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JIS X 6940:2011
情報技術―事務機器―プリンタ及び複合機の印刷生産性測定方法 2011制定

番号 用語 定義 対応英語
2.1 分野別試験 分野ごとに分けた2種類の試験。事務分野試験は,事務用の典型的アプリケーションソフトウェアを用いて第1部印刷時間(2.9参照),実効印刷速度(2.5参照)及び推定最大印刷速度(2.6参照)を試験し,報告するのに用いる。広告及びグラフィック分野(宣伝広告,商業美術,グラフィックデザインなど。以下,広告分野という。)試験は,より複雑で,印刷面積が広く,写真,階調表現,組込み要素(図,絵,文字など)のような画像及び図表の占める割合が多いアプリケーションソフトウェアとファイルとを用いて,第1部印刷時間,実効印刷速度及び推定最大印刷速度を試験し報告するのに用いる。 category test
2.2 丁合 電子文書の印刷物を原稿のページ順序で,例えば1234,1234,1234などの順で繰り返して複数部の印刷物を生産する印刷装置の能力。これは,適切なソフトウェア又はハードウェア後処理装置によって達成することができる。 collation
2.3 標準プリンタドライバ 製造業者の設置手順に従って自動選択される印刷装置のドライバ。 default driver
2.4 両面印刷 用紙の両面に印刷する行為。注記 (対応国際規格では,英語特有の用語を記載しているがこの規格では不要であり,削除した。) duplex printing
2.5 実効印刷速度●EFTP 印刷指示から最終部の最終ページが完全に排出されるまでの時間で,出力された全ページ数を除して求めた印刷速度。1分間当たりの画像面数(ipm: images per minute)で表す。注記 実効印刷速度は,印刷単位の印刷時間だけでなく,印刷指示から印刷開始までの処理時間が影響することがある。 effective throughput●EFTP
2.6 推定最大印刷速度●ESAT 第1部の最終ページを完全に排出した時点から,最終部の最終ページを完全に排出するまでにわたって測定した,装置がページを生産する速度。1分間当たりの画像面数(ipm: images per minute)で表す。 estimated standard throughput●ESAT
2.7 付加機能性能率 様々な印刷及び後処理の付加仕様を付加した場合の印刷性能(例えば,第1部印刷時間及び推定最大印刷速度)の,対象の付加仕様を付加しない印刷性能に対する比率。 feature performance percentage
2.8 付加機能性能試験 様々な印刷及び後処理の付加仕様を付加した場合の生産性の変化を評価するのに用いる選択的試験。注記 付加機能性能試験の試験用ファイルは,印刷システムのデフォルト設定で試験して基本データを出し,その後に選択する付加機能(例えば,ステープル機能)を追加して試験し,比較する。 feature performance test
2.9 第1部印刷時間●FSOT 印刷指令から第1部の最終ページを完全に排出するまでの秒数。 first set out time●FSOT
2.10 詳細報告 装置のセットアップ環境及び測定結果を含む情報の表示。 full detailed report
2.11 全体報告 分野別試験又は付加機能性能試験で試験された各々のファイルの第1部印刷時間,推定最大印刷速度及び実効印刷速度の計測値だけではなく,第1部印刷時間,推定最大印刷速度及び実効印刷速度の平均値も含んだ計算結果の表示。 full report
2.12 ホストベースコントローラ ページ記述,言語翻訳部及びラスタイメージプロセッサがホストコンピュータに存在する印刷装置のコントローラの方式。ホストベースコントローラを備えた印刷装置では,ホストコンピュータに存在するこれらの処理部によってページ記述言語をラスタビットマップのような簡単化されたフォーマットに変換し,印刷装置に送付することで印刷を行う。注記 この方式のコントローラは,ほとんどのデータと画像の処理とをホストコンピュータ側で行う。印刷生産性は,ホストコンピュータ,データ転送部び印刷装置から構成されるシステム全体に依存する。 host-based controller
2.13 初期設置状態 オペレーティングシステム及びアプリケーションソフトウェアを設置した後であって,試験する印刷装置用のプリンタドライバのような固有ソフトウェアを設置する前の試験動作環境の状態。 initial installation state
2.14 入力画像面数 印刷する電子原稿入力画像面数。印刷した印刷物の枚数とは独立の数値である。注記 入力画像面数は,元になる試験用ファイルの画像面数に等価の数値である。例として,A4サイズの入力画像2ページを,片面印刷モードで片面A3ページに印刷する場合,このA3ページの印刷出力は,A4入力画像2ページに等価である。他の例として,試験用ファイルのA4サイズ画像4ページを,片面の4枚割り付けモードで1枚のA4ページの片面に縮小印刷する場合,このA4ページの印刷出力は,A4入力画像4ページに等価である。 input image equivalent
2.15 インタフェース・ネットワーク ホストコンピュータと印刷装置との間の,直接又は間接の接続形態。 interface/network
2.16 全部数印刷時間●LSOT 印刷指令から最終部の最終ページを完全に排出するまでの時間。 last set out time●LSOT
2.17 公称印刷速度 最初のページを完全に排出した時点から,連続印刷の最終ページを完全に排出するまでにわたって測定して求めた印刷速度。単一ページを,推奨用紙を用いて連続印刷モードにて印刷し,ページ/分(ppm)又は画像/分(ipm)で表す。 nominal printing speed
2.18 ページ記述言語●PDL 印刷装置のページ単位の出力イメージを記述するためのプログラム言語。 page description language●PDL
2.19 PDLベースコントローラ ページ記述言語翻訳部及びラスタイメージプロセッサを備えた印刷装置のコントローラの方式。PDLベースコントローラを備えた印刷装置では,ホストコンピュータがアプリケーションソフトウェアによって,ページ情報をページ記述言語に変換しインタフェース・ネットワークを介して印刷装置に送信する。注記 この方式のコントローラは,ページ記述言語翻訳部及びラスタイメージプロセッサの動作に必要な処理能力を備えており,最終的なページ情報処理,画像処理は,ほとんど印刷装置側で実行する。しかしながら,印刷生産性は,依然としてホストコンピュータ,データ転送及び印刷装置から構成されるシステム全体に依存する。 PDL-based controller
2.20 印刷装置 ディジタル電子文書を紙などの媒体上へ印刷する装置。注記 装置の機能は印刷だけに限らない。例えば,印刷機能をもつ複合機の場合は,複写,スキャン,ディジタル情報送信などの他の機能を実行することが可能である。 printing device
2.21 ラスタイメージプロセッサ●RIP 印刷システムの中に組み込まれている,ビットマップを生成する機能。 raster image processor●RIP
2.22 印刷部数 一つの個別測定の間に印刷する全部数。印刷部数がN,1試験用ファイルのページ数がMの場合,N×Mのページ数が印刷される。注記 これは,アプリケーションソフトウェア及びプリンタドライバにおいて,しばしばコピーカウントと呼ぷ。 set count
2.23 片面印刷 用紙の片面に印刷する行為。注記 (対応国際規格では,英語特有の用語を記載しているがこの規格では不要であり,削除した。) simplex printing
2.24 要約報告 一定の分野別試験又は付加機能性能試験の第1部印刷時間(FSOT)及び推定最大印刷速度(ESAT)の全体の平均値を含む結果の表示。 summary report
2.25 試験用ファイル 試験方法に従って用いる個別のファイル。例 事務分野試験で用いるエクセルファイルは,“試験用ファイル”である。 test file
2.26 試験プラットフォーム ディジタル印刷生産性試験に使用するハードウェア及びソフトウェアの組合せ。オペレーティングシステム及び適用可能なアプリケーションソフトウェアを設置したコンピュ一タ,印刷装置用のソフトウェア,インタフェース(ハードウェア及びソフトウェア),計時装置(ストップウォッチ又は自動)などを含む。 test platform
2.27 個別測定 特定の部数で一つの試験用ファイルを印刷する試験。各々の個別測定の印刷時間を測定する。 test run
2.28 印刷単位 一つの試験用ファイルの全ページ。注記 試験用ファイルを印刷する場合にプリンタドライバなどで指定する“部”に相当する。 test set
2.29 試験用ファイル一式 各分野別試験に用いる複数の試験用ファイルの組合せ。例 事務分野試験用の試験用ファイルー式は,三つの試験用ファイルからなる。広告分野試験用ファイル一式は四つの試験用ファイルからなる。 test suite
2.29A 印刷可能状態 装置の状態のうち,最小の時間で新しい出力を開始することが可能な状態。注記 出力中でもなく,低電力モードでもない。 ready state

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