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JIS X 7111:2014
地理情報―座標による空間参照 2014改正●2004制定

番号 用語 定義 対応英語
4.1 アフィン座標系 ユークリッド空間において,直線の軸をもつ座標系。軸は,必ずしも相互に直交しない。 affine coordinate system
4.2 直交座標系 点の位置を,n本の相互に直交する軸に関して与える座標系。注記 この規格では,nは,2又は3とする。 Cartesian coordinate system
4.3 複合座標系 少なくとも二つの独立した座標参照系を用いて位置を示す座標参照系。 注記 一方の座標参照系の座標値が他方の座標参照系の座標値に換算又は変換できない場合,二つの座標参照系は互いに独立しているという。 compound coordinate system
4.4 連結演算 複数の座標演算を逐次的に適用する座標演算。 concatenated operation
4.5 座標 n次元空間内の点の位置を示すためのn個の数値の列。注記 座標参照系では,座標値には単位が付加される。 coordinate
4.6 座標換算 双方が同一の原子に基づいた座標参照系間における座標演算。
例 WGS 84原子に基づくだ(楕)円体座標参照系から,同じ原子に基づく直交座標参照系への変更又はラジアンから度若しくはフィートからメートルなどへの単位の変更。
注記 座標換算は,特定の値をもつパラメタを使用するが,パラメタは観測から決定されたものではない。
coordinate conversion
4.7 座標演算 ある座標参照系から他の座標参照系への1対1の関係に基づく座標の変更。注記 座標変換及び座標換算の上位型である。 coordinate operation
4.8 座標参照系 原子によってオブジェクトに関連付けられた座標系。注記 測地原子及び鉛直原子の場合,オブジェクトは地球となる。 coordinate reference system
4.9 座標集合 同一の座標参照系に関連する座標組の集まり。 coordinate set
4.10 座標系 点にどのように座標を割り当てるかを規定する数学的規則の集合。 coordinate system
4.11 座標変換 異なる原子に基づく二つの座標参照系間の座標演算。注記 座標変換は,両方の座標参照系での座標が知られている点の集合によって観測に基づき導出されたパラメタを使用する。 coordinate transformation
4.12 座標組 座標の列で構成する組。注記 座標組内の座標の個数は,座標系の次元と等しくなる。座標組中の座標の順序は,座標系の軸の順序と同一である。 coordinate tuple
4.13 円筒座標系 二つの距離座標及び一つの角度で表される三次元の座標系。 cylindrical coordinate system
4.14 原子 座標系の原点の位置,スケール,及び軸の向きを定義するパラメタ又はパラメタの集合。 datum
4.15 深さ 基準面からその面に立てた垂線に沿って下方向に測った点までの距離。注記 基準面から上方の深さは,負の値で表される。 depth
4.16 東距●E 南北基準線から東向きを正,西向きを負とした座標系上の距離。 easting●E
4.17 だ(楕)円体 だ(楕)円を主軸の周りに回転して形成される面。注記 この規格では,だ(楕)円体は常にへん(扁)平とする。すなわち,回転軸は常に短軸であることを意味する。 ellipsoid
4.18 だ(楕)円体座標系 測地緯度,測地経度及び(三次元の場合)だ(楕)円体高で位置を指定する座標系。 ellipsoidal coordinate system●geodetic coordinate system
4.19 だ(楕)円体高●h だ(楕)円体面からそれに垂直な線に沿って測ったある地点までの距離で,だ(楕)円体の上側又は外側に向かう場合を正とするもの。注記 三次元だ(楕)円体座標系の一部としてだけ使用しそれ単独では使用しない。 ellipsoidal height●geodetic height●h
4.20 施工基準座標参照系 施工基準原子に基づく座標参照系。例 局所的な施工グリッド又は構造グリッド,船又は軌道上の宇宙船などに対する局所的な座標参照系。 engineering coordinate reference system
4.21 施工基準原子●局所原子 座標系の局所的な参照に対する関連付けを記述する原子。
注記 施工基準原子は,測地原子及び鉛直原子を含まない。
例 基準点から数キロメートル以内の相対位置を識別する系で使用される。
engineering datum●local datum
4.22 へん(扁)平率●f だ(楕)円体の長半径(a)と短半径(b)との差の,だ(楕)円体の長半径に対する比の値:f=(a−b)/a。注記 時には,へん(扁)平率の逆数1/f=a/(a−b)を与えることもある。1/fは,逆へん(扁)平率と呼ばれる。 flattening●f
4.23 測地座標参照系 測地原子に基づく座標参照系。 geodetic coordinate reference system
4.24 測地原子 二次元又は三次元座標系と地球との関係を記述する原子。 geodetic datum
4.25 測地緯度●だ(楕)円体緯度●φ 赤道面と与点を通るだ(楕)円体の垂線との間の角度,北向きを正とする。 geodetic latitude●ellipsoidal latitude●φ
4.26 測地経度●だ(楕)円体経度●λ 本初子午線面と与点の子午線面との間の角度,東向きを正とする。 geodetic longitude●ellipsoidal longitude●λ
4.27 ジオイド あらゆる場所で重力の方向に垂直な地球重力場の等ポテンシャル面で,局所的又は全地球的に平均海面と最もよく一致するもの。 geoid
4.28 標高●H 地球の重力場に依存する高さ。注記 特に正標高又は正規高のことを指し,これらはいずれもある地点の平均海面からの距離の近似である。 gravity-related height●H
4.29 高さ●h●H 基準面からその面に垂直な線に沿って上方に測ったある地点までの距離。注記 基準面から下方の高さは,負の値で表される。 height●h●H
4.30 画像座標参照系 画像原子に基づく座標参照系。 image coordinate reference system
4.31 画像原子 座標系と画像との関係を記述する施工基準原子。 image datum
4.32 一次元曲線座標系 地形地物が軸を形成する一次元の座標系。例 パイプラインに沿った距離,傾斜坑油井の深さ。 linear coordinate system
4.33 地図投影 だ(楕)円体座標系から平面への座標換算。 map projection
4.34 平均海面 あらゆる段階の潮位及び季節的変動を平均した海面高。注記 局所的な意味の平均海面は,通常,1か所以上の地点で,一定の期間観測した結果から計算した,ある領域の平均海面を意味する。全地球的な状況では,平均海面と全地球的なジオイドとの差は2 m以下である。 mean sea level
4.35 子午線 だ(楕)円体面とそのだ(楕)円体の短半径を含む平面との交線。注記 子午線という用語は,完全な閉曲線としてではなく,両極を結ぶ弧線を表すことが多い。 meridian
4.36 北距●N 東西基準線から北向きを正,南向きを負とした座標系上の距離。 northing●N
4.37 極座標系 原点からの距離と方向とによって位置を指定する二次元座標系。注記 三次元の場合については,4.44 球座標系を参照。 polar coordinate system
4.38 本初子午線●零子午線 他の子午線の経度を測る基となる子午線。 prime meridian●zero meridian
4.39 投影座標参照系 地図投影を適用した二次元測地座標参照系から導かれる座標参照系。 projected coordinate reference system
4.40 長半径●a だ(楕)円体の最長軸の半径。注記 これは,赤道面で測定されただ(楕)円体の半径に等しい。 semi-major axis●a
4.41 短半径●b だ(楕)円体の最短軸の半径。注記 最短軸は,だ(楕)円体の回転軸と一致するため両極を含む。 semi-minor axis●b
4.42 繰返しを許した,関連する項目(オブジェクト又は値)の,有限で順序をもつ集まり(JIS X 7107参照)。 sequence
4.43 空間参照 実世界における位置の記述。注記 これは,ラベル,コード又は座標組の形態をとってもよい。 spatial reference
4.44 球座標系 原点からの距離及び二つの角度によって座標を示す三次元座標系で,通常,測地座標参照系と関連して用いられる。注記 だ(楕)円体を球に“簡易化”した座標系と混同してはならない。 spherical coordinate system
4.45 順序をもつ,値のリスト(ISO 19136)。 tuple
4.46 単位 大きさをもつパラメタを表現する定義済みの量。注記 この規格における単位の下位型として,長さ,角度,時間,目盛り及びピクセル間隔の各単位がある。 unit
4.47 鉛直座標参照系 鉛直原子に基づく一次元座標参照系。 vertical coordinate reference system
4.48 鉛直座標系 標高又は深さの測定値に使用される一次元座標系。 vertical coordinate system
4.49 鉛直原子 標高又は高さと地球との関係を記述する原子。注記 鉛直原子は,平均海面に関連付けられることが多い。だ(楕)円体高は,測地原子に基づく三次元だ(楕)円体座標系に関連付けるものとして扱う。鉛直原子には,水深測量のための原子(水路測量目的で利用する。)を含む。この場合,高さは負の高さ又は深さであってもよい。 vertical datum

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