一覧に戻る
このページの最下段に移る
JIS X 6305-2:2010
識別カードの試験方法―第2部:磁気ストライプ付きカード
2010改正●2003制定
番号
用語
定義
対応英語
3.1
試験方法
規格に適合していることを確認するために,カードの特性を試験する方法。
test method
3.2
機能残存
破壊を招く危険性がある幾つかの試験に対して,試験後に残存すべき機能を次に示す。
a) 磁気ストライプでは,試験の前後に計測される信号振幅の関係が基本規格に従っている。
b) ICでは,初期応答が基本規格に従っている。注記 この規定では,ICカードの完全な試験方法を網羅していない。この試験方法は,最低限の機能確認をするにすぎない。仕様に応じて機能項目を加えて適用してもよい。
c) 外部端子では,電気抵抗及びインピーダンスが基本規格に従っている。
d) 光メモリでは,光学特性が基本規格に従っている。
testably functional
3.3
反り
カード平面性におけるゆが(歪)み。
warpage
3.4
磁束反転密度●.磁束反転/mm
磁気ストライプ上のトラックに記録された1 mm当たりの磁束反転の数。
flux transitions per millmetre
3.5
記録
この規格の試験方法及び試験パラメタに従った,磁束反転をもつトラックの形成。
recording
3.6
符号化
データを表現するためにF/2F符号形式に従って,間隔を変えた磁束反転をもつトラックの形成。
encoding
3.7
表面粗さ
様々な決定因子及び計算方法を参照して,国際規格で認定された表面領域の表面トポロジー(形態)。
surface roughness
3.8
振幅測定●磁気ストライプの振幅測定
この規格の試験方法及び試験パラメタに従った読取り信号振幅,分解能及び消去効果の測定。
amplitude measurements●amplitude measurements of a magnetic stripe
3.9
ビットセルの変動
符号化されたトラックの中心線に沿って,トラック上に隣接する磁化反転間隔の公称値との偏差。
flux transition spacing variation
3.10
磁気ストライプとカードとの接着性
磁気ストライプとカードとの接着の程度。
magnetic stripe adhesion
3.11
通常の使用
カード技術及び個人情報の記憶媒体に適したカードリーダライタ側の処理を含むIDカード[JIS X 6301の4.(定義)参照]としての使用。
normal use
3.12
静的飽和磁化M(H)曲線
磁化曲線が影響を受けない程度の低い掃引速度で,磁界強度を−H_maxから+H_maxまでの間を周期的に変化させて得られるヒステリシス曲線[IEC 60050(221)参照]。注記 この用語は括弧をそのままの形で残して使うもので,“静的飽和磁化MH曲線”,“静的飽和磁化M曲線”としては使われない。
static saturation M(H) loop
3.13
保磁力●H'_cM●H'_cJ
飽和磁化状態から,飽和磁化状態とは反対方向に連続的に磁界を印加したとき,磁化量が“0”になる磁界強度[IEC 60050(221)参照]。測定は,磁気ストライプの長辺方向に行う。
coercivity
3.14
残留保磁力●H_T
飽和磁化状態から,飽和磁化状態とは反対方向に連続的に磁界を印加し,その後この磁界を“0”まで戻したときに,残留磁化量が“0”になる磁界強度。測定は,磁気ストライプの長辺方向に行う。
remanent coercivity
3.15
エルステッド●Oe
磁界強度のガウスcgs単位系。磁気記録業界で一般的に用いられてきた。1 Oeは,79.578 A/mに相当する(JIS Z 8202-5:2000参照)。
oersted
3.16
静的減磁●S_160
反対方向磁界の影響による磁性の減少。[M_r−M^+(−160)]÷M_rで表される。静的飽和磁化M(H)曲線の“滅磁”部分の象限において,磁界強度がH=0とH=−160 kA/mとの間で得られる磁化曲線の平均な傾きを示す。
static demagnetisation
3.17
角形比●SQ
ゼロ磁界強度(H=0)での磁性値(M_r)と,静的飽和磁化M(H)曲線から得られたH_maxでの磁性値[M(H_max)]との比率[M_r/M(H_max)]。
squareness
3.18
水平角形比●SQ_||
磁気ストライプの長辺方向と平行に測定された媒体の角形比。
longitudinal squareness
3.19
垂直角形比●SQ_⊥
磁気ストライプの平面と垂直に測定された媒体の角形比。
perpendicular squareness
3.20
微分係数(derivative)によるスイッチングフィールド●SF_D
微分(differentiated)された静的飽和磁化M(H)曲線を同じカーブの保磁力で除した半値幅。
switching field by derivative
3.21
スロープによるスイッチングフィールド●SF_S
静的飽和磁化M(H)曲線において,M(H)=+0.5M_r及びM(H)=−0.5M_rからなる2種類の磁界強度Hの差を保磁力H'_cMで除した値。次の式で表す。
SF_S=(|H_2|−|H_1|) / H'_cM
ここに,|H_1|及び{H_2|は,次の式を満たす磁界強度である。
M(−|H_1|)=+0.5M_r
M(−|H_2|)=−0.5M_r
switching field by slope
3.22
最大角形比の角度●Θ(SQ_max)
角形比の最大値が見いだされた方向と,磁気ストライプの長辺方向軸との角度。
angle of maximum squareness
3.23
分解能
20磁束反転/mmの平均信号振幅を8磁束反転/mmの平均信号振幅で除した数に100を乗じた値(%)。
resolution
3.24
U_F_1
磁気ストライプのすぺての波形のフーリエスペクトルの指定周波数における個々の要素の大きさ。
一覧に戻る
このページのトップに戻る