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JIS X 7778:2001
音響―情報技術装置の表示騒音放射値 2001制定

番号 用語 定義 対応英語
3.1.1 情報技術装置 家庭,オフィス,コンピュータ室,通信機器の設置場所又は同様の設置環境において,情報処理に使われる機器及びその構成要素。参考 1988年発行の原国際規格(ISO 9296)の原文は,“computer and business equipment”であるが,測定方法を規定したISO 7779が1999年に改正された際,これに対応する用語が“information technology and telecommunications equipment”となった。ISO 7779の一致規格,JIS X 7779と整合性を保つため,“情報技術装置”として同じ名称をここに定義する。 computer and business equipment
3.1.2 機械のロット 同じ機能を果たすよう,同じ技術仕様で量産され,同じ表示騒音放射値で特性付けられる情報技術装置の一群。備考 ロットとは,連続して生産された製品すべてであっても,その一部分であってもよい。 batch of machine(s)●lot of machines
3.1.3 アイドルモード 必要なウォームアップの後,機器に通電はしているが作動していない状態として,JIS X 7779に規定する条件。参考 1988年発行の原国際規格においては,“idling mode”であるが,1999年発行のISO 7779に対応するJIS X 7779との整合性を保つため,“アイドルモード”と訳す。 idling mode
3.1.4 作動モド 機器が目的とする機能を果たしている状態として,JIS X 7779に規定する条件。複数の作動条件が適用可能な場合は,その機器の利用形態の多くを代表するような条件を用いなければならない。(★「モード」でなくてよいのか★) operating mode
3.2.1 デシベル単位のA特性音響パワーレベル JIS X 7779に従い,周波数重みAを使って算出した機器の音響パワーレベル。基準音響パワーは1pW。 A-weighted sound power level in decibels●L_WA
3.2.2 デシベル単位のA特性放射音圧レベル JIS X 7779に従い,オペレータ位置において,又はオペレータ位置が定義されていない場合,バイスタンダ位置において,周波数重みAを使って算出した機器の放射音圧レベル(a)。基準音圧は20μPa。参考(a) 1988年発行の原国際規格においては,“sound pressure level”であるが,対応する用語が,引用規格のISO 4871の改正によって放射音圧レベル(emission sound pressure level)になり,また,測定方法を規定した1999年発行のISO 7779においても同様に変化した。ISO 7779の一致規格JIS X 7779との整合性を保つため,この規格全般を通じ,原国際規格の主旨に応じて,特に断ることなく,“放射”を追加して訳す。 A-weighted emission sound pressure level in decibels●L_pA
3.2.3 実測値 JIS X 7779に従い,個々の機械における測定から算出したA特性音響パワーレベルL_WAの値及びA特性放射音圧レベルL_pAの値。実測値を丸めてはならない。 measured value
3.2.4 表示騒音放射値 表示A特性音響パワーレベルL_WAdの値又は表示A特性放射音圧レベルL_pAmの値,若しくは両方。 declared noise emission values
3.2.5 ベル単位の表示A特性音響パワーレベル デシベル単位のA特性音響パワーレベルL_WAの10分の1であって,個々の機械又はあるロット内のすべての機械に対して表示した値。この表示した値とは,機械が新品であるとき,個々の機械のA特性音響パワーレベルL_WAの10分の1の値,及び/又はロット内のある規定されたかなりの比率の部分のA特性音響パワーレベルL_WAの10分の1の値が,それ未満であることを示す限度のことである。6.の検証方法は,表示騒音放射値L_WAdよりも大きなA特性音響パワーレル(★「レベル」の「ベ」ぬけ★)L_WAをもつ機器がロット内の6.5%を超えない確率が95%になるように設定されている。L_WAdの値は,最も近い0.1ベル(B)に丸める。備考 L_WAdは,ISO 7574シリーズのL_cに一致する。 declared A-weighted sound power level in bels●L_WAd
3.2.6 デシベル単位の表示A特性放射音圧レベル 機械が新品のとき,個々の機械に対して表示されるA特性放射音圧レベルL_pAの値,又は機械のロットに対して表示されるA特性放射音圧レベルL_pAの算術平均の値(b)。L_pAの測定位置とは,JIS X 7779で定義するオペレータ位置又はオペレータ位置が定義されていない場合,バイスタンダ位置である(c)。
参考1.(b) 原国際規格のままに定義を訳した。原国際規格には明確な記載がないが,測定方法を規定したJIS X 7779に従うため,オペレータ位置の定義されていない機器の場合,測定対象となる機器の1台ごとに,バイスタンダ位置(通常,前後左右の4か所)において放射音圧レベルが測定され,1台ごとにすべてのバイスタンダ位置での放射音圧レベルをエネルギー平均することになる。さらに,機械のロットに対する表示A特性放射音圧レベル,L_pAmの算出に当たっては,これらの値(エネルギー平均値)を算術平均することになる。
参考2.(c) 3.2.5に対する4.4.1及び4.4.2の関係,同じく,3.2.6に対する4.4.3及び4.4.4の関係を対比した場合,本来は,この定義の最後に“L_pAmの値は,最も近い1デシベル(dB)に丸める”主旨の内容を規定し,表示される値の表現形式を定義すべきである。
declared A-weighted emission sound pressure level in decibels●L_pAm
3.3.1 繰り返し性標準偏差 繰返し性条件,すなわち,同じ条件(同じ実験室,同じ測定者,同じ測定器)の下で,比較的短い時間間隔で,同じ機械に,同じ騒音放射測定方法(JIS X 7779)を繰返し適用して得られた実測値の標準偏差。備考 この規格では,量記号σは真の標準偏差に,量記号sは推定された標準偏差に用いる。 standard deviation of repeatability●σ_r
3.3.2 再現性の標準偏差 再現性条件,すなわち,異なる時間に,異なる条件(異なる実験室,異なる測定者,異なる測定器)の下で,同じ機械に,同じ騒音放射測定方法(JIS X 7779)を繰返し適用して得られた実測値の標準偏差。したがって,再現性の標準偏差には,繰返し性の標準偏差を含む。 standard deviation of reproducibility●σ_R
3.3.3 生産の標準偏差 同じファミリーに属する機器のロットの異なる個体に対し,繰返し性条件(同じ実験室,同じ測定者,同じ測定器)の下で,同じ騒音放射測定方法(JIS X 7779)を適用して得られた実測値の標準偏差。 standard deviation of production●σ_P
3.3.4 全標準偏差 再現性の標準偏差と生産の標準偏差の二乗和の平方根として,次の式で与えられるもの。
σ_t=√(σ_R^2+σ_P^2)………(1)
total standard deviation●σ_t
3.3.5 基準標準偏差 情報技術装置専用に規定された全標準偏差であって,この種の機器のロットに対して代表的と考えられる値。L_WAの基準標準偏差は,σ_M=2.0dBとする。備考 σ_Mを固定の値にすることによって,小さな標本数による統計手法を適用できるようになる。全標準偏差σ_tと基準標準偏差σ_Mとが異なる場合,製造業者はσ_tとσ_Mの両方の標準偏差に基づき,自身の危険率を推定するのが望ましい(4.4.1参照)。 reference standard deviation●σ_M

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