← 一覧に戻る ↓ このページの最下段に移る

JIS X 7779:2012
音響―情報技術装置から放射される空気伝搬騒音の測定 2012改正●2001制定

番号 用語 定義 対応英語
3.1.1 騒音放射通則規格(通則)●B-タイプ規格 機器の騒音放射の算出手順を規定し,その手順に従って得られる結果の信頼性及び再現性に対し,一定の精度のグレードをもつ規格[ISO 12001:1996[2],3.1] basic noise emission standard●B-type standard
3.1.2 騒音試験規定(個別規格)●C-タイブ規格 ある特定のクラス,種類(ファミリー)又は型番(タイプ)の機器に適用され,標準化された条件の下,その騒音放射の諸特性の算出,表示及び検証を効率的に行うために必要なあらゆる事項を規定した規格[ISO 12001:1996[2],3.2]
注記1 この規格は,ISO 9295及びJIS X 7778とともに,情報技術装置に関する騒音試験規定を構成する。
注記2 騒音放射通則規格に基づいて,特定の種類の機器のための騒音試験規定(個別規格)を作成するための要件がISO 12001:1996[2]に規定されている。
noise test code●C-type standard
3.1.3 情報技術装置 家庭,オフィス,サーバの設置場所,通信機器の設置場所又は同様の設置環境において情報処理に使われる機器及びそのコンポーネント 注記 邦訳の情報技術装置には,原文のtelecommunicationsに相当するものがないが,この規格の旧版JIS X 7779:2001制定時に検討済みであり,これを踏襲している。 information technology and telecommunications equipment●ITT equipment
3.1.4 ファンクショナルユニット それ自身の最終製品としてのエンクロージャ[きよう(筐)体]をもつ,もたないを問わず,この規格の手順に従って試験される,又は試験されることが想定される情報技術装置のユニット
注記1 この規格の方法に従って,情報技術装置の複数のユニットを一緒に試験しなければならない場合,一つのファンクショナルユニットが,複数のユニットから構成されることもあり得る。また,試験対象の情報技術装置の通常の運転のために,それ以外のユニット(電源モジュール,給水ポンプ,冷却ユニットなど)が必要な場合,一つのファンクショナルユニットが,このような情報技術装置以外の一つ以上のユニットと一つ以上の情報技術装置とが組み合わさって構成されることもある。
注記2 情報技術装置のファンクショナルユニットは,商業ペースで取引可能な最終製品,開発途中の試作品,それらのサブアセンブリ,又は,コンポーネントのように,広範な形態があり得る。
functional unit
3.1.5 作業位置●オペレータ位置 測定対象機器の近傍においてオペレータのために想定された位置
注記1 ISO 11201:2010,3.11から翻案。
注記2 この場合の“work station(英語の2単語からなる用語)”とは,単一ユーザー向けの高性能コンピュータを意味する“workstation(英語の1単語)”を指すわけではない。
work station●operator position
3.1.6 作動モード 試験中の機器が,その目的とする機能を果たしている状態 operating mode
3.1.7 アイドルモード 機器に通電しているが,作動していない定常な,一つ以上の状態 idle mode
3.1.8 床置き機器 床の上に設置するように設計されたファンクショナルユニット floor-standing equipment
3.1.9 卓上機器 それ自身のエンクロージャによって,テーブル,机若しくは独立したスタンド上に設置されるか,又はそこで使用するように設計されたファンクショナルユニット table-top equipment
3.1.10 壁付け機器 通常,壁面を背にするか,又は壁の中に据え付けられるようになっており,それ自身のスタンドをもたないファンクショナルユニット wall-mounted equipment
3.1.11 サブアセンブリ 一般には,それ自身の最終製品としてのエンクロージャをもっておらず,情報技術装置の他のユニット内に設置されるか,又は最終製品のエンクロージャ内において,他のサブアセンブリ又は情報技術装置の他のユニットとともに組み立てられるように設計されたファンクショナルユニット sub-assembly
3.1.12 ラック装着ユニット ラック,フレーム,キャビネット,完全密閉又は部分密閉,又は開放型のフレームの形態の,最終製品としてのエンクロージャ内に設置するように設計されたファンクショナルユニット rack-mountable unit
3.1.13 ラック組込みシステム ラック,フレーム又はキャビネット内部に一つ以上のラック装着ユニットを含んでいるファンクショナルユニット 注記 一口にラック組込みシステムといっても,その意味するものは,ラック又はエンクロージャの中に入るラック装着ユニットの構成に応じて,情報技術装置の多岐にわたる。その中には,サーバシステム,ストレージシステム,入出力システム,ネットワークシステム,又はこれら若しくは別のタイプのラック装着ユニットを“統合した”システムもあり得る。 rack-enclosed system
3.1.14 手持ち機器 一般に物理的に小さく,軽量で,操作中は手で支えるように設計されたファンクショナルユニット hand-held equipment
3.1.15 標準試験卓 少なくとも0.5 m^2の上面面積をもち,かつ,上面の長さが700 mm以上ある,剛性の高いテーブル 注記 標準試験卓の設計図を附属書Aに示す。 standard test table
3.2.1 放射●騒音放射 明確に定義された一つの音源(例えば,測定対象機器)によって放射された空気伝搬音 注記 製品表示及び/又は製品仕様書の一部として騒音放射に関する記述を含めることができる。騒音放射の基礎的な記述パラメータには,その音源自身による音響パワーレベル,及び,音源近傍のオペレータ位置(又は,オペレータ位置が定義されていない場合にはバイスタンダ位置)における放射音圧レベルがある。 emission●noise emission
3.2.2 音圧p ある瞬間の気圧と静圧との差
注記1 音圧は,単位,パスカル(Pa)で表す。
注記2 記号pは,しばしば,添え字なしで音圧の実効値を表すために使われる。
[ISO 80000-8:2007[3],8.9.2]
sound pressure,p
3.2.3 音圧レベルL_p 音圧pの二乗の,基準音圧p_0の二乗に対する比の常用対数を10倍し,単位,デシベルで表したもの
 L_p=10log_10(p^2/p_0^2)(dB)
ここに,基準値,p_0は20μPa
注記 この定義は,技術的にはISO 80000-8:2007[3],8.22に従う。[ISO/TR 25417:2007[22],2.2]
sound pressure level,L_p
3.2.4 時間平均音圧レベルL_pT 測定時間Tの間で,時間とともに変動する対象音と同じ平均二乗音圧をもつ,連続で定常な音の音圧レベル time-averaged sound pressure level,L_pT
3.2.5 放射音圧レベルL_p 対象とする音源が所定の設置条件に従って反射面上に裾え付けられ,所定の作動をしているときに,音源近傍の指定位置において実測した音圧レベルから,暗騒音の影響を除外したもの
注記1 放射音圧レベルは,単位,デシベル(dB)で表す。
注記2 箇条8において,放射音圧レベルの算出方法を規定している。
emission sound pressure level,L_p
3.2.6 時間平均放射音圧レベルL_peqT 測定時間Tの間で,時間とともに変動する対象音と同じ平均二乗音圧をもつ,連続で定常な音の放射音圧レベル
(数式)
注記1 時間平均放射音圧レベルは,単位,デシベル(dB)で表す。
注記2 放射音圧レベルは,騒音試験規程(すなわち,情報技術装置の特定のカテゴリに対してはこの規格)で要求する指定位置において算出される。
注記3 時間平均放射音圧レベルは,必ずある測定時間の間に算出されるため,一般に,添え字の“eq”及び“T”は省略される。
time-averaged emission sound pressure level,L_peqT
3.2.7 A特性インパルス音圧レベルL_pAI サウンドレベルメータをJIS C 1509-1の附属書Cに示す時間重み付け特性I(インパルス)に設定したときのA特性音圧レベルの指示値 注記 A特性インパルス音圧レベルは,単位,デシベル(dB)で表す。 A-weighted impulse sound pressure level,L_pAI
3.2.8 C特性ピーク音圧レベルL_pCpeak 一つの作動サイクルの中で発生するC特性瞬時音圧の絶対値の最大値を20μPaを基準としてレベル化したもの 注記 C特性ピーク音圧レベルは,単位,デシベル(dB)で表す。 C-weighted peak sound pressure level,L_pCpeak
3.2.9 音響パワーP 一つの音源から単位時間当たりに放射される空気伝搬音のエネルギー
注記1 音響パワーは,単位,ワット(W)で表す。
注記2 この規格では,測定時間中の音響パワーの時間平均値のことである。
sound power,P
3.2.10 基準音源 安定な音源として利用することを目的とした装置であり,対象周波数範囲にわたり,既知の広帯域音響パワースペクトル特性をもち,JIS Z 8739に従って校正されたもの reference sound source
3.2.11 対象周波数範囲 ISO 266で定義する1/3オクターブバンドの中心周波数のうち,100 Hz〜10 000 Hzの連続する帯域 注記 16 kHzのオクターブバンド内に離散周波数音を放射する機器に対しては,ISO 9295の手順が使われる(表4参照)。 frequency range of interest

← 一覧に戻る ↑ このページのトップに戻る