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JIS X 7221:2011
アセスメント提供における情報技術(IT)利用の規範 2011制定

番号 用語 定義 対応英語
3.1 アセスメント テスト,試験,又はそれらに類するもので,定義された領域における受検者の知識,理解度,又は技能を評価するために設計されるもの。
注記1 ハイステークス又はローステークスの区別がある(3.13及び3.19参照)。
注記2 この規格では,評価のサイクル全体をアセスメントと呼ぶ場合と,評価に用いるアセスメントコンテンツなどを含む測定手段をアセスメントと呼ぶ場合とがある。
assessment
3.2 テスト会場 アセスメントを実施するために公式に設定された場所。アセスメント専用である必要はない。注記 テスト会場には,アセスメントの実施及びセキュリティを担当する職員が存在している。テスト会場は,しばしば,アセスメント頒布者から離れた場所にあり,異なる組織に属していることが多い。ハイステークスアセスメントの場合,通常,アセスメント頒布者がテスト会場を承認したり,モニタリングする。ある種のアセスメント,特にローステークスのものは,正式に設定されたテスト会場外で実施することもできる。 assessment centre
3.3 アセスメントコンテンツ アセスメント中に受検者に提示される質問及び関連画像,又は追加情報。 assessment content
3.4 アセスメント頒布者 (特にハイステークスアセスメントにおいて)アセスメントの頒布を担当する組織で,テスト会場の監督を行う場合があるが,アセスメントコンテンツには必ずしも責任を負う必要はない。 assessment distributor
3.5 アセスメントフォーム アセスメントの質問項目の集合。一つのアセスメントで,同じ知識,理解度又は技能を評価するように設計された,それぞれが異なる質問項目の組合せを含む二つ以上の異なるアセスメントフォームが用意されることがある。注記 アセスメントフォームでは,質問項目の個数,提示順,提示方法,回答方法などを定義する。 assessment form
3.6 アセスメント ソフトウェア 受検者にアセスメントを提示し,受検者の回答を記録するソフトウェア。注記 多数の異なるアセスメントを実行できる汎用的なものとアセスメントコンテンツに統合されているものとがある。必ずではないが,通常,アセスメント質問項目を開発・保存し,受検者登録を記録し,アセスメントセッションを管理するソフトウェアとは別のものである。 assessment software
3.7 アセスメント主催者 アセスメントコンテンツを決定し,資格又はその他の正式な認可の審査を行う組織。注記 アセスメント主催者は,しばしば,アセスメントの頒布をアセスメント頒布者に委ねる。 assessment sponsor
3.8 支援技術 障害(例えば,感覚障害又は身体的障害)をもつ人などのユーザのITの利用を容易にする機能ユニット又はサービス。 assistive technology
3.9 受検者 アセスメントを受ける人。 candidate
3.10 正答 正の得点を与える回答として事前に決めておくもの。注記 この用語の使用は,質問項目ごとに正答が一つしかないことを意味するものではない(3.18及び3.20を参照)。 correct response
3.11 配信プラットフォーム 受検者ヘアセスメントを配信することと,コンピュータの保持する情報(例えば,回答)を採点のために特定の場所へ返送することとを支援する,コンピュータハードウェア,システムソフトウェア,通信ソフトウェア及び関連機器。 delivery platform
3.12 公平性 テストが特定の受検者のグループに対して偏っていないこと。注記 コンピュータによる配信及び採点は全ての受検者に対して公平で,可能な限り,評価の対象となる知識,理解度,又は技能に関係のない要素,例えば,高度なコンピュータ技能の不足によってどの受検者にも不利益をもたらさないことが望ましい。 fairness
3.13 ハイステークス アセスメント 結果が受検者又は組織にとって重要であるため,信頼性及び妥当性が高くなければならないアセスメント。
注記1 ハイステークス アセスメントには,資格取得のためのコース修了試験(及び全体の結果に影響するモジュールのアセスメント),能力試験,及び免許試験のほとんどが含まれる。また,安全性評価のように,組織の評価が従業員又は学生・生徒の能力に依存する場合,アセスメントはハイステークスであるとみなされる(3.19を参照)。
注記2 ハイステークス アセスメントの事例については,附属書Aを参照。
high-stakes assessment
3.14 ICT 情報通信技術。 information and communication technology
3.15 IT 情報技術。 information technology
3.16 試験監督 アセスメントの実施を監視するプロセス,特にアセスメントのセキュリティが確保され,不正行為がないことを保証するプロセス。注記 プロクタリング(Proctoring)は,インビジレーション(Invigilation)と同義である。この規格では対象としないが,アセスメント主催者が了承すれば,監視装置を使って遠隔で試験監督を実施することができる。 invigilation
3.17 試験監督官 試験監督を行う者。注記 プロクタ(Proctor)は,インビジレ一夕(Invigilator)と同義である。 invigilator
3.18 質問項目 アセスメントにおいて,独立して存在する最小の質問単位,及び質問に関連する情報又は課題。注記 選択式質問,回答構築式質問,小論文,課題遂行(例えば,文章への題名付与)などが想定される。 item
3.19 ローステークス アセスメント 受検者又は関連組織にとって,結果があまり重要でないアセスメント。
注記1 形成的アセスメント又は診断形アセスメントは,通常ローステークスである(3.13を参照)。
注記2 ローステークス アセスメントの事例については,附属書Aを参照。
low-stakes assessment
3.20 構築式回答●記述式回答 選択肢からの選択に限定されない回答。注記 回答構築式質問項目は,通常テキスト入力が必要であるが,数値入力又はコンピュータグラフィックスを要求する場合もある(3.10及び3.24を参照)。 open-ended response
3.21 信頼性 アセスメントによる測定の安定性。例 二つのアセスメントフォームの難易度及び範囲が異なっていたり,採点手順又は採点報告に誤りがある場合,そのアセスメントの信頼性は低い。 reliability
3.22 回答 受検者の質問項目への答え。注記 回答には,与えられた選択肢からの一つ以上の選択,ITで採点可能な構築式回答,より複雑なITで採点可能な活動,人的に採点することが望ましいがITで送信可能な文章の作成が含まれる。音声による回答の記録も含まれる(3.10及び3.18を参照)。 response
3.23 結果 受検者が受けたアセスメントから導かれた成績・成果(outcome)。注記 結果は,合格・不合格として,評点として,比率として,又は診断若しくは形成的アセスメントにおける質問項目若しくはシラバス単位のフィードバックのような方法で,表される。 result
3.24 得点 アセスメント全体又は個々の質問項目についての,受検者の達成度の数値尺度。 score
3.25 妥当性 アセスメントが,測定対象とした内容を測定し,当初想定した目的に合致した有用な結果をもたらして,アセスメントがその目的を達成している度合。注記 明記されたアセスメントの目的と無関係な技能に,結果が不当に影響を受けている場合,アセスメントの妥当性は低い。 validity
3.26 受検設備 テスト会場で個々の受検者に提供される,ITハードウェア,座席,机,又はテーブルの空間を含む設備。 workstation

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