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JIS X 7108:2004
地理情報―時間スキーマ 2004制定

番号 用語 定義 対応英語
4.1.1 一日をその分解能とする時間位置を定義するための基礎となる離散的な時間参照系の一つ。 calendar
4.1.2 暦年代 暦の中で使用する型の一つとなり,ある特定の事象からその長さを数える期間。 calendar era
4.1.3 協定世界時●UTC 国際度量衡局(lnternational Bureau of Weights and Measures)及び国際地球回転観測事業(International Earth Rotation Service)によって維持管理されている時間尺度。標準周波数及び時刻信号に関する標準電波の基礎となるもの。(ITU-R Rec.TF.686-1(1997)) Coordinated Universal Time
4.1.4 地球の自転周期にほぼ等しい持続時間をもつ期間。 day
4.1.5 エッジ 一次元の位相プリミティブ(ISO 19107)。備考 エッジは,幾何学的には曲線となる。エッジの境界は,位相複体中でこのエッジと関連付けられた一つ又は二つのノードの集合となる。 edge
4.1.6 事象 ある瞬間に起こる動作。 event
4.1.7 地物 実世界の現象の抽象概念(ISO 19101)。
備考 地物は,型又はインスタンスとして現れる。型又はインスタンスの一方だけを意味するときには,地物型又は地物インスタンスという用語を使うのが望ましい。
参考 地物は元来地上の自然物及び人工物の概念を指す用語であるが,この規格では,それ以外の実世界に現れる物事を抽象化した概念も指す。
feature
4.1.8 地軸関連 地物同士の関係(ISO 19109)。
備考1.地物関連は,型又はインスタンスとして現れる。地物関連型又は地物関連インスタンスは,いずれかを意味するときに使う。
備考2.地物関連は複数の地物の集成(aggregate)を含む。
参考 UMLにおけるaggregateには,“縮める”という概念は含まず,“集めて一つにまとめる”という意味なので,ここでは集約ではなく集成とする。
feature association
4.1.9 地物属性 地物の特性(ISO 19110変更)。備考 地物属性型は,名前,データ型及び地物属性に関連する値の定義域をもつ。 feature attribute
4.1.10 地物分裂 直前に存在した地物が,同じ型をとる二つ以上の別の地物インスタンスに置き換わる地物継起。例 地物型“土地区画”のあるインスタンスが,法律的に分割されて同じ地物型の二つのインスタンスに置き換わる。 feature division
4.1.11 地物融合 直前に存在した,同じ地物型の二つ以上のインスタンスが,同じ地物型の一つのインスタンスに置き換わる地物継起。例 地物型“牧場”の二つのインスタンスは,各々を隔てるフェンスが取り除かれたときに一つのインスタンスに置き換わる。 feature fusion
4.1.12 地物操作 ある地物型のすべてのインスタンスが実行できる操作(ISO 19110)。例 地物型“せき(堰)”の地物操作は“水門を高める”である。この操作により,“せき(堰)”の高さが上がり,“貯水池”の水位が上がる。備考 地物操作は,地物型の定義をする上で重要な役割を果たす。 feature operation
4.1.13 地物置換 一つの地物インスタンスが同じ又は異なる型の別の地物インスタンスへ置き換わる地物継起。例 地物型“建物”のインスタンスが取り壊されて地物型“駐車場”のインスタンスに置き換わる。 feature substitution
4.1.14 地物継起 一つ以上の地物インスタンスが存在しなくなって,別の一つ以上の地物インスタンスに置き換わること。 feature succession
4.1.15 幾何プリミティブ 空間における単一で連結した均質な要素を表すオブジェクト(ISO 19107)。備考 幾何プリミティブは,幾何構成についての情報を表す不可分なオブジェクトである。これには点,曲線,曲面及び立体を含む。 geometric primitive
4.1.16 グレゴリオ暦 ユリウス暦よりも一年の長さが太陽年により近くなるよう定義するため,1582年に最初に導入された,はん用的な暦(JIS X 0301参照)。備考 グレゴリオ暦の導入には,ユリウス暦で積み重なってきた誤差を解消するという意味も含まれていた。グレゴリオ暦の暦年は,平年又はうるう年となっており,一年は,12に分割された月の列からなる。 Gregorian calendar
4.1.17 瞬間 時間における位置を表現する零次元の幾何プリミティブ。備考 時間の幾何については,5.2で取り上げる。 instant
4.1.18 間隔尺度 二値間の順序付けと距離との両方を記述するために使用するし(悉)意的に定められた原点をもつ尺度。備考 ある間隔尺度で測定した値の比は,意味をもたない。これに対し,比率尺度(ratio scale)では,値の比が意味をもつ。例えば,温度の場合,絶対温度2度が絶対温度1度の2倍であるということには一定の意味があるので,絶対温度は比率尺度であるが,摂氏2度は摂氏1度の2倍とはいえないので,摂氏は間隔尺度である。質量及び金額は一般に比率尺度で表現する。時間については,実用上意味のあるような比率尺度は定められていない。 interval scale
4.1.19 ユリウス日 直前の正午からの経過を表す10進小数の日数を伴ったユリウス日数。 Julian date
4.1.20 ユリウス日数 ユリウス暦における紀元前4713年1月1日のグリニッジ標準時正午を原点として数えた日の数。 Julian day number
4.1.21 存続期間 物が存在し続けている期間。備考 有効時間による存続期間は,物体をモデル化した現実において存在している期間を表す。トランザクション時間による存続期間は,データベース上の物体がデータベース内に存在している期間を表す。 life span
4.1.22 月の循環周期の持続時間とほぼ等しい期間。備考 1か月の持続時間は整数で表す日数である。1か月の日数は個々の暦の規則で定められている。 month
4.1.23 ノード 零次元の位相プリミティブ(ISO 19107)。備考 ノードの境界は空集合とする。 node
4.1.24 順序年代 時間的に順序付けられた,名前をもつ期間。備考 下位階層として順序年代の集合を含むことがある。 ordinal era
4.1.25 順序尺度 オブジェクトの相対的な位置関係だけを測定するための基礎を示す尺度。 ordinal scale
4.1.26 順序時間参照系 順序年代の集合からなる時間参照系の一つ。順序尺度を基礎とする。 ordinal temporal reference system
4.1.27 期間 時間の範囲を表現する一次元の幾何プリミティブ。備考 二つの異なる時間位置が期間の境界となる。 period
4.1.28 周期長 一周期の持続時間(JIS Z 8202を変更)(★句点ぬけ★) periodic time
4.1.29 位置を表現する零次元の幾何プリミティブ(ISO 19107)(★句点ぬけ★) 備考 点の境界は,空集合とする。 point
4.1.30 時間座標 時間座標系の基礎として使用する間隔尺度の原点からの距離。 temporal coordinate
4.1.31 時間座標系 単一の時間単位の倍数として距離を測定する間隔尺度を基礎とする時間参照系。 temporal coordinate system
4.1.32 時間地物関連 時間又は時間的な制約条件の参照で特徴付ける地物関連。 temporal feature association
4.1.33 時間地物操作 時間の関数として定義する地物操作。 temporal feature operation
4.1.34 時間位置 時間参照系に関係する位置。 temporal position
4.1.35 時間参照系 時間の測定に対応する参照系。 temporal reference system
4.1.36 位相複体 境界操作のもとで閉じる位相プリミティブの集まり(ISO 19107)。備考 境界操作のもとで閉じるとは,位相複体に含まれる位相プリミティブの境界オブジェクトもまたこの位相複体に含まれることを意味する。 topological complex
4.1.37 位相プリミティブ 単独の不可分な要素を表す位相オブジェクト(ISO 19107)。備考 位相プリミティブは,幾何実現(ISO 19107参照)によって同じ次元の幾何プリミティブの境界の内側に対応する。 topological primitive
4.1.38 トランザクション時間 ある事実がデータベース内に存続し,検索が可能になっている時間(Jensenなど(1994))。 transaction time
4.1.39 有効時間 ある事実が抽象化した現実の中で真となっている時間(Jensenなど(1994))。 valid time

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