一覧に戻る
このページの最下段に移る
JIS X 6801:1998
同期スプリット転送形システムバス(STbus)―論理仕様
1998制定
番号
用語
定義
対応英語
1)
機能ユニット
バスに接続され,バスインタフェース制御機構をもつ各機能単位をさす。通常,1機能ユニットが1ボードで構成される。
2)
バスマスタ
バス使用権を得て(バス使用許可信号がアサートされて),バスに情報を転送中である送信元の機能ユニットをいう。
3)
バススレーブ
バスマスタから情報を転送される受信側の機能ユニットをいう。
4)
オーダ転送
コマンドを送出して相手機能ユニットに対し,処理要求を行うための一連の情報転送をいう。
5)
アンサ転送
コマンドを受け付けた機能ユニットが,コマンドを送出した機能ユニットに対して,コマンドの終結状態(及び要求されたデータが付随している場合もある)及び受信状態情報をアンサ情報として通知するための一連の転送をいう。
6)
SUT
オーダ転送を行う機能ユニットをさす。
Source Unit
7)
DUT
アンサ転送を行う機能ユニットをさす。
Destination Unit
8)
バスハンドラ
各機能ユニットからのバス使用要求の競合を整理して複数の要求から一つの要求を選択し,機能ユニットに対してバス使用許可を与える集中形バス制御機構である。
BH
9)
基本信号
バスインタフェース信号のうち,システムインプリメント時に使用が義務付けられる信号であり本信号の範囲で,異なるシステム間での互換性が保証される。
10)
オプション信号
バスインタフェース信号のうち,システムインプリメント時のユーザ選択信号であり,採否はユーザ依存である。
11)
CPU
命令の解読や命令実行機能をもつ演算素子のことを示し,マイクロプロセッサ又はマイクロプロセッサ+キャッシュのことを示す。
12)
I/Oアダプタ
プロセッサの制御下で入出力機器の制御を行う機能ユニットをいう。
13)
コピーバック方式
プロセッサ又は命令実行部からの書き込みデータを,直接外部メモリに反映せずキャッシュ内だけを更新しておく方式。STbusのコピーバックキャッシュでは,内部3状態のキャッシュをサポートする。内部状態は以下の三つの異なる状態からなる。
無効状態(I),共有未変更状態(SU)及び非共有変更状態(EM)
14)
ライトスルー方式
プロセッサ又は命令実行部からの書き込みデータを,直接メモリに反映する方式。内部状態は,無効状態(I)と共有未変更状態(SU)からなる。
15)
バス・スヌープ
システムバス上の,外部メモリからの読み出し,外部メモリへの書き込みを監視すること。
16)
ブロック
キャッシュメモリに登録される最小の単位。STbusでは32バイトに限定している。
17)
リトライ指示動作
コピーバックキャッシュ内で変更済となり主記憶に反映していない領域に対して,外部のデバイスがアクセスした場合に,そのアクセスを一時中断させ,再送の指示を行う動作のこと。
18)
キャッシュ無効化指示動作
キャッシュ内のあるブロックの無効化を要求すること。共有未変更状態(SU)の領域に対する書き込み動作時に,他のキャッシュ内の同一領域を無効化する場合などに使用する。
19)
リードヒット●リードミス
プロセッサからの命令又はオペランドの読み出し対象がキャッシュに登録されている場合にリードヒット,登録されていない場合にリードミスという。リードミスの場合,読み出し対象がキャッシュ可能な領域であれば,対象を含む1ブロックがキャッシュに新規登録される。
20)
ライトヒット●ライトミス
プロセッサからの書き込み領域がキャッシュに登録されている場合にライトヒット,登録されていない場合にライトミスという。ライトスルーキャッシュの場合には書き込みデータを即座に共有メモリヘ反映する。コピーバックキャッシュの場合,ライトヒット時は書込みデータをキャッシュ内にだけ反映し,ライトミス時には書き込み領域の1ブロックを共有メモリから読み込んで新規登録し,その上で書き込みデータをキャッシュ内にだけ反映する。
21)
無効状態
プロセッサからのアクセス領域がキャッシュ上に登録されていない状態。
I●Invalid
22)
共有未変更状態
ライトスルーキャッシュ又はコピーバックキャッシュの内部状態名で,アクセス領域が登録されていて,共有メモリと内容が一致している状態。複数のキャッシュで共有している可能性がある。
SU●Shared Unmodified
23)
非共有変更状態
コピーバックキャッシュの内部状態名で,共有メモリと内容が一致していない状態。すなわち,キャッシュ内だけ更新されている状態。
EM●Exclusive Modified
24)
モディファイ付きリードコマンド
コピーバックキャッシュに対してプロセッサからの書き込みアクセスがライトミスした場合に,キャッシュからシステムバスに出されるコマンドである。
25)
パリティ
この規格に表記しているパリティは特に明記していない場合,すべて奇数パリティを示す。ここで奇数パリティとは,対象としている信号線(例えば,8bit単位)とそのparity-bitを含めたbit(例では8+1=9bit)において論理的に1のビットの数が偶数個(0個を含む)のときにエラーとなることを意味する。
26)
プロセッサ
命令の解読や命令実行機能をもつ機能ユニットをいう。プロセッサではプログラムが動作し,各種I/Oアダプタ(I/O Adapter)の制御を行う。通常,プロセッサはCPUとメモリで構成される。
一覧に戻る
このページのトップに戻る