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JIS X 8341-7:2011
高齢者・障害者等配慮設計指針―情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス―第7部:アクセシビリティ設定 2011制定

番号 用語 定義 対応英語
4.1 アクセシビリティ機能 障害を経験する人たちに対して製品の使用性を高めることを目的として,特別に設計された機能(ISO 9241-171:2008参照)。 accessibility feature
4.2 アクセシビリティ設定 ユーザインタフェースを,よりアクセシブルにするための設定。例 ロービジョンの利用者のために,画面及び文字の拡大を有効にするための設定が提供される。 accessibility setting
4.3 アクセシビリティ設定モード 利用者がアクセシビリティ設定を調節するモード。注記 利用者はこのモードを通して,ほぼ全てのアクセシビリティ設定及びアクセシビリティ機能の調節にアクセスできる。 accessibility setting mode
4.4 聴覚へのフィードバック (キー入力などの)操作がコンピュータに受理されたかどうかを,聴覚的手段によって知らせるための機能。注記 聴覚へのフィードバックは,キー入力によるビープ音,警告音などを含む。 auditory feedback
4.5 バウンスキー 一つのキーから1回に1度のキー押下だけを受理する機能。注記 バウンスキーは,キーを押下又は放すときに,不用意にキーを余計な回数たた(叩)いてしまうような手の震えをもつ利用者のために設計されている。一旦キーが放されると,一定時間(利用者が設定可能)が経過するまで同じキーの押下を受け付けない。バウンスキーは,押下したキーと異なるキーについては,いかに速く打鍵しても影響しない(ISO 9241-171:2008の附属書E参照)。 BounceKeys^TM
4.6 コンピュータ 算術演算及び論理演算を含む大量の計算を,人手の介入なしに遂行することのできる機能単位(JIS X 0001:1994 01.03.03参照)。 computer
4.7 フィルタキー バウンスキーとスローキーとを一組として合わせた機能。注記 フィルタキーという用語は,バウンスキーとスローキーとを一組にした機能に用いる。これらの二つの機能は,両方起動できるようにしても,互いに排他的にしてもよい。ただし,両方起動した場合,バウンスキーはスローキーによって無力化される(ISO 9241-171:2008の附属書E参照)。 FilterKeys^TM
4.8 マウスキー 利用者が,画面上のマウスカーソルの制御及びマウスボタンの操作を数字キーパッドでできるようにする機能。注記 マウスキーは,身体的な能力が原因でマウスを正確に(又は全く)使用できない利用者のために設計されている(ISO 9241-171:2008の附属書E参照)。 MouseKeys^TM
4.9 画面キーボード ポインティングデバイスで操作可能であり,物理的キーボードからの入力と同一の入力を発生するキーボードを,画面上に提示するソフトウェア。注記 ISO 9241-171:2008では,画面キーボードは,キーボード模擬機構の一つの例として紹介されている。 on-screen keyboard
4.10 リピートキー キーの自動繰返し,繰返し開始時間及び繰返し頻度を制御する機能。
注記1 リピートキーは,キーを押下したときに自動繰返しを避けるために十分な速さで指を動かせない人たちがコンピュータを利用できるようにするために設計されている。繰返し開始時間,繰返し頻度,繰返し無効は,通常,キーボードのシステム設定に含まれる。これらの機能が含まれていない場合は,リピートキーがこれらを提供する。リピートキーも,素早い反応ができない利用者のために,繰返し遅延及び繰返し間隔を十分長く設定できる(通常のキー繰返し設定の標準的な最大値も十分長くない場合)(ISO 9241-171:2008の附属書E参照)。
注記2 システム設定とは,利用者がオペレーティングシステムの調節をするパネル及びウィンドウである。システム設定の名称は,オペレーティングシステムによって異なる。この機能の一般的な名称は,コントロールパネル又はシステム設定(システムプリファレンス)である。
RepeatKeys^TM
4.11 画面読み上げ機構 利用者が画面を見ることなしに画面の情報にアクセスできるようにするために,画面上の文字及び他の情報を音声で読み上げる機能。 screen reader
4.12 ショートカット 途中段階情報(例えばメニュー)の表示を行うことなく,ポインタの移動もその他の利用者の行動も要求することなく,直ちに実行する操作。 shortcut
4.13 サウンド解説 アプリケーションソフトウェアで可読なフラグであり,全ての情報を聴覚的に提供しているアプリケーションに視覚的にも情報を提供するように伝えることを意図した利用者設定フラグ。
注記 サウンド解説は,(聴覚障害,うるさい環境,図書館,教室などのように音出力が許されないなどの理由によって)明確に音声を聞き取れない又はコンピュータからの音の違いを聞き取れない利用者のための機能である。例えば,録音又は合成音声の代わりに説明文を表示することが可能であり,また,新着メールが到着したことを示すために音を使用しているときは,メッセージ及びアイコンによる表示ができる。ただし,説明文は,画面上に目に見えるように提示してある情報を,(画面読み上げ機構が)読み上げることで得られる音声出力に対しては,(重複して目に入るので)字幕を与えない方がよい(ISO 9241-171:2008の附属書E参照)。
ShowSounds^TM
4.14 スローキー 短い時間に打たれたり押下されたりした全てのキーを無視するように,キーボードに動作させる機能。注記 スローキーは,打鍵のときに意図せずに周辺のキーをたた(叩)いてしまうような,統制できない過度の動きをする利用者のために設計されている。キー押下は,利用者が設定可能な一定時間を押下した場合だけ受け付けられる(ISO 9241-171:2008の附属書E参照)。 SlowKeys^TM
4.15 サウンド表示 コンピュータが音を発生したときに視覚的合図を提供する機能。
例 screen flash, caption bar flash.
注記 サウンド表示は,(聴覚障害,うるさい環境,図書館,教室などのように音出力が許されないなどの理由によって)システム音を聞き取れない利用者のための機能である。サウンド表示は,システムのハードウェアを監視することによって動作し,音響的活動が検出された場合に利用者が設定可能な指標を提供する。なお,この機能は,通常,異なる音及び異なる音源を区別できず,また,音声出力及び音で伝えられた情報の有用な代替を提供できない。アプリケーションは,音で提供される情報の有用な代替を提供するために,サウンド解説機能をサポートすることができる。サウンド表示は単に,サウンド解説機能をサポートしていないアプリケーションのための,システムレベルの予備手段である(ISO 9241-171:2008の附属書E参照)。
SoundSentry^TM
4.16 固定キー 利用者が,キーの組合せ(例えばCtrl−Alt−Delete)を押下する場合,キーを全て同時に押下するのではなく,順番に押下することを可能とする機能。注記 固定キーは,両手を使えない利用者又は小棒を使って文字入力する利用者に向けて設計されている。固定キーは,Shiftキー,Altキー及びCtrlキーのような“修飾キー”として定義されているキーに対して働く。通常,固定キーの状態は,利用者の選択によって画面に表示される(ISO 9241-171:2008の附属書E参照)。 StickyKeys^TM
4.17 一定時間後無効機能 キーボード又はマウスの操作が一定時間(調節可能)発生しなかった場合に,自動的にアクセシビリティ機能を停止する機能。注記 一定時間後無効機能は,利用者がアクセシビリティ機能を有効にしたまま離れた場合に,次の利用者又は案内役の人が,コンピュータが故障したと困惑する可能性がある,図書館,書店などの公共・共有コンピュータでの使用を意図している(ISO 9241-171:2008の附属書E参照)。 Time Out
4.18 切替えキー 2状態交互切替えキーがロックされているか又は解除されているかを知らせる機能。注記 切替えキーは,CapsLock,ScrollLock,NumLockなどのように,ロックする(2状態交互切替え)キーの視覚的状態表示が見えない利用者のための機能である。切替えキーは,CapsLockのような2状態交互切替えキーがロックされている場合は,高いビープ音のような聴覚的合図,2状態交互切替えキーがロック解除された場合は,低いビープ音のような別の合図を提供する(ISO 9241-171:2008の附属書E参照)。 ToggleKeys^TM
4.19 視覚情報の調節 利用者が,視認性を改善するために視覚情報の特性を変更できるようにする機能。注記 視覚情報の調節には,文字サイズ,画面拡大,コントラスト,輝度,カラーバランス,色調反転,グラデーションなどの調節を含む。 visual emphasis
4.20 視覚へのフィードバック (キー入力などの)操作がコンピュータに受理されたかどうかを視覚的に知らせるための機能。注記 視覚へのフィードバックは,固定キーが有効な場合のキー表示,画面キーが押下された場合の視覚的表示などを含む。 visual feedback
4.21 音声操作 利用者が,マイクロホンを通して音声命令によるコンピュータ操作を可能とする機能(例えば,“メール切替え”で電子メールのアプリケーションが起動するなど)。注記 音声命令は通常,音声命令ではない他の音声と区別するために,起動キーワード(例えば,“コンピュータ…”)の後に続く。 voice operation

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