な試験項目群を実行し,適合性ログを作り出す過程。
test campaign
03.05.09
複数層試験
複数層IUTに対して,層ごとではなく全体をまとめて実施する振舞い試験。
multi-layer testing
03.05.10
単層埋込み試験
複数層IUT内の単一層に対する試験であり,IUT内の該当の層の層境界にアクセスせず実施する振舞い試験。
embedded testing
03.06.01
試験法●抽象的試験法
IUTをどのように試験するのかの記述であり,試験装置の固有の実現方法に依存しない程度の,しかし,試験法が規定できる程度には詳細な抽象化された記述。
test method●abstract test method
03.06.02
抽象的試験方法論
抽象的試験法を記述し分類する方法論。
abstract testing methodology
03.06.03
抽象的試験項目
特定の試験目的(又は複数の試験目的の特定の組合せ)を達成するために必要な動作の完全で独立した仕様であり,特定の抽象的試験方法の抽象化の水準によって定義される。この項目は,安定状態(すなわち,“アイドル”状態とか“データ転送”状態などのように簡単に到達できて,維持できる状態)での開始及び終了を含み,導入部及び終端部を含んでよい。単一又は複数の逐次的又は同時的なコネクションを伴ってもよい。(備)1.試験仕様は,それぞれの結果(すなわち一連の試験事象)に対し,明確に判定を与えることができるように記述されなければならない。2.試験仕様は,それから導かれた実行可能試験項目を他の同様な試験項目と切り離して実行できるという意味で独立であることが望ましい(すなわち永久的なコネクションを除き,常に,“アイドル”状態で開始し,終了できるようになっていなければならない。)。試験項目によっては,その試験項目の実施のためにIUTのある幾つかの機能を実施する必要があり,以前に実施した試験項目の結果であらかじめ確認しておかなければならないという意味で前提条件のあるものもある。
abstract test case
03.06.04
実行可能試験項目
抽象的試験項目を具体化した試験項目。(備)この規格は,用語“試験”を一般的な普通の意味で使う。しかし,ときには抽象的試験項目又は実行可能な試験項目の略称として使うこともある。その使い方は,文脈によって決まる。
executable test case
03.06.05
試験目的
試験目標を厳密に定義した文章的な記述。単一の適合性要件に焦点を当てたもの(例えば,特定パラメタの特定値の実装の検証,又は特定パラメタの特定値の組合せについて実装を検証することなど)。
test purpose
03.06.06
試験群目標
特定の試験群内の試験目的が達成できるように作られた共通目標の文章的な記述。
test group objective
03.06.07
はん(汎)用的試験項目
特定の試験目的を達成するために必要な動作仕様であって,試験体及び試験体に与えられる初期状態によって定義される項目。
generic test case
03.06.08
導入部●試験導入部
試験項目の始めの安定状態から試験体が動作を開始する状態に至るまでの経路を定義するために必要な試験段階。
preamble●test preamble
03.06.09
試験体
試験目的を達成し,結果を判定するために必要な一連の試験段階。
test body
03.06.10
終端部●試験終端部
試験項目において試験体の動作終了から終わりの安定状態に至るまでの経路を定義するために必要な一連の試験段階。
postamble●test postamble
03.06.11
試験段階
試験項目を分割し,名前を付けたもので,試験事象及び/又は他の試験段階からなるもの。抽象的試験項目をモジュール化するために使う。
test step
03.06.12
試験事象
仕様の抽象化において,これ以上分割できない試験仕様の最小単位(例えば,一つのPDUの送信又は受信)。
test event
03.06.13
試験項目群●適合性試験項目群
一つ以上のOSI*プロトコルに対する適合性試験を行うために必要な,すべての試験項目の完全な集合体。試験項目は,階層化された試験群を構成することもある。(備)試験項目群は,機能試験及び振舞い試験の両方を含むのが望ましい。それは,抽象的試験項目群,はん用的試験項目群又は実行可能試験項目群のいずれかとする。特に指定がない部分は,“抽象的試験項目群”を意味する。
test suite●conformance test suite
03.06.14
試験項目
はん用的,抽象的又は実行可能な試験の項目。
test case
03.06.15
試験群
関係する試験項目の組合せであって,名前が付けられたもの。
test group
03.06.16
はん用的試験項目群
はん用的な試験項目からなる試験項目群。
generic test suite
03.06.17
抽象的試験項目群
抽象的な試験項目からなる試験項目群。
abstract test suite
03.06.18
実行可能試験項目群
実行可能な試験項目からなる試験項目群。
executable test suite
03.06.19
選択された抽象的試験項目群
PICSに基づいて選択された抽象的試験項目群の部分集合。
selected abstract test suite
03.06.20
選択された実行可能試験項目群
PICSに基づいて選択された実行可能試験項目群の部分集合。
selected executable test suite
03.06.21
パラメタ化された抽象的試験項目
PICS及びPIXITに応じ,パラメタに適切な値を与えた抽象的試験項目。
parameterized abstract test case
03.06.22
パラメタ化された実行可能試験項目
適切なパラメタにPICS及びPIXITに応じた値を与えた実行可能試験項目。
parameterized executable test case
03.06.23
パラメタ化された抽象的試験項目群
パラメタにPICS及びPIXITに応じた適切な値を与えて選択された抽象的試験項目群。
parameterized abstract test suite
03.06.24
パラメタ化された実行可能試験項目群
パラメタにPICS及びPIXITに応じた適切な値を与えて選択された実行可能試験項目群。パラメタ化された抽象的試験項目群に対応する。
parameterized executable test suite
03.07.01
再現性●結果の再現性
ある試験項目について,同一のIUTで繰り返し実行したときに同一の結果となる性質。広義には試験項目群についてもいう。
repeatability●repeatability of results
03.07.02
比較可能性●結果の比較可能性
適合性評価過程について,同一のIUTを異なる試験環境で実行しても,大枠として,それが同一の結果となる性質。
comparability●comparability of results
03.07.03
試験結果
データ及び/又はパラメタ値を伴った一組の試験事象であって,抽象的試験項目の規定者によって識別されるもの,実行中に観測されるもの,又はその両者。
test outcome
03.07.04
予見試験結果
抽象的試験項目の仕様によって,規定又は分類してある試験結果。
foreseen test outcome
03.07.05
予見外試験結果
抽象的試験項目の仕様によって,規定又は分類していない試験結果。
unforeseen test outcome
03.07.06
判定●試験判定
IUTに対して,抽象的試験項目群に指定されている試験項目を実行したあとのその規格適合性に関する“通過”,“失敗”又は“不確定”の表明。
verdict●test verdict
03.07.07
システム適合性試験報告書
適合性評価過程の最後に書かれる報告書であって,適合性試験を実施したプロトコルの集合に対するシステムの適合性について全体的な概要を記述するもの。
SCTR●system conformance test report
03.07.08
プロトコル適合性試験報告書
適合性評価過程の最後に書かれる報告書であって,特定のプロトコルに対して行われた試験の詳細を記述するもの。それは使用した実行可能試験項目に対応する抽象的試験項目の識別を含み,またそれぞれの試験項目についての試験目的及びその判定も含む。
PCTR●protocol conformance test report
03.07.09
有効試験事象
プロトコル規格*によって許される試験事象であって,構文的に正しく,かつ,観測された試験結果のコンテキストで許容される範囲内で発生又は到達するもの。
valid test event
03.07.10
構文的に無効な試験事象
プロトコル規格*によって構文的に許されない試験事象。(備)“無効な試験事象”という用語は使わないほうがよい。
syntactically invalid test event
03.07.12
不正タイミングの試験事象
観測された試験結果において,構文的には正しくても,プロトコル規格*によって許されていない時点で発生又は到達する。タイミングの悪い試験事象。
inopportune test event
03.07.12
通過●通過判定
試験項目が目的とする適合性要件に対して,観測された試験結果が適合するという証拠を示し,かつ,すべての試験事象が該当する規格*及びPICSに対して有効であるときに与えられる試験の判定。
pass●pass verdict
03.07.13
失敗●失敗判定
試験項目が目的とする適合性要件(の少なくとも一つ)に対して観測された試験結果が不適合であることを示すか,又は該当する規格*PICS若しくはその両方に対して,少なくとも一つの構文的に無効な試験事象若しくは不正タイミングの試験事象を含むときに与えられる試験の判定。
fail●fail verdict
03.07.14
不確定●不確定判定
観測された試験結果が,通過又は失敗のいずれの判定も与えられないときに下される試験の判定。
inconclusive●inconclusive verdict
03.07.15
試験項目誤り
試験項目自身の誤りを発見したときに,抽象的試験項目に対して行う記述。
test case error
03.07.16
異常終了●試験項目の異常終了
試験項目の実行が実試験手段によって未完のままで終了したときに,抽象的試験項目に対して行う記述。
abnormal termination●abnormal test case termination
03.07.17
適合性ログ
試験実施過程の結果として作り出された情報の記録。観測された試験結果を記録し,試験の判定を証明するのに十分なもの。
conformance log
03.08.01
制御観測点
抽象的試験法のために定義された点であって,その試験法のための試験項目に規定されたように試験事象を制御し,観測する点。
PCO●point of control and observation
03.08.02
下位試験手段
選ばれた抽象的試験法によって定義されたように,試験の実行中に,IUTの下側又はIUTから遠隔のいずれかで,適切なPCOにおける制御及び観測を提供する手段。
lower tester
03.08.03
上位試験手段
試験の実行中に,IUTの上位サービス堺界の制御及び観測を提供する手段。
upper tester
03.08.04
抽象的〈N〉サービスプリミティブ
OSI*サービス定義規格*で定義した〈N〉サービス堺界におけるサービス利用者とサービス提供者との間の相互動作の記述。実装には依存しない。
(N)-ASP●abstract (N)-service-primitive
03.08.05
試験協調手続
上位試験手段と下位試験手段との間の試験中の協調動作の規則。
test coordination procedures
03.08.06
試験管理プロトコル
特定の試験項目群のための試験協調手続として使われるプロトコル。
test management protocol
03.08.07
局所的試験法
PCOがIUTの層の堺界に直接置かれる抽象的試験法。
local test methods
03.08.08
外部試験法
下位試験手段がSUTとは別にあり,適切な下位層サービス提供者を経由して通信して行う抽象的試験法。(備)サービス提供者は,試験の対象となっている最下位層の(プロトコルの)直下にあり複数のOSI層からなってもよい。
external test method
03.08.09
分散試験法
IUTの上部の層堺界にPCOがある外部試験法の一つ。
distributed test method
03.08.10
協調試験法
規格化された試験管理プロトコルが試験協調手段として定義されており,制御及び観測は,試験管理PDUの制御及び観測を含め,下位試験手段だけで実施することができる外部試験法の一つ。
coordinated test method
03.08.11
遠隔試験法
IUTの上部のPCO及び規格化された試験管理プロトコルはなく,試験協調手続の要件の幾つかは,抽象的試験項目群の中に非公式に表現され,又は暗示されることがあるが,それらの可能性又は実現については特に規定のない外部試験法の一つ。
remote test method
03.08.12
実試験手段
与えられたある試験法のために適切に実現された下位試験手段。これに上位試験手段又はその定義が加わり,更に試験協調手続の定義が加わることもある。
real tester
03.08.13
試験実現者
試験機関の利用者及びそのIUTから独立した形で,抽象的試験項目群に基づいてIUTを試験する手段を責任をもって提供する組織。
test realizer
03.08.14
包括的試験サービス
試験機関が利用者に提供するサービス。一つ以上のOSI*プロトコルの適合性評価過程を実施するためのものである。指定されたプロトコルを用いて試験機関のシステムと通信できるすべての実システムに対して適用可能なサービスを行うように,試験法を選択して実施する。
comprehensive testing service
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